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イツリア・バスクカントリー第6ステージ 総合優勝となったのは見事な逃げ切りを決めたあの人!

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Photo credit: thierry llansades on VisualHunt.com
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イツリア・バスクカントリーもついに最終日を迎えることに。

ここまで、総合は第4ステージのTeam Jumbo-Vismaのミスではないかと思われる戦術により、ブランドン・マクナリティが(UAE-Team Emirates)総合トップにたっている。

これには、タデイ・ポガチャルも何を考えているのかわからないと発言しているほど。

プリモッシュ・ログリッチは23秒のタイム差をひっくり返せるかが問題だ。

現在の総合順位は以下の通り。

Rnk Rider Team Time
1  ブランドン・マクナリティ UAE-Team Emirates 16:05:43
2  プリモッシュ・ログリッチ Team Jumbo-Visma 0:23
3 ヨナス・ヴィンゲゴー Team Jumbo-Visma 0:28
4  ペリョ・ビルバオ Bahrain – Victorious 0:36
5  タデイ・ポガチャル UAE-Team Emirates 0:43
6  アダム・イェーツ INEOS Grenadiers 1:02
7 エマヌエル・ブッフマン BORA – hansgrohe 1:07
8  アレハンドロ・バルベルデ Movistar Team 1:13
9  ヨン・イサギレ Astana – Premier Tech 1:15
10 ミケル・ランダ Bahrain – Victorious 1:23

最後の山岳ゴールではどういう展開になるのか楽しみだが、総合上位勢の全てが残れるだろうか?

 

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第6ステージ オンダロア〜アラーテ 111.9㎞

第6ステージ photo itzulia.eus

 

111.9 kmの最終ステージは、このレースの最短ステージとなるが、最も過酷なステージとなるだろう。

途中に7つ以上の典型的なバスクの登りが待っている。スタートから23 km後、ライダーはすでに3つの登山を完了している。

それぞれ、Arribinieta(2.4 km・8.8%)、Elkorrieta(2.6 km・6.7%)、Azurki(5.4 km・7%)であり、これら3つはすべて、10%を超える最大勾配となっている。

その後、最も長い登りのElosua-Gorla(9.5km・5.6%)の2級山岳に続く。1級、3級山岳を越えた後に1級山岳Usartza(4.6km・8.7%)で決戦となる。

これだけ厳しいコースならば、最後の集団は小さくなっているはず。誰が残ってアタックをかけるの注目しておきたい。

 

レースはスタートから動く

phto Tiz-cyclingストリーミング 以下同様

 

プリモッシュ・ログリッチは必要があれば、スタートして1kmから動くと言っていたがすぐに3級山岳で集団はバラバラだ。

 

逃げているのは強力なメンバーの7人。だが、Team Jumbo-Vismaのパスカル・エーンクホーンは引かない。

と、思っていたらパスカル・エーンクホーンも先頭交代に入っている。

  1. ヒュー・カーシー(EF Education – Nippo)
  2. オマール・フライレ(Astana)
  3. リチャル・カラパス(INEOS Grenadiers)
  4. ベン・オコナー(AG2R Citroën Team)
  5. エンリク・マス(Movistar Team)
  6. パスカル・エーンクホーン(Team Jumbo-Visma )
  7. パトリック・ベビン(Israel Start-Up Nation)

 

メイン集団からアタックをかけて二人が合流する。メイン集団も30秒しか離れていないので射程圏内だ。

  1. VERONA Carlos (Movistar Team)
  2. PADUN Mark (Bahrain – Victorious)

 

メイン集団は、プリモッシュ・ログリッチが引いている。あまり、積極的にまだUAEも引いていない。

 

長い2級山岳の登りをUAEのラファウ・マイカが先頭になって引いていく。すぐ、後ろにブランドン・マクナリティとタデイ・ポガチャルがいる。

 

メイン集団から3人が飛び出す。

ファンセベナント(Deceuninck – Quick Step)のアタックに、マルク・ヒルシ(UAE-Team Emirates)とサム・オーメン(Team Jumbo-Visma)がチェックに入った形だ。

 

先頭集団は2級山岳を越えて下りにはいる。後ろからの後続を合わせて14名の先頭集団となる。

すでに後続に1分のタイム差をつける快走。総合に最も近いのは、ピエール・ラトゥール(Team Total Direct Energie)の2分2秒差の総合19位。

次が、ヒュー・カーシー(EF Education – Nippo)の2分33秒遅れの総合20位だ。後続は2分以上のタイム差を与えてはいけない。

 

おっと、ログリッチが下りで6人で抜け出ている。先頭まで42秒ある。アスタナとモビスターが全開で引いている。

先頭は、アスタナのオマール・フライレだ。

 

下りを先頭でかっ飛ばしていたリチャル・カラパスは、ベン・オコナーとパトリック・べヴィンと3人で抜け出した。

 

プリモッシュ・ログリッチを含むグループは、後ろのUAE勢を引き離している。これは良い展開だ。

 

先頭の3人は頑張るが、後ろのログリッチを含むグループの追い上げが凄い速さで追いかけてきている。

これは3人は捕まってしまうだろう。

 

やはり、3人は捕まってしまい先頭集団は19人となる。総合8位のアレハンドロ・バルデが含まれており、モビスターは全開で引いている。

 

さあ、1級山岳だ。すでにプリモッシュ・ログリッチはバーチャルリーダーを奪っている。モビスターとユンボ・ヴィズマの思惑は一致しており、これは強力な逃げとなる。

 

 

サム・オーメンが引く。アスタナ3人。モビスター2人。ユンボ・ヴィズマ3人と理想的に人数が揃っている。

 

後続は、タデイ・ポガチャルが一人で引く展開だ。これは追いつくのは難しいだろう。

アダム・イェーツや、ペリョ・ビルバオ、エスデバン・チャベスは当然引かない。タイム差は36秒。

 

後続は、エスデバン・チャベスがアタックをかけたことで、ブランドン・マクナリティが遅れてしまった。これは総合が逆転だ。

タデイ・ポガチャルはブランドン・マクナリティを置いて前を追っている。

 

モビスターのエンリク・マスのアシストが外れて、プリモッシュ・ログリッチが自ら先頭を引き始めた。後ろは、アレハンドロ・バルベルデだ。

 

ログリッチの引きでついに先頭は4人となる。

  1. ダヴィ・ゴデュ
  2. ヒュー・カーシー
  3. アレハンドロ・バルベルデ
  4. プリモッシュ・ログリッチ

 

ログリッチはアレハンドロ・バルベルデもちぎって、1級山岳頂上を越える。

 

ブランドン・マクナリティは、バーチャルでも3位に落ちている。このままいくと、ログリッチとヨナス・ヴィンゲゴーの総合逆転となりそうだ。

 

後続は、タデイ・ポガチャルとアダム・イェーツが先頭交代して追っている。当然、ヨナス・ヴィンゲゴーは2番手につけたりして先頭交代の邪魔を定期的にしている。

 

後続は、マウリ・ファンセヴェナントも先頭交代に加わるが、プリモッシュ・ログリッチが一人で前を引いていてもタイム差は少しずつ広がっている。

残りの距離は34.8km。

 

プリモッシュ・ログリッチは先頭固定で引いているが、後続をすでに55秒も引き離した。

 

後続のほうが人数が多いのだが、全く回らない。

 

タデイ・ポガチャルが3級山岳に入りペースをあげるが、上手くヨナス・ヴィンゲゴーが後ろについて邪魔をしている。

 

タデイ・ポガチャルが回せと手を上げるが、結構皆疲れている。ミケル・ランダもあまり前に出ない。

 

さあ、ここでアレハンドロ・バルベルデがアタックをかける。だが、強力なメンバーから逃げられるのか?

 

結局、アレハンドロ・バルベルデはアダム・イェーツの引きによって行ってこいとなった。後続からも数人が追いつきそうだ。

 

3級山岳頂上1.5kmとなり、タイム差は43秒。後ろの人数は増えたがまとまりがない。最後の1級山岳に速くたどり着けば、ログリッチは逃げ切れるだろう。

ヒュー・カーシーとダヴィ・ゴデュも先頭交代しており、良いメンバーを引き連れている。

 

今日のユンボ・ヴィズマの作戦は完璧だ。常にヨナス・ヴィンゲゴーがタデイ・ポガチャルをマークしているので、一人で引かざるを得ない。

これならば、最後の1級山岳でもマークし続けることが出来るだろう。

 

残り15.3kmでタイム差は1分2秒。もうすぐ、最後の1級山岳にたどり着く。最後はプリモッシュ・ログリッチがアタックをかけて抜け出すかな。

 

残り、10.6km。バーチャルではタデイ・ポガチャルは4位に上がっている。最後の1級山岳で抜け出して、ヨナス・ヴィンゲゴーを振り切れば総合2位も可能だ。

 

残り、6.5kmとなって、3人は補給食を捨てている。最後のスパートに向かって準備万端だ。

 

ラスト5.9kmでダヴィ・ゴデュがアタックだ。ヒュー・カーシーはちぎれてしまう。

 

後方は、タデイ・ポガチャルが引く。ベン・オコナー、ミケル・ランダ、マウリ・ファンセヴェナントなどがちぎれていく。

 

プリモッシュ・ログリッチはダヴィ・ゴデュに追いつき、ラスト4.7kmでタイム差は46秒となる。

 

落ちてきた、ヒュー・カーシーを捕まえた瞬間に、アレハンドロ・バルベルデがまたもアタックだ。

 

先頭は、アレハンドロ・バルベルデ、タデイ・ポガチャル、ヨナス・ヴィンゲゴーの3人となる。

だが、後ろからアダム・イェーツが追いつきそうだ。ペリョ・ビルバオが、このアタックで切れてしまう。

 

アダム・イェーツは追いついたが、エスデバン・チャベスは届かず。4人に追いつけない。

 

ダヴィ・ゴデュは引きっぱなしだ。これはステージ優勝はログリッチに譲って貰っても良いのではないかな。

 

残り1km地点で、プリモッシュ・ログリッチはダヴィ・ゴデュに並んでグータッチ。ずっと引いてくれたダヴィ・ゴデュに感謝だ。

 

ダヴィ・ゴデュは勝利に値する素晴らしい走りだった。よくあるパターンだが、最後にゴール前でちょい差しするという勝ち方ではない。

アタックをかけて、ヒュー・カーシーを振り切ってから、一度もプリモッシュ・ログリッチに前を引かせることなく最後まで引き続けた。

ダヴィ・ゴデュは総合16位から、なんと総合5位まで一気にジャンプアップ。これも、また素晴らしいことだ。

プリモッシュ・ログリッチは、第4ステージで失ったリーダージャージを見事に奪い返す走りを見せた。

残り60kmの下りでアスタナとモビスターのアタックに反応したのが勝因だ。まさか、これが最後まで逃げ切る要因になるとは思わなかったが、逃げた3人のメンバーにも恵まれた。

後方では、ヨナス・ヴィンゲゴーがきっちりとタデイ・ポガチャルをマークし続けており、チームとしての連携もバッチリだった。

グランドツアーのメンバーにヨナス・ヴィンゲゴーを入れても良いではないかな。セップ・クスに続く山岳での強力なアシストとなるだろう。

これで、プリモッシュ・ログリッチはツール・ド・フランスでの勝利も可能だということを示したと言っても良い。素晴らしい走りだった。

 

こちらはラスト5kmからのフル動画

 

リザルト

第6ステージリザルト

Rnk Rider Team UCI Pnt Time
1  GAUDU David Groupama – FDJ 50 50 3:05:42
2  ROGLIČ Primož Team Jumbo-Visma 20 30 ,,
3  VALVERDE Alejandro Movistar Team 8 18 0:35
4  YATES Adam INEOS Grenadiers   13 ,,
5  POGAČAR Tadej UAE-Team Emirates   10 ,,
6  VINGEGAARD Jonas Team Jumbo-Visma   7 ,,
7  BILBAO Pello Bahrain – Victorious   4 1:03
8  CHAVES Esteban Team BikeExchange   3 1:05
9  LANDA Mikel Bahrain – Victorious   2 ,,
10  VANSEVENANT Mauri Deceuninck – Quick Step   1 1:55

総合

Rnk Rider Team Time
1  プリモッシュ・ログリッチ Team Jumbo-Visma 19:11:36
2 ヨナス・ヴィンゲゴー Team Jumbo-Visma 0:52
3 タデイ・ポガチャル UAE-Team Emirates 1:07
4  アダム・イェーツ INEOS Grenadiers 1:26
5  ダヴィ・ゴデュ Groupama – FDJ 1:27
6  ペリョ・ビルバオ Bahrain – Victorious 1:28
7  アレハンドロ・バルベルデ Movistar Team 1:33
8 ミケル・ランダ Bahrain – Victorious 2:17
9  エスデバン・チャベス Team BikeExchange 2:38
10 ヨン・イサギレ Astana – Premier Tech 2:59

総合は、最終ステージで大きくシャッフルされた。厳しい登りで最後まで残れたライダーが総合上位に並ぶことになった。それにしても、ヨナス・ヴィンゲゴーの総合2位は素晴らしい。

UAEはなんといっても、ブランドン・マクナリティが登りで遅れたのが痛い。ポガチャルも一人ではヴィズマには勝てないことが判明したと言っても良い。

ポイント賞

Rnk Prev ▼▲ Rider Team Points
1 1  ROGLIČ Primož Team Jumbo-Visma 106
2 2  POGAČAR Tadej UAE-Team Emirates 75
3 12 ▲9  GAUDU David Groupama – FDJ 61
4 4  VINGEGAARD Jonas Team Jumbo-Visma 48
5 9 ▲4  VALVERDE Alejandro Movistar Team 44
6 3 ▼3  MCNULTY Brandon UAE-Team Emirates 42
7 11 ▲4  YATES Adam INEOS Grenadiers 41
8 5 ▼3  ARANBURU Alex Astana – Premier Tech 37
9 10 ▲1  BILBAO Pello Bahrain – Victorious 36
10 7 ▼3  IZAGIRRE Ion Astana – Premier Tech 35

山岳賞

Rnk Prev ▼▲ Rider Team Points
1 3 ▲2  ROGLIČ Primož Team Jumbo-Visma 34
2 1 ▼1  POGAČAR Tadej UAE-Team Emirates 27
3 25 ▲22  GAUDU David Groupama – FDJ 20
4    CARTHY Hugh EF Education – Nippo 17
5    TOLHOEK Antwan Team Jumbo-Visma 15
6 2 ▼4  HERMANS Quinten Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux 14
7 4 ▼3  MCNULTY Brandon UAE-Team Emirates 12
8 21 ▲13  BEVIN Patrick Israel Start-Up Nation 11
9 8 ▼1  O’CONNOR Ben AG2R Citroën Team 11
10 9 ▼1  VALVERDE Alejandro Movistar Team 11

ログリッチは、総合、ポイント賞、山岳賞と全てで1位という圧倒的勝利となっている。

ヤングライダー賞

Rnk Prev ▼▲ Rider Team Time
1 2 ▲1  VINGEGAARD Jonas Team Jumbo-Visma 19:12:28
2 3 ▲1  POGAČAR Tadej UAE-Team Emirates 0:15
3 6 ▲3  GAUDU David Groupama – FDJ 0:35
4 4  VANSEVENANT Mauri Deceuninck – Quick Step 2:24
5 1 ▼4  MCNULTY Brandon UAE-Team Emirates 6:54
6 8 ▲2  MÄDER Gino Bahrain – Victorious 11:10
7 5 ▼2  HIGUITA Sergio EF Education – Nippo 16:22
8 7 ▼1  VAN WILDER Ilan Team DSM 16:38
9 9  DONOVAN Mark Team DSM 20:30
10 10  DUNBAR Eddie INEOS Grenadiers 28:00

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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