ジュリオ・チッコーネが、2027年からPinarello Q36.5 Pro Cycling Teamに加入することが正式に発表された。
Lidl-Trekで8シーズンを過ごしたイタリア屈指のクライマーは、2029年末までの3年契約で新天地へ向かう。
そこには、すでにチームの中心選手として活躍するトム・ピドコックがいる。
山岳に強いチッコーネと、登坂力に加えてダウンヒルやパンチ力も武器とするピドコック。
戦力強化になるのは間違いないけど、2人が同じレースで総合優勝を狙う場合、チームはどのように役割を分けるのだろうか。
2029末までの3年契約
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ジュリオ・チッコーネは、2016年からBardiani-CSFで3年走った後に、2019年から、Trek-Segafredoに移籍。5月に2019 ジロ・デ・イタリアを駆け抜け、山岳賞獲得とステージ1勝。
山岳が得意なジュリオ・チッコーネは第1ステージからバイクチェンジしてマリア・アッズーラ(山岳賞)を獲得したのだ。
2019ツール・ド・フランス第6ステージで、彼はディラン・トゥーンス(Bahrain Merida)に続いて2位でゴール。
2級山岳シュヴレール峠に設定されたボーナスタイム8秒が明暗を分け、ジュリアン・アラフィリップからマイヨ・ジョーヌを奪いとることが出来た。
2020年はコロナにかかってしまい、ジロでは気管支炎の症状を起こしてリタイヤ。オフには鼻中隔形成術の手術もしている。
2年の低迷を経て、ようやく、2023年は復活し、2023 ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ第2ステージで勝利。
このステージでは、レムコ・エヴェネプール、プリモシュ・ログリッチを破っての勝利だった。
2023 クリテリウム・デュ・ドーフィネ第8ステージでは、ヨナス・ヴィンゲゴーの追撃をかわして勝利してみせた。
2023 ツール・ド・フランスでは、山岳賞を獲得。2024年シーズンはジロ・デ・イタリアを狙うかと思われていたが、2月に会陰にできた嚢胞のため手術している。
2024 ツール・ド・フランスでは総合11位。2024 ブエルタ・ア・エスパーニャでは鹿にぶつかってリタイヤ。
2025年シーズンのジュリオ・チッコーネは調子が良かった。UAEツアーではタデイ・ポガチャルについで総合2位。ツアー・オブ・アルプス第1ステージでは2年振りの勝利。
さらに、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュではタデイ・ポガチャルに次ぐ2位をモニュメントで獲得した。2025年はケガや病気がなく好調を維持。
2026年は、ボルタ・ア・カタルーニャで山岳賞獲得。
そして、2026 ジロ・デ・イタリア第4ステージで3位に入り、マリアローザを獲得。しばらく着用かと思われたのだけど、第5ステージで自ら先頭集団を追う立場になってしまい、わずか一日で失ってしまった。
その後、幾多の苦難を乗り越えて、ジュリオ・チッコーネは2度目の山岳賞を獲得する。
この後も好調でブエルタ・ア・ブルゴス総合3位。そして、ヨーロッパ選手権ではレムコ・エヴェネプールにわずかな差で敗れて2位。
最後のイル・ロンバルディアでも、3位に入りモニュメントの表彰台を獲得した。
チッコーネは2026年シーズン限りでLidl-Trekを離れ、Pinarello Q36.5 Pro Cycling Teamへ移籍する。
チッコーネは移籍について、同じチームで8年間過ごした後の大きな決断だったとしながらも、新しい挑戦とモチベーション、そして自分が居場所だと感じられる環境を求めていたと語っている。
また、ピドコックについては、その才能だけでなく、独自の考え方を持ち、自分らしい方法で勝負することを恐れない選手として以前から尊敬していたという。
ピドコックとチッコーネ、2人のエースは共存できるのか
ここで気になるのは、ピドコックとチッコーネの役割分担だ。
ピドコックは、登坂力に加えてパンチ力やテクニカルな下りも武器とし、ワンデーレースでもステージレースでも勝利を狙えるオールラウンダー。
一方、チッコーネは山岳での強さとグランツールでの経験を持ち、厳しい山岳ステージや総合争いで存在感を発揮してきた。
もちろん、2人ともエースとして起用できる選手をそろえること自体は、チームにとって大きな強みになる。
例えば、ピドコックがパンチ力を生かせる丘陵コースやワンデーレースを狙い、チッコーネが山岳の厳しいステージや総合成績を重視するレースで中心となる形なら、役割を分けやすい。
レースによっては、ピドコックが攻撃を仕掛け、チッコーネがライバルをマークするなど、戦術の選択肢も増える。
ただし、同じグランツールで2人が総合優勝を狙う場合は話が違う。
山岳でどちらを優先するのか、誰がアシストに回るのか、状況に応じた判断が必要になる。エース候補が2人いることは必ずしも問題ではないが、チーム内で明確な戦術と意思疎通がなければ、せっかくの戦力を生かし切れない可能性もある。
戦力強化の鍵は、レースごとの使い分け
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Pinarello Q36.5 Pro Cycling Teamにとって、チッコーネの加入は山岳での選択肢と経験を増やす補強となる。ピドコック1人に結果を求めるのではなく、複数の勝ち筋を持てるようになるからだ。
一方で、チッコーネの加入によって、ピドコックのチーム内での立場が変わると決まったわけではない。チッコーネ自身もピドコックへの敬意を示しており、現段階では2人の関係を対立構造として捉える必要はないだろう。
重要なのは、チームがどのレースで誰に勝利を託すのかを明確にすることだ。
ピドコックの攻撃力とチッコーネの登坂力を適切に組み合わせられれば、Pinarello Q36.5 Pro Cycling Teamは2027年シーズンに向けて、これまで以上に幅広いレースで勝利を狙えるチームになるはずだ。
まあ、普通に考えればイタリア人のジュリオ・チッコーネがジロ・デ・イタリアでエースとなり、ステージ優勝と山岳賞を狙う。
トム・ピドコックは、ツール・ド・フランスで総合を狙うのは理にかなっている。最後はブエルタで二人が共闘すればいうことなしだろう。









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