イタリアの自転車メーカーTRedは、デルニーレースのための特別なトラックバイクを開発。
このバイクが次のトラックレースの未来の形になる可能性は低いが、将来には役立つかも。
デルニーレースとは
トラックレースでバイクの後ろについて、一定時間内にどれだけ走れるかを競うレース。
いかに前を走るモーターバイクに近づいたまま走るのかが鍵を握る。
だから、バイクの形も特殊だ。
TRed Horkokhan、現代の合金トラックStayerバイク
デルニーレースは、こんな感じでバイクの後ろにピッタリとくっついて走る。転倒してはいけないので、バイクにはローラーがついている。
競輪選手がバイクペーサーで練習するのと同じ形。
変わっているのは、前のバイクレーサーはバイクの上にスタンディングで立ち上がっていること。
T°Red Factory Racingのアレッサンドロマリアーニ選手は、ヨーロッパ選手権にU23イタリア代表として出場することが決定。
アレッサンドロマリアーニは、このデルニーレースに出場した全く経験はない。
そのため、TRedはモーターペースメーカーの後ろでレースするためのバイクの近代化に着手した。
自転車の形を変える
TRedは、UCI制約内でライダーの位置とバイクのユニークなジオメトリを最適化することを検討。
サドルはBBの前に出すことは出来ず、BBから前車軸までの距離は55cmを超えている。
これらの制限の中で、目標はライダーを立ち上がらせ、スタンディングバイクペースメーカーのスリップストリームの効果を倍増させ、ドラフティングで引きき寄せるようにする。
ユニークなステイタートラックジオメトリ
最終的に、24インチのフロントホイールと逆向きになったフロントフォーク。
高速での安定性と、バイクがモーターペーサーの背面にあるローラーに接触するときの安定性を確保する。
このバイクは
- ヘッドアングル75°
- シートアングル76.8°
- ヘッドチューブ225mm
を備えている。
ポジションを高くしたいので、背の高いトライアルステムが、剛性を維持するための最良の選択肢であるようだ。
TRedはBLKTECと協力して、このユニークなバイク専用のステムを開発した。
通常ではありえない高さですね。
技術詳細
TRedは、アルミニウム、スカンジウム、およびジルコニウムで構成されるハイドロフォーミング航空宇宙合金チューブの同様の混合物から構築。
ドライブトレインとハンドリングの剛性を最大化しながら、従来の丸いチューブのスチール製ステイラーバイクに空力改善を加えた。
フレームは、深いエアロダウンチューブとシートチューブシェーピング、T47ボトムブラケット、および最大のドライブトレイン剛性を確保するためにトラックエンドの先端の下まで伸びる巨大なチェーンステーを特長としてる。
完全なバイクビルド
ビルドも明らかにユニークだ。
SRM Originのパワーメーターがライドデータを収集し、サドルの下に固定されたGarminに送信する。
レーサーはサイクリングコンピューターに基づいて競技することはできないが、レースデータの記録はトレーニングの鍵となる。
サドルの先端の下には支柱があり、トラックの急なバンクに圧縮されたときに、過度の動きなしで快適な屈曲を可能にする。
66T Royce UKチェーンリングがIzumiトラックチェーンを介して15Tリアコグにパワーを供給し、120rpmのケイデンスで72km/hの速度を実現する。
フロントは、24インチのカーボンディスクチューブラーレースホイール。
5スポークで、タイヤはVittoriaトラックチューブラー。
Horkokhanは、デルニーレース用の特殊なバイクだが、この開発は将来の一般的なトラック、またはロードレースバイクに役立つとTRedは考えている。
コメント
ドラフティング可能なアワーレコードみたいな感じでしょうか。フォークの形がPINARELLOのONDAフォークみたいな感じですね。
ハム太郎さん、コメントありがとうございます!
ヨーロッパでは市民レーサーが街中でレースをしている所もあるみたいです。
その場合には、かなり緩いバイクでのレースみたいですけど。
ガチで街中では出来ないですよね(^-^;
ドミファンと呼ばれる競技の一種でスピードは70km/hを越えるとか。
トラック競技は、色んな種目があってオモシロイ!
PINARELLOのONDAフォークと同じ考え方なのか、空気抵抗を考えるとこんな形になったんでしょうね。
また、よろしくお願いいたします(^^♪