ベルギーのワンデイレース、オーベレルエイセは、大幅に変更されたコースで開催される。
このレースはワールドカップのドレスリハーサルと見なされているため、多くの有名人がオーベレルエイセに集まっている。
世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ、レムコ・エヴェネプール、フィリップ・ジルベール、カレブ・ユアン、マルク・ヒルシなど、世界選手権ロードを取りたいと思うライダーが集結だ。
オーベレルエイセ~オーベレルエイセ 192km

コースマップ photo procyclingstats
最初に20kmのローカルラップを3周。その後、今年の世界選手権で使われる、短く急な上り坂が含まれるコースを走る。
これも3周回。石畳の登り坂もあるのでベルギークラシックそのものだ。
逃げは9人

スタートではジュリアン・アラフィリップ、ティム・ウェレンス、フィリップ・ジルベール、レムコ・エヴェネプールが先頭に並ぶ。

最初にダミアン・ゴダン(Team TotalEnergies)、アーロン・ヴァン・プッケ(Sport Vlaanderen–Baloise)、ジョナス・アイバーズビー・ヒビデバーグ(Team Uno-X)が逃げていた。
それに、スタートから56kmで後ろから6人が追いついてくる。

逃げているのは9人。いづれもプロチームのメンバー。
- ダミアン・ゴダン(Team TotalEnergies)
- アーロン・ヴァン・プッケ(Sport Vlaanderen–Baloise)
- ジョナス・アイバーズビー・ヒビデバーグ(Team Uno-X)
- Michael Garrison(Hagens Berman Axeon)
- Niels van Ekeren(Metec-Solarwatt)
- Oliver Wood(Canyon dhb Sungod)
- Gianni Marchand(Tarteletto–Isorex)
- Iver Skaarseth(Team Uno -X)
- Veljko Stojnic(ViniZabù)

集団は、Deceuninck-Quick-Stepが引く。メンバーは
- ジュリアン・アラフィリップ
- カスバー・アスグリーン
- ドリス・デヴェナインス
- レムコ・エヴェネプール
- ミッケルフレーリク・ホノレ
- イーリョ・ケイセ
- ピーター・セリー

お馴染みの石畳の登りを集団はこなす。

飛び出していた、VAN EKEREN Niels(Metec – Solarwatt p/b Mantel)が捕まる。もう誰も逃がさない。
集団は大きな周回の2周目に入る。

残り107kmで1分45秒と全くタイム差は開かせてくれない。まあ、当たり前だ。

ウルフパックとロットで先頭を固める。

Moskesstraatの石畳の登り。500mだけど、平均勾配9..2%に最大勾配は頂上手前で14.9%にもなる。石畳で登りなんて、走れたもんじゃないでしょうね。

集団はスタートゴール地点を越えていく。あと2周回だ。

ジュリアン・アラフィリップの後ろに、同じようなユニフォームのライダーが走っている。これは、歩道を走る一般ライダー。最初は逃げ集団と並走して走っていた。
その時には、一瞬ジュリアン・アラフィリップが走っているのかと思ったほど(^^;

レムコ・エヴェネプールは、ジュリアン・アラフィリップの前を走る。エースはジュリアンか?

先頭でも、逃げ切りを目指して活発に石畳の登りでアタックがかかる。

さあ、ジュリアン・アラフィリップが攻撃を仕掛けて、一旦後ろにつく。

ウルフパックが一気にペースをあげてくる。

15人のライダーが集団から先行する。主なメンバーは
- ジュリアン・アラフィリップ
- レムコ・エヴェネプール
- カスバー・アスグーン
- カレブ・ユアン
- フェルナンド・ガビリア
- ティム・ウエレンス
- クリストフ・ラポルト

レムコ・エヴェネプールは先頭でガンガンに引き倒す。

ジュリアン・アラフィリップも登りでしかける。すでにメンバーは絞れている。

後方からカスパー・アスグーンも追いつてくる。ウルフパックが3人おり有利だ。

レムコが登りでも先頭を引きまくる。

逃げ集団の後方に追走集団が見えてきた。

あっと、ここでコフィディスのクリストフ・ラポルトが前輪パンクだ。折角追走集団にいたのに無念。

ジュリアン・アラフィリップ先頭で、逃げ集団をぶち抜いていく。

さらに、ジュリアン・アラフィリップは登りで引き続けて集団を絞る。

ここでレムコが少し前に出たところで、カスパー・アスグーンとジュリアン・アラフィリップが少し間をあける。
何度か、レムコが振り返るがこれは~。

押さえてくれると確信して、レムコはスパートだ。

レムコ・エヴェネプールが単独で逃げ始めた。しかし、ゴールまで60kmもあるぞ。

こちらはメイン集団。前に追いつこうと追走を作り出す。

レムコは得意のパターンとなったけど、捕まればジュリアン・アラフィリップか、カスパー・アスグーンが飛び出せばよい。

Moskesstraatの石畳の登りをレムコは単独で登る。

後方は、大集団となる。

レムコは、残り45.8kmで1分までタイム差を開く。すでに15kmの独走だ。

UAE、ロット、Alpecin-Fenixなどがレムコを追う。だが、すぐにウルフパックのメンバーが邪魔に入る。

残り39.7kmでタイム差が36秒に縮まった。さすがに一人で60kmは無理だろう。

Alpecin-Fenix先頭でレムコを追い詰める。あと30秒だ。
レムコが突然の停止

なんと、ここでレムコが止まってしまう。最初は踏切かと思ったけど…..。

集団もすぐに追いついて止まる。

なんだろう。

どうやら、先で火事となっており、消防車が道路をふさいでいる。

レムコは茫然だ。コースに沿った車の火災で救急隊が火災現場に到着するのを待つ。

これでは通り抜けられない。交通事故で火事が起こっている。

レムコはついに座り込んでしまう。泣いてしまうのか?

20分近く止まっていただろうか。ようやくレース再開だ。まずはレムコが先に走りだして、2度目の集団のスタートとなった。

残り27kmでタイム差は34秒からスタート。


後方では、危険な飛び出しをジュリアン・アラフィリップが防ぐ。

レムコは、Veeweideの登りを上がる。残り17kmでタイム差は50秒と開いた。これはひょっとして単独ゴールか。

誰が逃げても、ウルフパックがマークする。

完全にウルフパックのペースだ。カスパー・アスグーンもマークを徹底する。

先頭交代させないように、3番手以降にウルフパックが陣取る。
レムコは、残り6.9kmで51秒のタイム差を持っている。もう、これは逃げ切り決定だ。

Intermarché – Wanty – Gobert Matériauxのアイメ・デヘントが集団から飛び出していたが、その後ろからミッケルフレーリク・ホノレがアタックをかける。

ミッケルフレーリク・ホノレは、残り1.8kmなので、2位を狙っての走りだ。これも綺麗に決まる。

レムコは独走のままゴール!
なんと60kmの単独逃げを成功させた。結果的には、火事で休憩できたことで足の力を取り戻したことが大きい。多分、火事がなければ勝利もなかったかもしれない。
この勝利の意味は大きい。世界選手権でもレムコの単独アタックは十分にあり得る。その時には、少人数の逃げに発展して王者を目指して走ることになる。
レムコの完全復活と言っても良い走りだった。

2位には、ミッケルフレーリク・ホノレが入る。ウルフパックが1位、2位を独占だ。
リザルト

| Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 |
EVENEPOEL Remco
|
Deceuninck – Quick Step | 125 | 75 | 4:15:55 |
| 2 |
HONORÉ Mikkel Frølich
|
Deceuninck – Quick Step | 85 | 55 | 0:40 |
| 3 |
DE GENDT Aimé
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 70 | 40 | 0:53 |
| 4 |
ASGREEN Kasper
|
Deceuninck – Quick Step | 60 | 32 | 0:55 |
| 5 |
WELTEN Bram
|
Team Arkéa Samsic | 50 | 28 | ,, |
| 6 |
VERMEERSCH Gianni
|
Alpecin-Fenix | 40 | 24 | ,, |
| 7 |
GHIRMAY HAILU Biniam
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 35 | 20 | ,, |
| 8 |
REX Laurenz
|
Bingoal Pauwels Sauces WB | 30 | 18 | ,, |
| 9 |
GILBERT Philippe
|
Lotto Soudal | 25 | 16 | ,, |
| 10 |
HIRSCHI Marc
|
UAE-Team Emirates | 20 | 14 | ,, |
| 11 |
VAN DER LIJKE Nick
|
Riwal Cycling Team | 15 | 12 | ,, |
| 12 |
NOPPE Christophe
|
Team Arkéa Samsic | 10 | 10 | 0:58 |
| 13 |
ALAPHILIPPE Julian
|
Deceuninck – Quick Step | 5 | 8 | ,, |
| 14 |
SERRY Pieter
|
Deceuninck – Quick Step | 5 | 7 | 1:01 |
| 15 |
ERIKSSON Lucas
|
Riwal Cycling Team | 5 | 6 | ,, |
| 16 |
MEURISSE Xandro
|
Alpecin-Fenix | 3 | 5 | 1:08 |
| 17 |
HVIDEBERG Jonas Iversby
|
Uno-X Pro Cycling Team | 3 | 4 | 1:27 |
| 18 |
WELLENS Tim
|
Lotto Soudal | 3 | 3 | ,, |
| 19 |
BEULLENS Cédric
|
Sport Vlaanderen – Baloise | 3 | 2 | 1:29 |
| 20 |
TOWNSEND Rory
|
Canyon dhb SunGod | 3 | 1 | 1:38 |


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