ブエルタ第10ステージで、プリモッシュ・ログリッチは総合勢からリードを奪いながらも下り坂で落車。
ケガの様子が心配された。
だが、ゴール後は、かなりリラックスした様子を見せている。それでも、影響が全くないとは言い切れない中での第11ステージのスタートだった。
前日にオドクリスティアン・エイキング(Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)にマイヨ・ロホを譲ったので、チームは休むのかと思っていたが、そんなことない。
Team Jumbo-Vismaは、前日と変わって積極的に集団牽引にメンバーを送り込み、タイム差をキープする。
その意味は、ゴール前の攻防からも見て取れた。
チームの期待に
“Is it bad?”
“No, it’s nothing.”@JumboVismaRoad duo Primoz Roglic and Sepp Kuss discuss an eventful final climb on Stage 10 of #LaVuelta21 pic.twitter.com/6Z59yttmVq— Velon CC (@VelonCC) August 24, 2021
Team Jumbo-Vismaは、このブエルタでは可能な限りエネルギーを節約するように注意している。
これまでも、第3ステージで意図的にマイヨ・ロホをレイン・タラマエに渡している。前日のステージで2回目だ。こうすることで、チームは集団牽引の役割から外れることが出来る。
アシストを最後まで温存することは、エースを助けるための最善の方法だ。
だが、第11ステージでは全くちがった。最後から2番目の2級山岳で、UAE Team Emiratesのダビ・デラクルスがアタックした時には、ステファン・クライスヴァイクが集団先頭にたって追う。
チームが意味することは明らかだった。ログリッチをステージで勝たせるために、良いポジションに置く事がチームの使命だったのだ。
プリモッシュ・ログリッチが、前日のステージの落車の影響があれば、最大28%の勾配を集団先頭で駆け上がることは決して出来ない。
まして、ゴール前でエンリク・マスを3秒突き放すことも不可能だ。
Team Jumbo-Vismaは、したたかだ。必要のないステージでは力を温存し、チャンスのあるステージでは全力でログリッチをアシストする。
非常にメリハリの利いた戦術でログリッチの三連覇を後押ししている。第14ステージから続く2回の山岳ステージで再びチームは牙をむくことになるだろう。
しかし、タイム差は2分近くある。まずは、総合勢にダメージを与えつつ、マイヨ・ロホの奪還に向けて徐々にタイム差を詰めてくる作戦を取るはずだ。
そして、第3週にはライバルの走りをチェックするだけで良い状態を作り出すはずだ。あくまで、最後の勝利に向けて。
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