第2ステージは、最後の2級山岳ハイスキベル頂上からタデイ・ポガチャルがヨナス・ヴィンゲゴーを引き連れて逃げだす展開に。
しかし、ヨナス・ヴィンゲゴーは首を横に振り先頭交代を拒否。まあ、最後まで行ってもタデイ・ポガチャルのスプリントには勝てないので当たり前だ。
問題は、ゴール手前1kmのヴィクトル・ラフェのアタックをJumbo-Vismaが追えなかったことによる。24人の先頭集団にJumbo-Vismaは4人もいる展開。
ワウト・ファンアールトは勝利出来ず2位となっている。これがJumbo-Vismaの不協和音を生み出すかもしれない。
ワウト・ファンアールトの様子
ワウト・ファンアールトは怒りをぶちまけている。ステージ2位のインタビュースピーチなんてなく、シャワーを浴びると、すぐにサポートカーに乗り込んでホテルに向かっている。
昨年獲得したグリーンジャージは狙わないワウトにとって、このステージはなんとしても勝ちたい場面だった。
それが、1kmも独走されて追いつかなかったのだから悔しいのは当然だろう。ウィルコ・ケルデルマン、テッシュ・ベノート、そしてヨナス・ヴィンゲゴーもいたが、追走したのは二人だけ。
ヨナス・ヴィンゲゴーは、チームカーから追走するなと言われていたらしい。だが、全てをリーダーに奉げるワウトを手助けしても良かったのではないか。
ヨナス・ヴィンゲゴーが全開で追っていれば、ヴィクトル・ラフェを追いこめていたかもしれない。
ここでワウト・ファンアールトが勝利していれば、ワウトは残りステージを全力でヨナス・ヴィンゲゴーのためにアシストしていただろう。
ウィルコ・ケルデルマン
ウィルコ・ケルダーマンもまた、コントロールが容易でないことは承知しているが、彼にとっては幻滅がまだ支配的だ。
あんなに頑張ったのに……。一人のライダーが飛び去って、ちょっとパワーが足りなかったんだ。
もう本気じゃなかったんだ。残念だ。
リーダーのヨナス・ヴィンゲゴーは追走に協力してませんでしたね。これについては?
何とも言えない。これは見てみないと。レースはそういうものだから、すべてを予測することはできない。今日のレースでは、確かに勝利の可能性があった。
でも残念ながらそうはならなかった。でも、ヨナスのためにここにいるんだ。チームとして見る必要がある。
テッシュ・ベノート
数字的には、我々は再び強かった。
しかし、テッシュ・ベノート、ウィルコ・ケルデルマン、ヨナス・ヴィンゲゴー、ワウト・ファンアールトの4人は、それでもスプリントを逃してしまいましたね。
ヨナスは自分をセーブしている。このようなトップライダー集団をコントロールするのは簡単なことではない。
その差を埋めるには、あと1人足らない。残念ですが、それが現状なんだ。
でも、ワウト・ファンアールトは、怒っているようですが?
それは大きな言葉だ。私たちは4人で2回参加した唯一のチームだ。私たちは監視されているし、それは非論理的なことではないよ。
ヨナス・ヴィンゲゴーもリードすべきだったのでは?
ああ、何とも言い難い。これについては検討する必要がある。確かに違いを生む可能性はあるが、残念ながらまだ変化はない。
ヨナス・ヴィンゲゴー
ゴール後、ヨナス・ヴィンゲゴーの消極的な行動が最大の話題となったが、彼自身は害があるとは認識していなかった。
私はワウトのために何もしませんでしたか? 利己的になって、ハイスキベルの後もポガチャルと続けることもできたが、そうしないことでワウトを助けることにもなった。
順位に集中しなければならない。私たちには異なる目標がある。
タデイ・ポガチャルに対して失った秒数は、自分が失うことができたよりも少なかったので、その点では良かった。
私と同様に、一緒にいた全員がワウトでステージ優勝できなかったことに非常に残念に思っている。
さて、今回の結果がワウト・ファンアールトの心に何を生み出すか。本人も分かってはいるだろうけど、力があるだけに自分も勝利を得たいという気持ちは強いと思う。
これがタディ・ポガチャルだったらどうだったかを考えると興味深い。タデイならば、何も考えずにチームメイトのために追っていたはずだ。これまでも、そんな場面は何度かあった。
Jumbo-Vismaが、このツールで勝つにはワウトの力は欠かせない。うまくチーム内でまとめていかないといけない。
コメント
ワウトとしてもポイント賞は狙わないと公言してますが、ステージ勝利が手に届くレースでしたね。もちろん、ヨナスは総合優勝が大切ですが・・・チームの不協和音につながらないといいですね。(UAEも少々心配ですが・・)
Jumbo-Vismaが4人いて勝てないなんて誰も思わないですよね。
それだけ、ヴィクトル・ラフェのアタックが素晴らしかったのもあるのですけど、ワウトの落胆は良くわかりますね。
ただ、そこは仕事をしている大人なので切り替えていくと思いますが、どうでしょう。力がある過ぎるのも難しいものですね。