クリス・フルームは、プロのサイクリングにおけるデータが、パフォーマンスの全体的な水準を引き上げると同時に、このスポーツをより危険なものにしていると考えている。
シーズン15年目を迎えるフルーム。だが、長いキャリアの間に、このスポーツは見違えるほど変わったと言う。
「プロサイクリングにおけるパフォーマンスの一般的なレベルに関して、全体的にハードルが非常に高くなった」と、フルームはQuad Lockのスポンサービデオで語っている。
バワーメーターの台頭
その原動力となったのは、ペダルを踏む力を計測し、ライダーが自分の力を判断するのに役立つパワーメーターの台頭だとフルームは言う。
かつてのライダーは感覚を頼りにレースやトレーニングをしていたかもしれないが、今は数字に左右されることが多くなっていると。
フルーム自身、慎重に自分の努力を測定し、赤字になるリスクを冒すよりも短期間でドロップすることを恐れないことで知られていた。
だが、ここ数年でも、パワーやその他のパフォーマンス関連のデータの進歩が、プロのサイクリスト全般のレース運びを変えたと主張している。
この10年から15年の間に、このスポーツを形成する上で大きな役割を果たしたさまざまな技術がある。
まず第一に、パワーメーターによって得られるデータの量と、すべてのデータの収集と相関関係は、今のパフォーマンスがよりガイド的であることを意味する。
以前からパワーメーターはあったが、誰もそれを使ってどのようにトレーニングすればいいのか、データが何を意味するのかを理解していなかった。
だが、現在、私たちは世界最大のレースに勝っている人たちからたくさんのデータを手に入れることが出来る。
今ではそのデータが、トレーニングプランの基礎となり、レースにつながるすべての準備に役立っているんだ。
今は、誰もが体系的なトレーニングを行っている。ただ自転車に乗って走るだけという人はめったにいない。誰もが計画を立て、コーチをつけ、それに従うという構造を持っている。
これは15年前と比べて大きな変化だと思う。
危険の指摘
“I was lying there thinking that could be it… I was in so much pain”
We got chatting to @chrisfroome about all things cycling in our latest blog.
FULL INTERVIEW HERE: https://t.co/prHSoiy7RZ#cycling #TourDeFrance #cyclinglife #chrisfroome #quadlock #interview pic.twitter.com/Kwi1TXrGY1— QUAD LOCK (@QuadLockCase) March 10, 2022
競技性を高めるだけでなく、フルームは自転車競技のデータ化の欠点も指摘した。
最近、タイムトライアルバイクと砂利道に関する安全性の問題について発言したフルーム。
さらに、新しいテクノロジーがスポーツをより危険なものにしていると指摘した。
フルームが主に言及したのは、現代のマップ技術で、すべてのライダーがレースのルートを正確に把握しているという指摘だ。
監督たちはレースコースを詳細に調査し、その情報をリアルタイムでライダーに伝えている。
そのため、すべてのライダーがレースで何が起こるかを知っており、ポジション争いができるんだ。
精神的なものもある。誰かが「君たち、これから本当に狭い危険な小さな村を通るんだよ、道は本当に小さくて、まっすぐ行くと小さな橋があってコーナーがあるんだ」と言うと、実際に5キロ速く走れるんだ。
後方にいると、ピンチポイントを通過するために渋滞に巻き込まれることになる。前方に危険が迫っていることを伝えると、ペースが上がるスポーツは、おそらく自転車だけだろう。
その結果、レースはより危険なものになっていると思う。より多くのデータを得ることで、基本的にレースはより危険なものになったんだ。
以前は、それぞれのピンチポイントがどこにあるのかわからなかったし、ポジションを争うようなこともなかった。
だから、その場ではリラックスして、問題なく走りきることができた。でも、今はかなり変わったよ。
フルームは、現在オーバートレーニングで膝を負傷している。
2022年のレースにはまだ出場していないが、フルトレーニングに復帰し、ビデオでは週30~35時間走っていると語っている。
予定では4月26日のツール・ド・ロマンディから復帰。
クリス・フルームはトレーニングではQuad Lockステムマウントを使っている。スマホでライド中の血糖値を追跡している。これも昔から大きく変わった点だ。
コメント