2024 スーパー8クラシック　スプリンターを落としたライダー達

ベルギーのワンデーレース、プリムスクラシックが、スーパー8クラシックと2023年にレース名が変更となっている。SUPER 8 Classic(1.Pro)

元ライダーのレイモン・アンパニスへのオマージュとして大会は始まったが、1994年から20年間カレンダーから消えていた。

2011年にGP Impanis-VanPetegemとして復活。

2015年からプリムスクラシックと名前が変わっている。2023年からのレース名SUPER 8 Classicは、メインスポンサーのBrouwerij Haacht(ビール製造所)の製品の名前。

 

過去の優勝者

• 2023   マチュー・ファンデルプール
  
• 2022    ヨルディ・メイウス
  
• 2021　フロリアン・セネシャル
• 2019　ディラン・トゥーンス
• 2018　タコ・ファンデルホールン
• 2017　マッテオ・トレンティン
• 2016　フェルナンド・ガビリア
• 2015　ショーン・デビー　
• 2014　グレッグ・ファンアーベルマート
• 2013　セップ・ファンマルク
• 2012　アンドレ・グライペル

 

ブラーケル～ハーヒト　197.6km

 

スタートから最初の135kmは比較的簡単。その後、ルートは主にエノー州とワロンブラバント州を通過し、ライダーは最初の8つの斜面をクリアー。

ここからは2021世界選手権のフランダースのコースを一部走ることになる。最後まで残れるのは足を持ったライダーだけだ。

 

1. Zonnebloemstraat  0.9km・5.9%
2. Rue de Saint-Marcoult 　0.8km・5.1%
   
3. Chemin de l’Herbe (1 km・4.2%)　
   
4.  Chaussée d’Ottenbourg  0.7km・6.7%
5. Moskesstraat 0.6km・6.5% (石畳)  
6. プリントポイント　Smeysberg
7. Florivalstraat  0.5km・8% 
8. Moskesstraat 0.6km・6.5% (石畳)  
9. Holstheide   1km・5.2%  
   
10. Smeysberg   0.5km・7.6% 
    
11. Bekestraat 1km・3.5% (石畳) 

 

注目のライダーは

• Lotto Dstny　フロリアン・フェルメルシュ
• Alpecin – Deceuninck　ジャスパー・フィリップセン
• Intermarché – Wanty　ビニヤム・ギルマイ、タコ・ファンデルホールン、マイク・テウニッセン
• Soudal Quick-Step　ジュリアン・アラフリップ、イラン・ファンワイルダー、イヴ・ランパールト
• Arkéa – B&B Hotels　イエンセ・ビエルマンス、フロリアン・セネシャル
• Lidl – Trek　エドワード・トゥーンス
• Movistar Team　アレクサンデル・アランブル
• Red Bull – BORA – hansgrohe　ヨルディ・メイウス、ダニー・ファンポッペル
• Team dsm-firmenich PostNL　トビアス・ルンド・アンドレセン
• Team Jayco AlUla　カレブ・ユアン
• UAE Team Emirates　フアン・モラノ、ティム・ウェレンス、アルバロホセ・ホッジ
• Cofidis　ブライアン・コカール
• Israel – Premier Tech　パスカル・アッカーマン
• Tudor Pro Cycling Team　マッテオ・トレンティン
• Uno-X Mobility　アレクサンダー・クリストフ
• Astana Qazaqstan Team　ダヴィデ・バッレリーニ、ケース・ボル
  

Lotto Dstnyのアルノー・デリーは直前で交代。病気のため週末のレースはキャンセルとなる。カナダ遠征で疲れたのかな。

 

スタート

快晴の中スタート。マチュー・ファンデルプールの後を継ぐのは誰となるだろうか。

 

6人の逃げ

6人が逃げている。

1. ジュリアス・ファンデンベルフ　Team dsm-firmenich PostNL
2. ジャコポ・モスカ　Lidl – Trek
3. イエンス・レインダース　Bingoal WB
4. アンダース・ハラン・ヨハネセン　Uno-X Mobility
5. Kay De Bruyckere(Pauwels Sauzen – Bingoal)
6. ラース・クラップス Team Flanders – Baloise

 

Movistar Teamのヨハン・ヤコブスが追走に出ている。先頭まで58秒差。

 

残り72.5kmで集団と1分3秒差。5人となっている。

1. ジュリアス・ファンデンベルフ　Team dsm-firmenich PostNL
2. ジャコポ・モスカ　Lidl – Trek
3. アンダース・ハラン・ヨハネセン　Uno-X Mobility
4. Kay De Bruyckere(Pauwels Sauzen – Bingoal)
5. ラース・クラップス Team Flanders – Baloise

 

 Chaussée d’Ottenbourg  0.7km・6.7%

先頭は登りに。

 

登りで4人となった。

1. ジュリアス・ファンデンベルフ　Team dsm-firmenich PostNL
2. ジャコポ・モスカ　Lidl – Trek
3. アンダース・ハラン・ヨハネセン　Uno-X Mobility
4. ラース・クラップス Team Flanders – Baloise

 

ヨハン・ヤコブスは先頭から切れたライダーと一緒に。

 

だが、集団が迫ってくる。

 

Moskesstraat 0.6km・6.5% (石畳)  

先頭から一人切れてしまう。なんと右足のクリートがずれてしまった。

 

ヨハン・ヤコブスは捕まった。

 

先頭は3人に。

1. ジュリアス・ファンデンベルフ　Team dsm-firmenich PostNL
2. ジャコポ・モスカ　Lidl – Trek
3. アンダース・ハラン・ヨハネセン　Uno-X Mobility

 

スプリントポイント　Smeysberg

先頭はスプリントポイントに。

 

集団は結構ガシガシ追ってきている。

 

集団からは抜け出しがかかる。

 

次々にアタックがかかる。今度はArkéa – B&B Hotelsのマティス・ルベールだ。

 

追走が決まるか。決まらない。

 

残り46.1kmで先頭まで31秒と迫っている。

 

集団からLidl – Trekのナットネル・テスファションが抜け出した。2024 エリトリア王者だ。

 

ナットネル・テスファションは12秒まで迫っていたのだけど、18秒に広がる。失速だ。

 

残り35.9kmで27秒差。

 

Lidl – Trekのナットネル・テスファションは集団に戻る。

 

Florivalstraat  0.5km・8% 

UAE Team Emiratesのティム・ウェレンス、Soudal – Quick Stepのジュリアン・アラフリップが前で攻める。

 

先頭はUno-X Mobilityのアンダース・ハラン・ヨハネセン単独に。

 

ティム・ウェレンス、ジュリアン・アラフリップが先頭に追い付く。

 

Holstheide   1km・5.2%  

4人が少し抜けだす。Lotto Dstnyはフロリアン・フェルメルシュ。しかし、これも捕まる。

1. ジュリアン・アラフリップ　Soudal – Quick Step
2. アンダース・ハラン・ヨハネセン　Uno-X Mobility
3. フロリアン・フェルメルシ　Lotto Dstny
4. ティム・ウェレンス　UAE Team Emirates

 

スプリントを避けたいチームが前で攻撃をし続ける。

 

Smeysberg   0.5km・7.6% 

ここで抜け出せるか。

 

4人が前で仕掛ける。

 

ディフェンディングチャンピオンのジャスパー・フィリップセンが遅れた。

 

後ろは小集団のグループが点在。

 

4人が10秒稼ぎ出す。

 

4人のメンバーは

1. ロジャー・アドリア Red Bull-BORA-hansgrohe
2. フィリッポ・バロンチーニ　UAE Team Emirates
3. エミリアン・ジャンニエール　TotalEnergies
4. リック・プルイマーズ Tudor Pro Cycling Team

 

残り22.2km。最後まで逃げ切るのは厳しい。

 

11秒差で後ろに小集団が。UAE Team Emiratesのルイ・オリヴェイラが追いついている。

 

先頭からUAE Team Emiratesのルイ・オリヴェイラがアタック。

 

ルイ・オリヴェイラは捕まる。

 

先頭はTudor Pro Cycling Teamのマッテオ・トレンティン、Lidl – Trekのトムス・スクインシュなどが追いついた。

 

残り16.5km。集団は1分6秒離れている。Uno-X Mobilityが集団けん引。

 

先頭は15人に。

 

Bekestraat 1km・3.5% (石畳) 

最後の登りだ。

 

登りで伸びていく。勝つにはアタックしないと。

 

UAE Team Emiratesのフィリッポ・バロンチーニがいった。

 

残り13.4km。下っているので一気に差が開いた。

 

追走は二人いるTudor Pro Cycling Teamが引き出す。マッテオ・トレンティンで勝負したい。

 

残り10.8km。集団は1分21秒と開く。他チームの協力は得られていない。

 

残り10km。22秒差。追走最後尾はLotto Dstnyのフロリアン・フェルメルシュ。

 

残り9.3km。23秒とフィリッポ・バロンチーニは広げる。

 

Intermarché – Wantyのローレンツ・レックスが仕掛けるが捕まる。

 

残り7.8km。追走はまとまらない。

 

追走にはSoudal – Quick Stepからイラン・ファンワイルダーも乗っている。ただ、追いつかないとどうにもならない。

 

フィリッポ・バロンチーニは、ブエルタ最終ステージの個人TTでも4位に入っている。

 

残り5kmを切った。TotalEnergiesは二人いるのだから引かないと。

 

残り3.6kmで26秒差。これはプロ初勝利か。

 

だめだ、追走はうまく回っていない。二人で回している。

 

残り1.3kmに。

 

Tudor Pro Cycling Teamのリック・プルイマーズが単独で抜け出した。

 

フィリッポ・バロンチーニが逃げ切った。笑顔でゴールエリアに。

 

24歳。プロ3年目で嬉しい初勝利!

 

フィリッポ・バロンチーニは、2021Lidl – Trekのtrainee(研修生)からスタートし、2024年にUAE Team Emiratesに移籍。

2021世界選手権U23ロード王者はついに結果を出した。

 

この勝利は大きい。UAE Team Emiratesは新たな勝利者を生んだ。アシスト役の選手でも勝ってしまうのだからチームは強いはずだ。

 

2位はTudor Pro Cycling Teamのリック・プルイマーズ。あれだけ前を引いていて逃げだしたのは素晴らしい。嬉しい2位だ。

 

3位はきっちりとUAE Team Emiratesのルイ・オリヴェイラが飾ってみせた。UAE Team Emiratesは1位と3位を獲得。見事なレース展開となった。

終わってみれば、スプリンターは落とされクラシックレースの展開に。厳しい登りはないけど、足にくるコースだ。見ている側には面白いレースとなった。

 

リザルト

優勝したUAE Team Emiratesのフィリッポ・バロンチーニ

私は今、世界で一番幸せだ。私にとって非常に困難だった3年間を経て、ようやく勝利を手にすることができた。いろいろなことがあった。

また勝てるようになったことは、自分にとってとてもうれしい結果だ。

 

2位はTudor Pro Cycling Teamのリック・プルイマーズ

 

表彰ではレース名のビールがふるまわれた。勝ったあとのビールはうまいでしょうね。