一日中風は吹いており、レース前から荒れるとは言われていた。
決定的となったのは、残り18kmからのTeam Visma | Lease a Bikeの攻撃。ワウト・ファンアールトこそいなかったけれど、ヨナス・ヴィンゲゴー、マッテオ・ヨルゲルソン、ティシュ・ベノート、エドアルド・アッフィニが先頭で走り出す。
まさに絶妙のタイミングで加速していった。風を読んでいたのか。
この攻撃により、遅れた総合勢というよりは逃げ切った総合勢を列挙したほうが良いくらい。逃げ切った総合勢は
- タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates – XRG
- ヨナス・ヴィンゲゴー Team Visma | Lease a Bike
- マッテオ・ヨルゲルソン Team Visma | Lease a Bike
- ケヴィン・ヴォークリン Arkéa – B&B Hotels
- エンリク・マス Movistar Team
レムコ・エヴェネプール Soudal – Quick Step
レムコ・エヴェネプールは、あわや落車というシーンもあった。道路外の芝生走行となってしまい一気に後ろにいく姿がカメラでとらえられていた。
残り18kmからの攻撃では後ろに取り残されてしまい、結局ゴールでは39秒遅れ。
まさかの第1ステージからのタイムロスだ。Soudal – Quick Stepの計画では第1ステージはティム・メルリエのスプリント勝利。そして、第5ステージの個人タイムトライヤルでレムコがマイヨジョーヌを獲得する予定だったはず。非常に厳しいスタートとなっている。
レムコ・エヴェネプールのコメント
集団が分裂し、僕たちはほぼまとまっていた。それほど速く走っているという実感はなかったが、その後集団が分裂してしまったのは残念だ。
一日中、非常に良い位置にいたのに、集団の静けさに油断してしまっていた。そして集団が分裂してしまった。あれは僕たちの集団のミスだ。
ティム・メルリエも遅れてスプリントに参加できませんでしたね。
もちろんそうだ。最大の目標はティムとステージ優勝することだったので、僕にとっても残念だ。でも、まだ20日ある。
ここで失うのは取るに足らない数秒だが、昨年は第4ステージですでにタデイ・ポガチャルから40秒遅れていた。この事実を受け入れ、明日に集中しなければならない。
プリモッシュ・ログリッチ Red Bull – BORA – hansgrohe
“If I’m honest, I don’t care”
Primož Roglič says isn’t thinking about the top step of the podium in Paris anymore, he’s proud of his career 🇸🇮#TDF2025 pic.twitter.com/gKSuFDK3Vm
— ITV Cycling (@itvcycling) July 5, 2025
プリモッシュ・ログリッチも39秒遅れの79位。78位はフローリアン・リポウィッツ。このタイム差は非常に大きい。第5ステージで挽回するだろうけど、タデイ・ポガチャルとヨナス・ヴィンゲゴーとの差はそれほど縮まらないだろう。
以下はレース前のプリモッシュ・ログリッチのコメントだが、第1ステージを無事に乗り切ることは出来なかった。
プリモッシュ・ログリッチのコメント
僕は幸せだよ。 つまり、自分がどれだけ優れているか、あるいはどれだけ劣っているかを判断するのは常に不公平なことなんだ。 事実、僕らはここにいる。
正直に言うと、どうでもいいんだ。 つまり、あれやこれやを想像するのは……すでに言ったように、僕がツール・ド・フランスを10回走ろうが、1回走ろうが、僕のキャリアが好転するわけじゃない。
僕はいくつかのレースに勝った。 それを誇りに思う。 ここで楽しむことにするよ。
ゲラント・トーマス
🗣️ "Super hectic and a lot of fighting and stress all day."@GeraintThomas86 reflects on that #TDF2025 opening test, which saw him finish in the chasing group. pic.twitter.com/e0y2Gx6SVH
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) July 5, 2025
ゲラント・トーマスのコメント
本当に慌ただしくて、一日中ずっと戦いっぱなしで、ストレスが溜まっていた。右コーナーに進入する際にミスをしてしまったんだ。風が吹くのは分かっていたし、周りにはLidl – Trekの選手がたくさんいて、Soudal – Quick Stepもいたので、『大丈夫だ。もしコースが分断されても、僕らには十分なパワーがある』と思っていた。
でも、実際に分断されてしまって、その隙にコースが分断されてしまった。少しフラストレーションが溜まっている。
主な総合勢の遅れ
- ワウト・ファンアールト Team Visma | Lease a Bike 39秒
- ジョアン・アルメイダ UAE Team Emirates – XRG 39秒
- カルロス・ロドリゲス INEOS Grenadiers 39秒
- ゲラント・トーマス INEOS Grenadiers 39秒
- フェリックス・ガル Decathlon AG2R La Mondiale Team 39秒
- サンティアゴ・ブイトラゴ Bahrain Victorious 39秒
- ギヨーム・マルタン Groupama – FDJ 39秒
- オスカー・オンリー Team Picnic PostNL 39秒
- ベン・オコナー Team Jayco AlUla 5分18秒
- アダム・イェーツ UAE Team Emirates – XRG 5分18秒
- サイモン・イェーツ Team Visma | Lease a Bike 6分31秒
- レニー・マルティネス Bahrain Victorious 9分11秒
ベン・オコナー、レニー・マルティネスなどは体調が良くなれば、山岳でのステージ優勝を狙ってくるかもしれない。ただ、レニー・マルティネスは昨年のツール同様、あまり調子は良くないようだ。
コメント
初日でここまで遅れたらもうステージ狙いでしょうか。
ログリッチはジロに引き続きまたリタイヤしそうな気がします。ベルタにかけるんでしょうかね〜
それにしても、石畳でハンドル投げたら落車するっていうシーンは初めて見たかもしれません。
オコーナーは救済措置適用範囲内(第1ステージはゴール前5km)での落車だったので、タイム差無しのはず。