ほんの数年前までは、クリス・フルームがグランツールの驚異的な登坂タイムの基準だったことを思うと、不思議な感じがする。
ツール・ド・フランス4勝をあげたクリス・フルームは、2024 ツール・ド・フランスのタデイ・ポガチャルの打ち立てた数々の登りでの記録をみてどう思ったのだろうか。
クリス・フルームは、アークティック・レース・オブ・ノルウェーを総合89位で走り終えて、タデイ・ポガチャルの走りについて意見を述べている。
驚異的な記録に驚く
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タデイ・ポガチャルは、ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスの総合優勝をダブルで決めることにも成功。
ツール・ド・フランスでは、第15ステージの超級山岳プラトー・ド・ベイの長い登りで、マルコ・パンターニの記録を26年ぶりに塗り替えている。
圧倒的なタイムとパワー。しかも、連続する山岳での最後で記録したのだから凄いことだ。タデイ・ポガチャルは、平均7w/kgという驚異的な出力を40分弱発揮。
ちなみに、クリス・フルームは、2015年ツール・ド・フランス第10ステージのラ・ピエール・サン・マルタンで勝利した際には、平均6.1w/kgを記録している。
長い間、6.7w/kgが人間の出せるパワーの最大値と言われていた時期があったけれど、タデイ・ポガチャルは、これを凌駕している。
タデイ・ポガチャルの記録した数値についてどう思う?
ツール・ド・フランスで報道されている数字が正しいとすれば、ただただ驚くばかりだ。つまり、驚くべき、驚くべき、驚くべきパフォーマンスだ。
タデイ・ポガチャルは、ダブルツールも達成しましたが。これについては?
シーズン序盤のワンデーレースやクラシックを考えると、ジロやツールまでその調子を維持できるのは驚異的だ。彼は驚異的なアスリートだ。見ていて楽しかった。
現代のアスリートは低年齢で高パフォーマンスを発揮してますが、これについては?
過去10年間で、データの入手がスポーツを大きく変えたと思う。若い10代の若者は、プロ選手のトレーニング方法を知ることができる可能性が高い。
おそらく13、14歳の選手がワールドツアー選手のようなトレーニングをしているだろう。
だから、19歳、20歳、21歳でプロになる頃には、ツール・ド・フランスのようなレースに出場して優勝する準備もできているんだ。
全体的にレベルが高くなっているということだ。高度も間違いなく要因のひとつだ。私がいたチームスカイ時代には、高地に行くチームはほんの一握りだった。今はみんなが行くようになった。
しかし、これほど若くして成功を収めたポガチャルが、引退するまでにその勢いを維持し、ツール通算5勝の記録を含む記録を更新し続けることができると思いますか?
そうだね。彼の走りを考えると、それを制限することはできないと思う。彼の年齢と今の走りを考えれば、どんな記録も塗り替えられると思う。
タデイ・ポガチャルは、現在26歳だが、クリス・フルームは、26歳の時に1勝もしていない。
タデイ・ポガチャルは、すでにプロとして84の勝利を収めている。その中には
- ツール・ド・フランス 総合優勝3回
- ジロ・デ・イタリア 総合優勝1回
- ツール・ド・フランス ステージ優勝17回
- ジロ・デ・イタリア ステージ優勝6回
- イル・ロンバルディア 3回優勝
- リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 2回優勝
- ストラーデビアンケ 2回優勝
- ロンド・ファン・フラーンデレン 1回優勝
- パリ〜ニース 総合優勝1回
これに付け加えるとしたら、世界選手権ロードのタイトルとオリンピックのタイトル、さらにツール・ド・フランス総合優勝の回数がどこまで増えるかということだ。
ランス・アームストロングのツール総合優勝7回は取り消されているが、それを抜くのだろうか。
フルームの言う通り、今のパワーが維持できるならば達成可能だ。
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