アワーレコード保持者のヴィクトール・カンペナールツは、先週20min FTP battle-Trailerで先頭固定の全開走行をしていた。
これは単なるチャレンジとして行っていただけではない。ロックダウン中に綿密に計画されたトレーニングセッションの一部だった。
「ベースキャンプエベレスト」後のFTPテスト
カンペナールツは、ヨーロッパでのロックダウン解除の日付から逆算してトレーニングを行っていた。
約3週間に渡って低酸素テントでの生活などで高地トレーニングの状態を作り出す。高地トレーニング効果による身体強化を図るためだ。
3月下旬から2,000mから4,700mの高地を見立てての準備期間。寝る時には4700mの高地と同じ低酸素テントの中で寝る。
週に8時間のトレーニングに抑えて身体を低酸素状態にならす。
イージートレーニングで週500km。Zwiftでのトレーニングも行う。
- トレーニング量を増やす。週900・650・850km。
- スタンダードトレーニングとテストで、Vo2 maxの88%
- Zwiftレースを2回
20min FTP battle-Trailerは最終的にはトレーニングの効果を見るための、20分間のFTPテストだった。
FTPとは
Functional Threshold Powerの略で、特定の期間(通常は1時間、この場合は20分)維持できる最大パワー(しきい値電力)またはワット数。
最終的にヴィクトール・カンペナールツのFTPの値は398w!
ビャルヌ・リースはどう考える
Team NTTの共同代表者となっているビャンヌ・リース(Bjarne Riis)は、この結果について印象的だと語っている。
ヴィクトール・カンペナールツはリースのことを大きなボスと呼んでいる。
あなたはこのテストのためにうまく準備したが、クレイジーではない。すでにこのレベルまで到達している。それは私に将来の可能性があることを教えてくれる。
あなたはまだトップの状態にない。100パーセントではないということだ。まだマージンがある。
もしあなたが今100%だったら、逆にマージンはなく心配するかもしれない。
再びレースを始めるとき、正しい準備をすれば、あなたはこれまでになく速くなることができると私は信じている。
レースの予定は立てにくい
20min FTP battle-Trailerで一緒に走っていた、ナショナルコーチのRik Verbruggheもグループディスカッションに参加した。
まだ多くが不確実な状態で詳細なレース計画は立てられていない。特にカンペナールツの場合にはTTが主になる。TTの場合にはいかにレースの日に100%の状態に持っていくかが課題だ。
レースの日が確定していないと仕上げていくのは難しい。
まず、ヨーロッパ選手権だが今年は中止されると言われていたが、ここにきて8月24~28で開催される可能性も出てきている。
ただ、場所はイタリアのトレンティーノではなく他の都市に打診している状態だ。イタリアでの開催は2021年になるだろう。
もし、ヨーロッパ選手権が開催されるならば、ポーランドツアーに(8月5〜9日)出場する予定。
ティレノアドリアティコ(9月7〜14日)は、特にスイスのワールドカップウィーク(9月20〜27日?)への最後の仕上げとして、カンペナールツの重要な目標になるはず。
ただ、ヨーロッパ選手権と世界選手権の時間と場所は不確実。世界選手権についてはスイスでの開催の是非を今日会議で決定する。
スイスでの開催不可ならば中東で11月となる。
ボスとカンペナールツの間の予定
チームマネージャーのビャンヌ・リースは、タイムトライアルとカンペナールツのゲームの重要性を認識している。
重要なのは、タイムトライアルの準備とチームのレースができることの組み合わせを見つけることだ。
私がゲームに選択を与える場合、私はそれを事前に発表したい。あなたはそのような目標に備えることができなければならない。
ゲームに出場する場合、100%準備ができている必要がある。それを知るのが早ければ早いほど、そこで彼のプログラムを構築できるようになる。
ビャンヌ・リースとナショナルコーチのVerbruggheは、オープンに通信するという明確な合意をもって会話を終えた。
あくまでヴィクトール・カンペナールツの目標は欧州選手権、世界選手権、そしてジロのタイムトライヤルだ。いずれも日付が不確実なので計画を立てるのは難しい。
だが、ある程度の余裕を持ってコンデション調整しないといけない状況だ。2020年シーズンの結果が来年のオリンピック出場にもかかってくるからだ。
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