2023 フレッシュ・ワロンヌ ユイの壁でタデイ・ポガチャルはヒットしたのか?

アルデンヌクラシックの第2弾、フレッシュ・ワロンヌ。La Flèche Wallonne(1.UWT)

ベルギーのワロン地域を回るワンデイレース。フレッシュはフランス語で矢を意味している。

 

過去の優勝者は

• 2022   ディラン・トゥーンス
  
• 2021   ジュリアン・アラフィリップ
• 2020   マルク・ヒルシ
• 2019   ジュリアン・アラフィリップ
• 2018　ジュリアン・アラフィリップ
• 2017  アレハンドロ・バルベルデ
• 2016  アレハンドロ・バルベルデ
• 2015  アレハンドロ・バルベルデ
• 2014  アレハンドロ・バルベルデ
• 2013　ダニエル・モレーノ　
• 2012　 ホアキン・ロドリゲス　

今年、ゴールのユイの壁を制するのは誰になるだろうか?

 

エルブ～ミュール・ド・ユイ　　194.3km

 

スタートは、昨年のブレニーからベルギーのエルブに変更。コース距離は194.2kmで昨年より2km増えている。

最初の登りも少し変わっている。

 

 

決戦はローカルラップの3周。当然、ユイの壁で決着をつけることになる。最後のユイの壁を先頭で上がるライダーは誰になるだろうか?

 

1. Côte de Côte de Trasenster　3.3km・4.9%
2. Côte des Forges 1.3km・7.8%
   
3. Côte d’Ereffe 2.1km・5%
   
4. Côte de Cherave 1.3km・8.1%
   
5. Mur de Huy 1.3km・9.6%   残り2周
   
6. Côte d’Ereffe  2.1km・5% 
   
7. Côte de Cherave　 1.3km・8.1%
8. Mur de Huy 1.3km・9.6%  残り1周
9. Côte d’Ereffe  2.1km・5% 
   
10. Côte de Cherave 　 1.3km・8.1%
    
11. Mur de Huy ユイの壁　1.3km・9.6%

 

注目のライダーは

•  Israel – Premier Tech　マイケル・ウッズ、ダリル・インピー、サイモン・クラーク
•  Movistar Team　エンリク・マス、ルーベン・ゲレイロ、ゴルカ・イサギレ
•  BORA – hansgrohe　セルジオ・イギータ、イーデ・シュリング、ジェイ・ヒンドレー
•  Soudal – Quick Step　マウロ・シュミット、アンドレア・バジオーリ
•  Lotto Dstny　アンドレアス・クローン、パスカル・エーンクホーン、マキシム・ファンジルス
•  INEOS Grenadiers　トム・ピドコック、ミハウ・クフィアトコフスキ、マグナス・シェフィールド、コナー・スウィフト
•  Bahrain – Victorious　ワウト・プールス、ミケル・ランダ、ペッリョ・ビルバオ、マテイ・モホリッチ、ジーノ・マーダー
•  EF Education-EasyPost　ベン・ヒーリー、ニールソン・ポーレス、エスデバン・チャベス
•  Groupama – FDJ　ダヴィ・ゴデュ、ケヴィン・ゲニッツ
•  Team Arkéa Samsic　ワレン・バルギル
•  TotalEnergies　マチュー・ブルゴドー、ヴァランタン・フェロン
•  Jumbo-Visma　テッシュ・ベノート、アッティラ・ヴァルテル
•  UAE Team Emirates　タデイ・ポガチャル、ディエゴ・ウリッシ、ジョージ・ベネット
•  AG2R Citroën Team　ブノワ・コヌフロワ
•  Team Jayco AlUla　マッテオ・ソブレロ、ローソン・クラドック
•  Intermarché – Circus – Wanty　リリアン・カルメージャヌヌ、ロレンツォ・ロタ
•  Cofidis　ヘスス・エラダ、ヴィクトル・ラフェ、ギヨーム・マルタン
•  Trek – Segafredo　バウケ・モレマ、ジュリオ・チッコーネ、マティアス・スケルモースイェンセン
•  Uno-X Pro Cycling Team　トビアスハラン・ヨハンネセン
•  Astana Qazaqstan Team　アレクセイ・ルチェンコ、ダビ・デラクラス、ジャンニ・モスコン
•  Team DSM　ロマン・バルデ
•  Alpecin-Deceuninck　クイントン・ヘルマンス、セーアン・クラーウアナスン
•  Equipo Kern Pharma　ロジャー・アドリア

 

昨年優勝のIsrael – Premier Techのディラン・トゥーンスは病気からの回復が遅れて欠場。

3回優勝のSoudal – Quick Stepのジュリアン・アラフィリップは、膝の故障で欠場。当然、引退したアレハンドロ・バルベルデはいない。

BORA – hansgroheのジェイ・ヒンドレーは呼吸器感染症で欠場。AG2R Citroën Teamのブノワ・コヌフロワは気管支炎で欠場。過去優勝者はUAE Team Emiratesのマルク・ヒルシのみとなる。

 

スタート前

タデイ・ポガチャルのコメント

ポジショニングと足の良さは、ユイの壁でのタイミングよりもさらに重要だ。これは見事なフィニッシュで、ここではまだトップの結果を残していない。だが、今日はもっとチャンスがあるかもしれない。

遠隔攻撃は現実的かどうか? 私はそうは思わない。

 

トム・ピドコックのコメント

アムステルゴールドレースで予備を使わなければならなかった。回復していることを願っている。2年前自分はミュールでのデビューでアタックをかけたが、代償を払った。

このレースは、ポガチャルを倒す最高のチャンスだが、彼は例年よりも強くなっている。

 

先頭にはTeam DSMのロマン・バルデも並ぶ。

 

タデイ・ポガチャルは、左側からスタート。先頭はUAE Team Emiratesが並んでいる。

 

8人の逃げ

8人が序盤から逃げている。残り141kmで2分57秒差。

1. ダリル・インピー　Israel – Premier Tech
2. ローレンス・ナーセン　AG2R Citroën Team
3. ゲオルク・ツィンマーマン　Intermarché – Circus – Wanty
4. ヤコブ・ヒンズガールマッセン　Uno-X Pro Cycling Team
5. セーアン・クラーウアナスン　Alpecin-Deceuninck
6. ラウル・ガルシア　Equipo Kern Pharma
7. ヨハン・ミーンズ　Bingoal  WB
8. イェッセ・ボル　Burgos-BH

 

Intermarché – Circus – Wantyからは、ゲオルク・ツィンマーマンが乗っている。

Intermarché – Circus – Wantyは、ルイ・コスタが膝の故障で欠場。ビニヤム・ギルマイは落車の脳震盪でエリトリアに帰国。タコ・ファンデルホールンも落車でレースから遠ざかっている。チームはボロボロだ。

 

ダリル・インピーは、最後のフレッシュ・ワロンヌとなる。

 

集団はINEOS GrenadiersとUAE Team Emiratesが引いている。

 

セーアン・クラーウアナスンは、病気は良くなったのかな。今日はクイントン・ヘルマンスがエースだ。ただ、クイントン・ヘルマンスも病気から回復しているのかな。

 

残り94.2kmで3分11秒差。

 

集団の動きはない。

 

Côte d’Ereffe 2.1km・5%

かなりの勾配の登り。これはきつい。

 

Côte de Cherave 1.3km・8.1%

ユイの壁の前の登りに入った。タイム差は2分43秒。

 

登りは足なりに登ることに。

 

集団からINEOS Grenadiersのトライアスリート、キャメロン・ワーフが切れた。

 

Mur de Huy 1.3km・9.6%   残り2周

先頭はユイの壁に。最大勾配は19%もある。

 

なんと、Groupama – FDJのダヴィデ・ゴデュが切れている。優勝候補が次々といなくなるとは～。

 

大集団のまま集団もユイの壁に。

 

タイム差は29秒と詰められてきた。

 

先頭からAG2R Citroën Teamのローレンス・ナーセンが切れる。兄はオリバー・ナーセン。

 

先頭がユイの壁をクリアー。

 

集団はUAE Team Emirates先頭であがっている。先頭はマイケル・ヴィングかな。

 

Côte d’Ereffe  2.1km・5% 

先頭からBingoal  WBのヨハン・ミーンズがきれる。

 

続いて、Burgos-BHのイェッセ・ボルがきれる。

 

おっと、Israel – Premier Techのダリル・インピーも切れてしまった。

 

集団からSoudal – Quick Stepのピーター・セリーがアタック。

 

先頭は3人となった。

1. ゲオルク・ツィンマーマン　Intermarché – Circus – Wanty
2. ヤコブ・ヒンズガールマッセン　Uno-X Pro Cycling Team
3. セーアン・クラーウアナスン　Alpecin-Deceuninck

 

ピーター・セリーはお帰りなさいだ。

 

先頭から切れたBingoal  WBのヨハン・ミーンズが集団に吸収。

 

先頭からUno-X Pro Cycling Teamのヤコブ・ヒンズガールマッセンも切れた。

 

Côte de Cherave　 1.3km・8.1%

先頭の二人は1分46秒とタイム差を広げて逃げる。

 

逃げていたダリル・インピーら3人が集団に捕まる。

 

逃げていたUno-X Pro Cycling Teamのヤコブ・ヒンズガールマッセンも集団に吸収される。これで逃げは2人だけに。

 

先頭は二人なので、どこまで逃げれるのか。

 

残り40.1kmまできた。

 

Mur de Huy 1.3km・9.6%  残り1周

2回目のユイの壁に。

 

16%勾配。さらにきつくなる。

 

集団はUAE Team Emiratesのジョージ・ベネットが引いてる。

 

先頭がユイの壁をクリアー。

 

集団はまだ大きい。先頭はAstana Qazaqstan Team のサムエーレ・バスタチッラ。

 

サムエーレ・バスタチッラが、そのまま少しリードをしている。

 

サムエーレ・バスタチッラは、前を追う。

 

後ろからSoudal – Quick Stepのルイス・フェルファークがきた。

 

Soudal – Quick Stepも何かしないとねえ～。

1. ルイス・フェルファーク　Soudal – Quick Step
2. サムエーレ・バスタチッラ　Astana Qazaqstan Team

 

追走の二人から前が見えているが、集団も後ろにいる。早く追いつかなといけない。

 

追走の二人が、もう追いついた。

 

先頭は4人に。

1. ルイス・フェルファーク　Soudal – Quick Step
2. サムエーレ・バスタチッラ　Astana Qazaqstan Team
3. セーアン・クラーウアナスン　Alpecin-Deceuninck
4. ゲオルク・ツィンマーマン　Intermarché – Circus – Wanty

 

21秒差なので、後ろに集団が見えている。

 

サムエーレ・バスタチッラは、2019世界選手権U23の王者。2021ベネトクラシックが唯一の勝利だ。

 

EF Education-EasyPostは、ベン・ヒーリーで狙うのかな。

 

セーアン・クラーウアナスンとゲオルク・ツィンマーマンは、最初から逃げているのにまだしっかりと先頭交代している。タイム差は27秒と広がっている。

 

Côte d’Ereffe  2.1km・5% 

Jumbo-Vismaのサム・オーメンがアタック。

 

後ろは、Israel – Premier Techのサイモン・クラーク。だが、ジョージ・ベネットがおさめにくる。

 

先頭からゲオルク・ツィンマーマンが切れた。

 

登りではルイス・フェルファークが強い。

 

まだ、UAE Team Emiratesが集団を支配。

 

ゲオルク・ツィンマーマンは集団に吸収される。

 

集団で落車。

 

落車したのはチームのエース級の選手ばかり。

•  アンドレアス・クローン (Lotto Dstny)
•  ニールソン・ポーレス (EF Education-EasyPost)
•  ヴィクトル・ラフェ (Cofidis)
•  ホセ・ロハス (Movistar Team)
•  ハイス・レームライズ (Jumbo-Visma)
•  ファビアン・グルリエ (TotalEnergies)
•  ジミー・ヤンセンス (Alpecin-Deceuninck)
•  ヘスス・エラダ Jesús (Cofidis)

 

Jumbo-Vismaのハイス・レームライズもバイク交換している。

 

セーアン・クラーウアナスンのアタックにサムエーレ・バスタチッラが遅れる。

 

サムエーレ・バスタチッラはなんとか復帰。

 

セーアン・クラーウアナスンが先頭を引く。

 

牽制となった所でルイス・フェルファークがアタック。

 

だが、後ろは逃がさない。

 

まだ、距離があるので一緒にいったほうが良い。

 

先頭は、ユイの壁まで持つだろうか。

 

落車したCofidisのヘスス・エラダが戻ってくる。

 

残り11kmで41秒差。

 

集団先頭にIsrael – Premier Techも上がってくる。マイケル・ウッズで勝負だ。

 

残り7.5km。タイム差は28秒となる。

 

Côte de Cherave 　 1.3km・8.1%

セイアン・クラーウアナスン先頭で上がる。

 

見上げるような登りだ。

 

UAE Team Emiratesがペースを上げる。

 

先頭からルイス・フェルファークがアタック!

 

EF Education-EasyPostのベン・ヒーリーは3番手。ポガチャルは、その後ろにいる。

 

ルイス・フェルファーク単独でにげる。

 

セーアン・クラーウアナスンが捕まった。

 

さあ、ルイス・フェルファークはどこまで逃げれるか。

 

BORA – hansgroheのセルジオ・イギータも切れた。

 

ルイス・フェルファークは、残り5.3km。

 

残り2.9km。19秒ある。

 

UAE Team Emiratesが先頭をキープ。タイム差は15秒。

 

ゴールまで1.7km。ルイス・フェルファークが最後の登りに入る。

 

9秒差と迫られる。

 

Mur de Huy ユイの壁　1.3km・9.6%

Israel – Premier Techのサイモン・クラークが集団を引く。

 

後ろには、マイケル・ウッズが控えている。

 

サイモン・クラークの引きが続くが。

 

ルイス・フェルファークが捕まった。

 

ルイス・フェルファークが埋もれてしまう。

 

ここでINEOS Grenadiersのマグナス・シェフィールドが先頭に。

 

後ろは、Israel – Premier Techのマイケル・ウッズ、タデイ・ポガチャルと続く。

 

マグナス・シェフィールドが下がって、マイケル・ウッズが先頭に立った。

 

タデイ・ポガチャルは先頭位置をキープ。

 

ロマン・バルデが端から上がろうとしたがフェンスに邪魔される。

 

19%の最大勾配でもマイケル・ウッズ先頭。

 

マイケル・ウッズの後ろは、タデイ・ポガチャル、ロマン・バルデと続く。

 

Bahrain Victoriousのミケル・ランダも先頭にいる。

 

トム・ピドコックが右端から上がろうとするが、コーナーで詰まってしまう。

 

 

ロマン・バルデがアタックだ。

 

ロマン・バルデをタデイ・ポガチャルが捕まえる。

 

タデイ・ポガチャルが、残り200mで先頭に立った。

 

タデイ・ポガチャルがスパート!

 

みるみる内に差が広がる。なんだ、このスピードは!

 

後ろから追いすがるのはTrek-Segafredoのマティアス・スケルモースイェンセンとミケル・ランダだ。 

 

タデイ・ポガチャルが最後のもがき。

 

タデイ・ポガチャルがゴール前で後ろを確認。

 

 

タデイ・ポガチャルがユイの壁を制した!

 

2位はTrek-Segafredoのマティアス・スケルモースイェンセン。3位はミケル・ランダ。

 

この距離の差だ。後ろを完全に引き離している。これでタデイ・ポガチャルはアルデンヌ完全制覇に向けて王手をかけた。いい訳なく、いつも勝ってしまう。なんというライダーなんだ。

残るはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。最大のライバル、レムコ・エヴェネプールが待っている。

 

 リザルト

タデイ・ポガチャルのコメント

最後の上りですべてを出し切った。超タフだった。ここは最後の登りが壮絶なんだけど、チームワークが僕を大きく後押ししてくれたんだ。何度も『なんて強いチームなんだろう』と思った。みんなは自分にたくさんのモチベーションを与えてくれる。

ロマン・バルデの攻撃を待っていたかのような反撃でしたね。

これは計画だった、はい。ユイでもっとタフなレースにしたかったのだが、一日リードしていたので、選手たちもとても疲れていた。

とてもナーバスな一日だったし、バイクに乗れてよかった。一時は転倒しそうになったこともあったし、本当に慌ただしかった。

勝利カウンターは、今シーズンすでに12個に達してますね。

でも、勝つことに飽きることはない。こんなにいい脚を持っていることに感謝している。できるだけ楽しむようにしている。私に起こるすべてのことに本当に感謝している。

 

2位のマティアス・スケルモースイェンセンのコメント

UAE Team Emiratesは素晴らしい仕事をしてくれた。残りはもう少し早く攻撃するだろうと思っていたが、彼のチームはそれを非常にうまくまとめていた。乾杯と言いたい。

ポガチャルも賢く待っていた。真のチャンピオンは、足が良ければ平常心を保つことができる。

前に思っていたよりもずっと近くにいる。もちろん、常に勝ちたいと思っているが、現実的であることも必要だ。チームは素晴らしい仕事をし、本当に一歩を踏み出した。

 

3位のミケル・ランダのコメント

イツリア・バスクカントリーのあと、病気になってましたが3位でゴールしましたね。

だから私は一日中自信がなかった。気分は良くなかったが、最終的にレースはハードになり、足は本当の決勝で十分だった。

 私の周りにも良いチームがあった。彼らのおかげで、フィニッシュに向けて自信を深めることができた。。また、今日のレースは私のフィットネスと日曜日への自信に良いと思う。そうです、私はリエージュに多くの自信を持っている。