軽量で高品質なスポークとしてはスポーク・ニップル専門ブランドのサピムCX-RayやCX-Superが有名だ。
最軽量と思われるCX-Superは280mmの長さで1本3.6g。
だが、これを上回る軽量スポークが存在する。
2015年に創業された Berd Spokesの製品だ。(以下バードスポーク)。その重量なんと1本2.5g。
Berd Spokes
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Photo berdspokes.com
バードスポークは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)と呼ばれる高度なポリマーから作られている。
これは防弾チョッキなどで使用される素材。
UHMWPEは、鋼と水に浮く浮力の重量比が12倍。また、疲労寿命が大幅に改善され、要素の影響を受けない。これが、バードスポークが最も軽くて強く、最も耐久性のあるスポークとなっている理由となる。
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Image credit: Berd Spokes
上の図は、重量と強さの比較表だが通常のスチールスポークと比較して、軽く強度も高い。
重量のほとんどは、端のステンレス鋼の取り付け点にあるためスポークの長さごとの重量差はほとんどない。
重量は軽くても、強度が高いためスチールの重量比に対する強度比は12倍となる。
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Image credit: Berd Spokes
バードスポークは、14ゲージスレッドを使用して、金属スポークと同じ方法で標準ニップルに接続する。
スレッドの反対側にはループがあり、ハブの穴から引っ張ってロッドで固定。バードスポークは、ミッドスパンの直径が1.8mmとなっいる。
バードスポークは、スチールスポークよりもはるかに効果的に振動を減衰させるので、より快適でスムーズな乗り心地を実現。
以下のグラフは、バードスポーク付きホイールが金属製スポークよりも200%優れた振動減衰を提供することを示している。
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Image credit: Berd Spokes
バードスポークは、すべてのJベンドとほとんどのストレートプルハブで動作する。
スポークは、ハブの穴からループを引っ張り、ループにロッドを挿入することでハブに接続される。これが完了すると、スポークはハブの穴から引き戻すことができない。
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Image credit: Berd Spokes
どう見ても、太いヒモのようにしか見えないのですがテンションとかかけられるんだろうか?
グラベルで使用出来るほどなので大丈夫なのだろうけど、自分で組む場合には下記の専用工具があったほうが良いみたい。
スポーク構造
その答えはスポーク自体の構造にある。
強度と耐久性はUHMWPE素材の編組によるものだが、Berdは全てのハブとほぼすべての標準リムとの互換性を維持したいと考えていた。
つまり、標準のスポークニップルの場合と同じように、ステンレス製のアタッチメントを最後に追加することを意味したが、UHMWPEをステンレス製のエンドに接着することは簡単ではない。
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Image credit: Berd Spokes
Berdはそれを理解し、ほとんどのホイールの構築に使用できる標準の14gニップルを使用するスポークを考案した。
ブレードスポークと同様に、ホイールを構築するときにスポークがねじれないように、スチールのアンカーポイントにレンチがある。
ENVE グラベルホイール
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Image credit: Berd Spokes
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Image credit: Berd Spokes
Berdでは、バードスポーク付きENVEグラベルホイールを販売している。1171gと非常に軽量だ。グラベルホイールとしては最軽量なのではないだろうか。
また、Berdは手持ちのホイールをバードスポークに変えるサービスも実施しており、100~200gの軽量化が可能となる。
バードスポークの色は白と黒があり、個別販売も可能となっている。
バードスポークの重量は世界最軽量だが、太さではサピムにはかなわない。空気抵抗を考えるとグラベルロードやマウンテンバイクホイールに使用するのが最適でしょうね。
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