腰の問題を抱えながらも2021年に凱旋したエガン・ベルナルは、2022年シーズンに向けて飛び込んでいく。
ベルナルは、2021ジロ・デ・イタリアで初優勝。
来年は、スロベニアの2人の偉大なサイクリスト、タデイ・ポガチャルとプリモッシュ・ログリッチにツール・ド・フランスで挑戦するため、原点に戻ることになる。
2022年のツールはタイムトライヤルの距離が53kmもある。これは、TT得意なポガチャル、ログリッチにとって有利に働く。
逆に、エガン・ベルナルはタイムトライアルのポジションを上げ、2人のライバルとの差を縮めなければならない。
2019年ツール優勝に加えて、24歳にしてすでに注目されているキャリアにさらなる輝きを加えることができるだろうか?
ジロからブエルタへ
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2022ジロはTTの距離が少ない。そのため多くのクライマーが総合を狙ってエントリーしてくる。2021ジロを制覇したエガン・ベルナルは連覇を狙うことも否定はしていない。
コースはベルナルに有利となっているからだ。
“ジロ “は素晴らしいルートで、私は好きだ。感覚だけに流されず、ルートを分析し、チームがベストを選んでくれると思う。
もし、まだ勝っていないレースを選ぶとしたら、ブエルタ・ア・エスパーニャだろう。
もし、他のツールとブエルタのどちらを勝ちたいかと聞かれたら、ブエルタを選びますね。3つのグランドツアーを制覇したライダーとして、私は歴史に名を残すだろう。
6位となった2021ブエルタの結果について聞かれたベルナルは、レースに至るまでの経緯について述べている。
実は、ブエルタに出たいとも思わなかった。シーズン前は、ジロ・ブエルタをやるつもりだったんだけど、ジロが終わって7日間くらい休んで、あまり責任を負わずにツールに出るのも悪くないかなと思ったんだ。
コロンビアに行くためにコロナテストをやったが、必要ないと思っていた。翌朝、電話がかかってきて、コロナを持っていることを知らされた。
さらに10日間をそこで過ごした。コロンビアに戻ったが、最初の数日はひどいもので、自転車を動かさなかった。また、雨が降っていたこともある。私は打ちのめされた。
うまく行こうとしたが、数字は嘘をつかない。あのブエルタでは、これまでやってきたどのレースよりも多くのことを学んだ。
ベルナルは、準備不足を素直に認めている。流石に、一度上げたコンデションをコロナによってゼロにされたのでは、元の状態に戻るのには時間がかかる。
ブエルタ前のブエルタ・ア・ブルゴスでも山岳で遅れてしまうベルナルの姿が見られている。
ジロの山岳では前半、無敵の強さを見せていたベルナルの姿とは思えない走りだった。ベルナルの言う通り、数値的にも力は戻っていなかったのだろう。いくら実力があっても、準備周到にしなければグランドツアーに勝つことは出来ない。
スロベニアの二人に勝つ
一方、ワンデーレース、特に世界選手権にはあまり向いていないと感じている。
それは素晴らしいことだと思うけど、世界選手権はパリ〜ルーベのレースのようなもの。彼らはとても強く、とても重要なことをやっている。
でも僕は、無敵の人間なんていないと信じているし、単に悪い一日を過ごすことだってできる。私はそこで自分自身を見ることができないだろう。
ベルナルは、タデイ・ポガチャルとプリモッシュ・ログリッチを破れるかと聞かれ、次のように答えている。
彼らは非常に強い。彼らは非常に重要なことをやっているが、彼らが無敵ではないと信じている。
彼らも、単に悪い一日を過ごすことができる。ログリッチ自身はツールに勝つことができなかった。ファンに切り刻まれて、多くのことが起こる可能性がある。
ポガチャルは、彼が勝った最初のツールですでに起こっていた。それは単なる物理的なものではなく、戦略であり、位置付けと認識の方法を知っているからだ。
私は、彼らを打ち負かすか、少なくとも彼らに勝てると信じている。
確かに、ツールでも何が起こるかわからない。勝利を確信していたログリッチが個人TTで崩れ、今年は落車によって勝機を失った。
ポガチャルも、モン・ヴァントゥではヨナス・ヴィンゲゴーに遅れを取った。二人がTTで優位に立つのは間違いないが、山岳での強さがベストに戻ればベルナルにも勝機は必ずあると信じているのだろう。
3人のベストな戦いが見られることを期待しておこう。
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