タデイ・ポガチャルは、ツール3連覇を目指していたが、第11ステージでまさかの失速をしてしまう。
この時に、タデイ・ポガチャルが使用していたバイクは、ディスクブレーキモデルのプロトタイプColnago Prototipo。
だが、このディスクブレーキのバイクがタデイ・ポガチャルの足を引っ張ったのではないかとサイクリングファンの間では話題となっている。
何故、タデイ・ポガチャルは昨年までと同様にリムブレーキモデルを山岳で使用しなかったのだろうか?
ディスクブレーキモデル
ヨナス・ヴィンゲゴーが優れたクライマーであることは疑いようもない。だが、タデイ・ポガチャルが昨年同様にリムブレーキモデルを使用していたらどうだっただろう。
山岳ステージでは、昨年までリムブレーキモデルを使用してバイクの重量を極限まで減らしていた。
リムブレーキへの切り替えは、バイクの総重量から約300g節約できると推測されている。
これは、12スピードのCampagnoloリムブレーキグループセットが同等のディスクバージョンより約200g軽いことを考えると現実的な話だ。
さらに100gの軽量化は、ポガチャルが通常使用しているチューブレスタイヤとは対照的に、以前はチューブラーバージョンに切り替えたカンパニョーロホイールによるもの。
もちろん、ポガチャルは今年全く違う自転車に乗っている。
Colnago Prototipoは昨年の自転車「V3Rs」の直接の後継機種「V4Rs」であると噂されている。
このバイクの重量は、7.2kgだったという未確認の情報がある。UCIの最低基準6.8kgよりも400gも重い計算となる。
重量を抑えていたら
もし、仮にタデイ・ポガチャルがリムブレーキモデルを使用した場合、今回の7.2kgもよりも300gは軽いバイクで登れていたはず。
これを第11ステージの最後の超級山岳コル・デュ・グラノンを登った場合で考えてみよう。
- タデイ・ポガチャルの体重 66kg
- ディスクブレーキのColnago Prototipoの重量 7.2kg
- STRAVAでのタイム 38分42秒
- 登りの時速17.5km/h
これらの条件で、バイクの重量だけ300g削減して、以下のバイク電卓に入力すると8秒速く登れることがわかる。
実際のレースでは、8秒では全く関係なかったけれど、ヨナス・ヴィンゲゴーと競っていた場合には、大きく影響してきたかもしれない。
7%を越える登りでは、バイクの重量を減らすたほうが有利なのは間違いない。
軽くするには
タデイ・ポガチャルは、SRMのパワーメーターを使用している。これが結構重い。ただ、スポンサーの関係もあるし、全てを軽いパーツで揃えることは現実的でない。
更に、新しいColnago Prototipoにはリムブレーキモデルはない。山岳だけ、VR3のリムブレーキモデルに乗るのもスポンサーに失礼になる。
ただ、新型となりエアロ性能などは上がっているのは間違いない。
フレーム重量とか不明だけど、実際にはリムブレーキモデルと200gくらいしか重量の差はなかったかもしれない。
そうなると、最後の登りでも5秒しかタイムは違わない。リムブレーキ派にとっては、タデイ・ポガチャルに乗って欲しいけれども、時代がそれを許さないようだ。
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