エガン・ベルナルは今週末、コロンビアのメディア『Semana』のビデオで、1月下旬の事故以来初めてとなる完全なインタビューを行った。
ビデオでは、胸部、脊椎、大腿骨に一面の傷を負ったことを明らかにしているが、座っている姿は普通に見えるから不思議だ。
「僕は生きている。まるでセカンドチャンスのようだ。生まれ変わったようなもので、自分に起こるどんな小さなことも楽しんでいる」
と、ベルナルはビデオの冒頭で語っている。
時速62kmのメーターを見ていた
エガン・ベルナルは、タイムトライアルバイクのトレーニング中にバスと高速で衝突してから1カ月も経たないうちに、補助なしの歩行と固定式トレーナーでのペダリングの動画を公開している。
ベルナルは、先月イネオス・グレナディアーズのチームメイトたちとトレーニングに出かけていたときのことを思い出して、こう語っている。
チームメイトより一足先にインターバルを終え、前を見たら何もなかったんだ。後ろに護衛の車がいたよ。
インターバルを続けていて、時速58km/hで走っていたことを覚えている。見始めると59、60、61、62と出ていて、その速度を見たときにバスに衝突したんだ。
バスは静止していた。その瞬間の、痛みを想像してみてください。
やはり、メーターをずっと見ていたようだ。ベルナルは、この事件が起こった経緯について、誰のせいでもないと言っている。
この恐ろしい衝突事故は、トム・ピドコックやクリス・フルームなど、高度化するトライアルバイクの安全性を議論するきっかけとなった。
だが、ベルナルは、この事故がロードレースやトレーニングにつきもののリスクのひとつであることを示唆している。
残念ながら我々はサッカー選手ではないので、スタジアム、コロシアムでトレーニングすることはできません。このようなことに触れなければならない。
私の通常のトレーニングは、ジパキラからトゥンハの270キロで、往復で何千ものことが起こる可能性がある。
自覚を持たなければならない。回避できるリスクもあるが、オープンロードでのトレーニングをやめるわけにはいかない。
そうでなければ、ツール・ド・フランスで勝つことはできませんから。
ただ、ビデオを見ていると車を追い抜いていくベルナルの姿も見られる。仕方ないことだけど、スピードが出ているのでより慎重になる必要があったと思う。
ベストバージョンのエーガン・ベルナルになりたい
Paso a Paso. pic.twitter.com/n3HCp6yKRx
— Egan Arley Bernal (@Eganbernal) February 19, 2022
現在のところ、ベルナルの回復やレース復帰の可能性についてのスケジュールは未定。しかし、ベルナルは、まだバイクを使い終わっていないと言う。
戻りたい、一番好きなことなんだ。僕はサイクリストだから、もし自転車に乗っていなかったら、何をしたらいいかわからないと思うんだ。
今はサイクリストであり、アスリートであり、僕にとってサイクリングはライフスタイルなんだ。
ベルナルは今夏のツール・ド・フランスに復帰すると言われていたが、その野望は一時中断された。
ベルナルは、以前にも逆境から復活したことがあると語っている。
たとえば2018年のクラシカ・サンセバスティアンでのクラッシュ後の顔面の手術や、ツール優勝の数ヶ月前の鎖骨骨折など。そして再びそうすることを望んでいるという。
ツール・ド・フランスを再び優勝できるレベルにあるかどうかはわからない、すでに難しいからだ。
完全に元気な時に難しいのであれば、今はどうなるのか分からない。
でも、エガン・ベルナルのベストバージョンになりたい。エガン・ベルナルが今できること、もちろん僕はそのレベルに到達するために努力する。
次のエガン・ベルナルの報告を期待しておきたい。
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