タデイ・ポガチャルはなぜこれほどまでに強いのか? 高いVO2Max? 驚異的なパワーウェイトレシオ? もちろんそれらは要因の一部であることは間違いない。
だが、彼を無敵にしている本当の要因は、もっと別の場所にあるようだ。
UAE Team Emirates – XRGチームのマッサージ・整骨・身体調整担当の、ミケーレ・デル・ガロ氏のインタビューから、ポガチャルの脳と身体の使い方(モーターコントロール)の凄さが明らかになった。
ミケーレ・デル・ガロが語るポガチャルの脳内
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ミケーレ・デル・ガロ氏は、UAE Team Emirates – XRGのマッサージ師でもあり、普段からタデイ・ポガチャルの体のメンテナンスを行っている。身近にいるからこそわかる部分もあるようだ。
ポガチャルの強さについて、多くの人が身体能力の高さを挙げますが、あなたの視点は少し違うようですね。
ええ、もちろん彼のフィジカルが優れていることは間違いない。しかし、彼を他の選手と決定的に差別化しているのはモーターコントロール(運動制御)能力の高さだ。
簡単に言えば、脳が筋肉に指令を出し、身体を動かすその回路の質が異常に高い。
具体的にはどういうことでしょうか?
彼は自転車の上で、無駄なエネルギーを一切使わない。ペダルを漕ぐという動作において、どの筋肉をいつ、どれくらいの強さで動かせばいいのかを脳が完璧に理解し、自動化している。
私たちはこれを神経可塑性の観点から見ている。彼の脳は、最も効率的な動きを瞬時に学習し、それを身体に実行させる能力が極めて高い。
だからこそ、彼は他の選手よりもエネルギー消費が少なく、結果として疲労の蓄積も遅いんだ。
“We found the solution through motor control” – UAE insider reveals how Tadej Pogacar’s brain helps make him so hard to beat #Cycling https://t.co/D913AMpQnF
— CyclingUpToDate (@CyclingUpToDat3) January 18, 2026
つまり、彼にとって自転車に乗ることは、歩くことと同じくらい自然で負担のない行為になっていると?
その通り。多くの選手は、極限状態になるとフォームが崩れ、無駄な動きが生じ、それがさらなる疲労を生みだす。
しかしタデイの場合、脳と身体の連携が強固であるため、どんなに追い込まれても効率性が落ちない。 彼はただエンジンが大きい車なのではなく、そのエンジンを制御するドライバー(脳)の運転技術が神がかっているのんだ。
昨今のサイクリング界では「ゾーン2トレーニング」などが話題ですが、UAEでは「脳」へのアプローチも重視しているのですね。
身体的なトレーニングはもちろん重要だが、私たちは「いかに身体を効率的に使うか」という運動学習の側面も重視している。
タデイの回復力の早さも、このモーターコントロールに関連している。身体への負担が最適化されているため、ダメージからの復旧も早い。
彼がグランツールであれだけのパフォーマンスを連日発揮できる秘密は、実は「筋肉」よりも、この「脳の処理能力」にあると私は確信している。
強さは脳で作られる。ミケーレ・デル・ガロ氏の言葉は、数値データ偏重になりがちな現代のロードレース観に一石を投じるものだ。 ポガチャルという天才を理解するには、ワット数を見るだけでは不十分なのかもしれない。
しかし、脳から違うといわれるとサイエンスの世界となりそう。驚異的と思われる疲労回復能力も、そもそも効率良く走っているので疲れも少ないということか。
ただ、生まれ持ったものと言われると努力では~。



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