イギリスのRibble Cycles(リバルサイクル)は、1897年創業の老舗のバイクブランド。
ダイレクト販売なので、安価なバイクも数多く作成している。だが、今回のエアロバイクは超革新的だ。
ハンドルは3つの特許出願中で、独特な形状をしている。しかもハンドル幅は33cm、36cm、38cmと凄く狭い。トラックバイク並みのハンドル幅だ。
Ribble Ultra SL
3年間の開発期間を経てエアロフレームが完成。空力テストでは、バイクだけでなく、実際に人が乗った状態で最速となるように解析を重ねた。
テストの結果では、アマチュアサイクリストとレースサイクリストの両方でエアロ効果が得られるように開発。具体的な結果は時速35km/hと46km/hで比較されている。
35km/hならば、アマチュアサイクリストでも出せるスピードだ。他のブランドとの比較データはないが、自社のEndurance SL Rとの比較だと
- 35km/hで40km走った場合75.1秒短縮
- 46km/hで40km走った場合61.4秒短縮
という結果となっている。100km走ったならば3分速いというから凄いことだ。
ダウンチューブの下部は、標準のウォーターボトルを所定の位置に配置して使用するように最適化されている。
Ribbleは、5°のヨーから上への抗力を減らすという点で、まっすぐなエッジの翼が最も有益であることが証明されたと述べている。
この形状の場合、実際にボトルを使用した場合のほうが高速であることが空力テストによって解析されている。
Ultraフレームセットには、多くのトランケートされたエアロフォイルチューブプロファイルが搭載されている。基本的には他のブランドと同じテールが取り外されたエアフォイルだ。
ある特定のチューブプロファイルは10°ヨーまで高速だが、ある時点で空気が突然分離すると、横風で不安定になる可能性がある。
そのため、ヨー全体のスイープ全体で安定性と一貫性が向上した少し遅いプロファイルを選択した。バイクのすべてのセクションでこのプロセスを実行している。
ドロップシートステイは、後輪の曲率に適合して風から保護し、乱気流を低減することで空力性能を大幅に向上させている。
UltraAeroハンドルバー
革新的なUltraAeroハンドルバーは、完全にバイクとライダーの相互作用を中心に設計されている。
ウェイクジェネレーターと呼ばれる設計は、ハンドルバーのすべての要素がライダーの上流の気流を管理し、人間工学、コンポーネントの統合、および画期的な空気力学をカプセル化するように最適化されている。
具体的には、ハンドルバーで空気に乱気流を追加し、空気の一部を外側とライダーの周りに導くことで、脚に掛かる抵抗が少なくなり、スライスするバーよりも全体的な乱気流が少なくなる。
ハンドルバーは、テープなしで使用できるように設計されている。バーテープは空気力学の点ではそれほど優れていないため、バーにザラザラした仕上げを施している。
Ribbleは、デュアルコントロールレバーがUltraバーに直接ボルトで固定されるシステムを考案。ダイレクトマウントシステムと呼ばれ、15°の左右の動きと30mm弱の垂直方向の動きが得られる。
レバーは従来の位置に配置され、取り外し可能で調整可能なプレートを使用してハンドルバーに取り付けられている。
その結果、ハンドルは丸形状である必要はなくなっている。
ウルトラエアロバーの航跡生成設計により、ライダーの脚がその中に座るための抗力低減ゾーン(DRZ)が作成され、バイクとライダーの正味の抗力が約2.1%低減される。
これは、同社のLEVEL 5統合コックピットと比較して、平均23.2秒の利点に相当すると言う。
Ribbleは、デュアルコントロールレバー、ウェイクジェネレーター、および非円形ドロップを直接取り付ける方法について特許を申請している。
ハンドル幅は33cm、37cm、38cmが用意。38cmの場合ドロップ部分で42cmにフレアされる。ステムの長さは、幅の広いバーで110または130mm。幅の狭いバーで80mmまたは100mmと種類が少ない。
重量は38cmの場合で450gと決して軽量とは言えない。
Ultra Roadには、Ultra SLRとUltraSLの2つのモデルがある。
Ultra SL Rのフレーム(ミディアムサイズ)の重量は1,050g。Ultra SL Rの完全なバイクの重量は、7.6kg。
Ultra SL Rは、フレームセットとして£2,999(約48万円)。コンポとホイールの違いにより価格は変わるので、公式サイトで確認して貰いたい。
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