イタリアの、エミリア・ロマーニャ地方のボローニャ近郊で開催されるジロ・デッレミリア。Giro dell’Emilia(1.Pro)
1909年から開催されており、今年で106回目となる。最後の40kmでサン・ルーカの登りを5回登る。
来週の落ち葉のクラシック、イル・ロンバルディアを占う上でも上位に入るライダーの調子を見るのに良いレースだ。
過去の優勝者は
- 2022 エンリク・マス
- 2021 プリモッシュ・ログリッチ
- 2020 アレクサンドル・ウロソフ
- 2019 プリモッシュ・ログリッチ
- 2018 アレッサンドロ・デマルキ
- 2017 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ
- 2016 エスデバン・チャベス
- 2015 ヤン・バークランツ
- 2014 ダビデ・レベリン
- 2013 ディエゴ・ウリッシ
- 2012 ナイロ・キンタナ
- 2011 カルロス・ベタンクール
カルピ~サン・ルーカ 198.7km

コースプロフィール photo gsemilia
今年も昨年同様カンピから。二つの山岳ポイントでは、集団の振るい落としが行われる。
フィニッシュから37.2kmで、ライダーは初めてサン・ルーカの麓に到着。ここからの9.3kmの5周回で勝者が決まる。最大勾配は14%あり、最後は小集団での登りゴールとなる。
昨年同様、グランツールの総合優勝争いのような豪華メンバーで勝負となる。
- 山岳ポイント Ca’ Bortolani 5.5km・6.3%
- 山岳ポイント メデラーナ 7.8km・6.8%
- 山岳ポイント サン・ルーカ 2.0km・9.9%
- 山岳ポイント サン・ルーカ 2.0km・9.9%
- 山岳ポイント サン・ルーカ 2.0km・9.9%
注目のライダーは
-
UAE Team Emirates タデイ・ポガチャル、ディエゴ・ウリッシ、アダム・イェーツ、フアン・アユソー、ジェイ・ヴァイン
-
BORA – hansgrohe アレクサンドル・ウラソフ、ナード・ケムナ、セルジオ・イギータ
-
Movistar Team エンリク・マス、マッテオ・ヨルゲルソン
-
AG2R Citroën Team ベン・オコナー、フェリックス・ガル
-
EOLO-Kometa ロレンツォ・フォルトゥナート
-
Israel – Premier Tech ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ、ヤコブ・フルサン、マイケル・ウッズ、ディラン・トゥーンス
-
Lidl – Trek ジュリオ・チッコーネ、フアン・ロペス
-
EF Education-EasyPost リチャル・カラパス、リゴベルト・ウラン、エスデバン・チャベス
-
Alpecin-Deceuninck クイントン・ヘルマンス、二コラ・コンチ
-
Soudal – Quick Step ジュリアン・アラフィリップ、ファウスト・マスナダ、マウロ・シュミット、イラン・ファンワイルダー、アンドレア・バジオーリ
-
Team dsm – firmenich ロマン・バルデ、アンドレアス・レックネスン
-
Cofidis ギヨーム・マルタン
-
Groupama – FDJ ティボー・ピノ
-
Jumbo-Visma プリモッシュ・ログリッチ、テッシュ・ベノート、クーン・ボウマン、アッティラ・ヴァルテル
-
Team Arkéa Samsic ワレン・バルギル、ユエン・コスティウ
-
Team Jayco AlUla サイモン・イェーツ、フィリッポ・ザナ
-
Astana Qazaqstan Team ジャンニ・モスコン、シモーネ・ヴィラスコ
- INEOS Grenadiers テイメン・アレンスマン、パヴェル・シヴァコフ、カルロス・ロドリゲス
スタート前

Tiz-cycling ストリーミング スクリーンショット以下同様
注目はUAE Team Emiratesのタデイ・ポガチャル。ロンバルディア前にどんな調子を見せるのか。
タディ・ポガチャルのコメント
ここ2試合は確かに悪くなかった。良い調子が戻りつつある。トレーニング中にまた気分が良くなった。
このレースでは彼に何を期待できるでしょうか?
我々は良い結果を達成するために、良いチームとともにここにいる。昨年、エンリク・マスは、ここで非常に強かった。その時はさらにそれを逃したので、今は1~2パーセント良くなることを願っている。

来年のツールでは、タデイ・ポガチャルと戦うことになるプリモッシュ・ログリッチも注目だ。すでにJumbo-Vismaを去るのが確実。これについては別記事で。

Soudal – Quick Stepのジュリアン・アラフィリップは調子が上がっているだろうか。

EF Education-EasyPostは、リチャル・カラパス、リゴベルト・ウランで狙う。エスデバン・チャベスはアシストか。

Astana Qazaqstan Team は、シモーネ・ヴィラスコがエースか。

Q36.5 Pro Cycling Teamは、ジャンルーカ・ブランビッラがエース。

Lidl-Trekは、ジュリオ・チッコーネ。
Groupama – FDJは、ティボー・ピノもいる。

Movistar Teamは、女子チームと一緒に登場。

プリモッシュ・ログリッチを支えるメンバーも強力だ。

イタリアは快晴。

ニュートラルスタート。

オフィシャルスタートに。

逃げたいメンバーが前で展開する。

Lidl-Trekのジャコポ・モスカが逃げの先導をする。
7人の逃げ

7人がスタートから抜け出している。
- Alex Bogna (Alpecin Deceuninck)
- クリスチャン・スカローニ Astana Qazaqstan Team
- ジャコポ・モスカ Lidl-Trek
- Marcel Camprubi (Q36.5 Pro Cycling Team)
- Floris De Tier (Bingoal WB)
- マッティア・バイス Eolo Kometa)
- Emanuele Ansaloni (Team Technipes #inEmiliaRomagna)
山岳ポイント メデラーナ 7.8km・6.8%

先頭から二人が抜け出した。
- クリスチャン・スカローニ Astana Qazaqstan Team
- マッティア・バイス Eolo Kometa)

集団はUAE Team Emiratesが引く。

二人の後続は見えなくなる。

残り73.5km。タイム差は51秒に。

逃げていたメンバーは捕まり、先頭は二人だけに。

かなり暑いのかタディ・ポガチャルはボトルの水を身体にかけている。

残り58.1km。タイム差は44秒。周回コースまで逃げれるだろうか。

残り48.8kmで43秒差。

残り44.3kmで31秒差に。

集団は横一線で走り始めた。

残り41.1kmで集団が二人に迫る。

残り40.9kmで二人は捕まった。

さあ、サン・ルーカの登り前にきた。
山岳ポイント サン・ルーカ 2.0km・9.9%

単独でGW Shimano-Sidermecのライダーが飛び出す。
- OSORIO Alejandro (GW Shimano-Sidermec)

さらに一人が追走に。Groupama – FDJのクエンティン・パチャーだ。

GW Shimano-Sidermecのライダーは、蛇行している。クエンティン・パチャーが単独となる。

後方からTeam Jayco AlUlaのクリス・ハーパーがきた。
残り4周

集団はUAE Team Emiratesを先頭で通過する。

二人は20秒差をつけた。
- クエンティン・パチャー Groupama – FDJ
- クリス・ハーパー Team Jayco AlUla
山岳ポイント サン・ルーカ 2.0km・9.9%

28秒差で2回目のサンルーカに。

クエンティン・パチャーが切れてしまう。

集団はUAE Team Emiratesが引く。

クエンティン・パチャーがAstana Qazaqstan Teamのシモーネ・ヴィラスコに抜かれていく。

シモーネ・ヴィラスコはUAE Team Emiratesに抜かれる。

集団からSoudal – Quick Stepのファウスト・マスナダがアタック。
残り3周

クリス・ハーパーが単独で越えていく。ファウスト・マスナダが追いつくか。

残り23.1km。集団まで24秒差。

残り20km。後方はファウスト・マスナダに代わって、BORA – hansgroheのジョヴァンニ・アレオッティが追ってきている。

ファウスト・マスナダがUAE Team Emiratesに捕まる。ラファウ・マイカにかわってジェイ・ヴァインが引いている。どれだけ豪華なアシストなのか。

カーブを曲がる前には集団が見えていた。13秒差に。
残り2周

タディ・ポガチャルは、アダム・イェーツと喋りながら走っている。どんだけ余裕なのか。

残り11.4kmで14秒差。

アダム・イェーツがアタック!

クリス・ハーパーに迫る。

クリス・ハーパーがアダム・イェーツに抜かれた。

もう集団は絞られている。

残り10km。

アダム・イェーツの引きで10人に絞られる。Jumbo-Vismaのテッシュ・ベノートも切れた。
残り1周

豪華メンバーで残り1周に。最後の登り勝負だ。

最後尾はLidl-Trekのジュリオ・チッコーネ。その前は、Team Jayco AlUlaのサイモン・イェーツ。

アダム・イェーツの怒涛の引きが続く。リチャル・カラパス、エンリク・マス、タディ・ポガチャルと続く。

残り3km。プリモッシュ・ログリッチが前に番手を上げている。

残り2.3kmに。
山岳ポイント サン・ルーカ 2.0km・9.9%

アダム・イェーツの後ろはジュリオ・チッコーネ。プリモッシュ・ログリッチが3番手に。

BORA – hansgroheのアレクサンドル・ウラソフがあげてくる。

アレクサンドル・ウラソフがアダム・イェーツを抜く。

だが、またもアダム・イェーツが前に。

タディ・ポガチャルがアダム・イェーツの後ろに位置した。アタックの準備か。

アダム・イェーツのアシストが終わった所で、タディ・ポガチャルがアタック!

このアタックに集団は崩壊。マイケル・ウッズもついていけない。

だが、リチャル・カラパスとプリモッシュ・ログリッチが張り付いている。

二人を振り切れない。まだ900mもある。

リチャル・カラパスもプリモッシュ・ログリッチもピッタリとマークしている。

ここでリチャル・カラパスがアタック。

これは様子見だった。エンリク・マスが追いついてきた。

またもリチャル・カラパスがアタック!

しかし、これも決まらない。

ここで、狙いすましたようにプリモッシュ・ログリッチがアタック!

この加速にはタディ・ポガチャルもついていけない。

プリモッシュ・ログリッチがタディ・ポガチャルを引き離してゴールに向かう。

プリモッシュ・ログリッチがタディ・ポガチャルを大きく引き離してゴール!

プリモッシュ・ログリッチが雄たけびをあげる!
これから解放されることへのアピールなのか。無駄打ちのない、見事に狙いすましたアタックだった。

プリモッシュ・ログリッチは、このポーズを来年はツール・ド・フランスで披露するかもしれない。これで今シーズン16勝目。キャリア通算80勝目となった。
リザルト

プリモッシュ・ログリッチのコメント
これはとても素晴らしいことだ。サン・ルーカの登りがある、古くからの象徴的なレースだ。好きなレースだ。それに、モルタデッラが大好きなんだ。
モルタデッラは、フィニッシュの街ボローニャのソーセージですね。レースについては?
超タフだったよ。私は頑張ったし、最後まで走りきる脚力もあった。彼らはいつも私をサポートしてくれる。良い時も、悪い時も。今はここにいないけど、いつも応援してくれている。

| Rnk | Rider | Team | UCI | Time |
|---|---|---|---|---|
| 1 |
ROGLIČ Primož
|
Jumbo-Visma | 200 | 4:49:44 |
| 2 |
POGAČAR Tadej
|
UAE Team Emirates | 150 | 0:01 |
| 3 |
YATES Simon
|
Team Jayco AlUla | 125 | ,, |
| 4 |
MAS Enric
|
Movistar Team | 100 | 0:04 |
| 5 |
WOODS Michael
|
Israel – Premier Tech | 85 | ,, |
| 6 |
VLASOV Aleksandr
|
BORA – hansgrohe | 70 | 0:06 |
| 7 |
CARAPAZ Richard
|
EF Education-EasyPost | 60 | 0:09 |
| 8 |
CICCONE Giulio
|
Lidl – Trek | 50 | 0:15 |
| 9 |
YATES Adam
|
UAE Team Emirates | 40 | 0:42 |
| 10 |
BARGUIL Warren
|
Team Arkéa Samsic | 35 | 0:58 |
| 11 |
O’CONNOR Ben
|
AG2R Citroën Team | 30 | 1:07 |
| 12 |
CHAMPOUSSIN Clément
|
Team Arkéa Samsic | 25 | 1:08 |
| 13 |
BENOOT Tiesj
|
Jumbo-Visma | 20 | ,, |
| 14 |
POZZOVIVO Domenico
|
Israel – Premier Tech | 15 | ,, |
| 15 |
FORTUNATO Lorenzo
|
EOLO-Kometa | 10 | 1:11 |
| 16 |
PIGANZOLI Davide
|
EOLO-Kometa | 5 | 1:16 |
| 17 |
BARDET Romain
|
Team dsm – firmenich | 5 | 1:18 |
| 18 |
RODRÍGUEZ Carlos
|
INEOS Grenadiers | 5 | ,, |
| 19 |
JORGENSON Matteo
|
Movistar Team | 5 | ,, |
| 20 |
VELASCO Simone
|
Astana Qazaqstan Team | 5 | ,, |
| 21 |
BAGIOLI Andrea
|
Soudal – Quick Step | 5 | 1:22 |
| 22 |
WILLIAMS Stephen
|
Israel – Premier Tech | 5 | ,, |
| 23 |
MARTINEZ Lenny
|
Groupama – FDJ | 5 | ,, |
| 24 |
GUERIN Alexis
|
Bingoal WB | 5 | ,, |
| 25 |
HARPER Chris
|
Team Jayco AlUla | 5 | 1:33 |
| 26 |
TEJADA Harold
|
Astana Qazaqstan Team | 5 | ,, |
| 27 |
ULISSI Diego
|
UAE Team Emirates | 5 | 2:14 |
| 28 |
GALL Felix
|
AG2R Citroën Team | 5 | 2:23 |
| 29 |
URÁN Rigoberto
|
EF Education-EasyPost | 5 | 2:32 |
| 30 |
ZANA Filippo
|
Team Jayco AlUla | 5 | ,, |


コメント
調子のよい精鋭達はしっかりゴール前まで残ってきましたね。
それにしてもアダムの引きは強烈でした。
そういえば冒頭の歴代勝者の2022が抜けてます。エンリク・マスはシーン後半調子がよいイメージありますわ。
ほんと、ツール・ド・フランスの最後の山岳かと思うほどの豪華メンバー。来年もアダム・イェーツは、タディ・ポガチャルの片腕としてアシストしてくるでしょうね。
イル・ロンバルディアも楽しみです。2022エンリク・マスの勝者追記しておきました。いつも、ありがとうございます<(_ _)>