UCI(国際自転車競技連合)は12月17日、ポルトガル人サイクリスト、アントニオ・カルヴァリョ(António Carvalho)に対し、アンチ・ドーピング規則違反により4年間の資格停止処分を科したことを発表した。
36歳のベテラン選手であるアントニオ・カルヴァリョは、禁止物質の特定には至らなかったものの、生体パスポート(バイオロジカル・パスポート)における血液データの不可解な異常値が証拠となっている。
4年間の資格停止処分
António Carvalho Ferreira accepted the consequences, UCI says https://t.co/mLyL4QWl0s
— Cycling Weekly (@cyclingweekly) December 17, 2025
UCIの発表によると、アントニオ・カルヴァリョの生体パスポートには、2018年、2023年、および2024年のデータにおいて、ドーピングを示唆する異常が見つかっている。
生体パスポートとは
生体パスポートまたはバイオロジカル・パスポート(英: Biological passport)とは、スポーツ選手の一定期間における生物学的マーカーを記録し、これを照合することでドーピングを検知するドーピング検査手法である[1]。
従来の手法では、検査に際して体内から禁止物質が検出されるか否かで判断がなされていたが、生体パスポートでは継続的な観察により、通常であれば生理学的にありえない(例えば禁止薬物を用いたような)体質の変化から、ドーピングを検知する。
引用 wikipedia
特に注目すべきは2018年のデータ。当時、彼はW52-FC Portoに所属。
このチームは後に警察による大規模な捜査「クリーン・アンド・ジャーク作戦」を受け、組織的なドーピングが明るみに出て事実上の解散に追い込まれたチーム。
当時、難を逃れていたアントニオ・カルヴァリョだったが、過去のデータが時を経て彼を追い詰める形となっている。
アントニオ・カルヴァリョは現在、ポルトガルのコンチネンタルチーム Feirense Beeceler に所属しているが、今回の違反を認め、制裁を受け入れた。
資格停止期間は2025年11月4日から2029年11月3日まで。処分が明ける頃には40歳となるため、事実上の引退勧告となる。




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