ジロ第18ステージは、第17ステージに続いて総合勢が大きく動きだした。
驚いたのは、第17ステージで最高の走りを見せた総合2位のアルメイダが遅れたことだ。これは何故か。
そして、プリモッシュ・ログリッチがテイオ・ゲイガンハートと共に落車した時のケガの治療の様子がわかった。こちらもセップ・クスという超強力なアシストがいなければ、第18ステージのアタックもなかったかもしれない。
第17ステージでは、もっと遅れていた可能性もあったのだから。
ジョアン・アルメイダ UAE Team Emirates
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2級山岳コイの登りで、ゴール手前7.5kmから、突然、Jumbo-Vismaのセップ・クスが前を引き始める。これにプリモッシュ・ログリッチ、ゲラント・トーマスが続いたが、この時にアルメイダは遅れている。
アシストするジェイ・ヴァインについていけない。この時の状況だが、チーム代表のマウロ・ジャネッティによると、序盤から調子が良くなかったと打ち明けている。
結局、前日のアタックからゴールまでの全開の走りから回復出来なかったということだ。
さらに、追いうちをかけたのは、コイの下りで前を走るジェイ・ヴァインがカーブでオーバーラン。しばらく、アルメイダは単独で前を追っている。
ジェイ・ヴァインは、ゴール手前2kmを切ってから登りで追いついたが、追走で足を使ったことにより、思うように前を引けない。
結局アルメイダは単独で、前を走るプリモッシュ・ログリッチとゲラント・トーマスを追うことになった。ゴールでは、前日に稼ぎだしたタイム差を全てはきだしてしまう事態に。
これについてアルメイダはゴール後に答えている。
今日はあまり気分がよくなかった。短い一日だったが、とても濃密な一日となった。
かなり重かった。今日は自分の最高のパフォーマンスではなかったが、一方で他のライダーにそれほどタイムを失うことはなかった。
それほど悪くはなかったので、最後まで戦い続ける。明日はもっとタイムを失うかもしれないし、そうでないかもしれない。
幸いなことに、チームは今日完璧な仕事をしてくれた。彼らは私の穴をいくつか埋めてくれた。確かにジェイ・ヴァインは本当に良かった。非常に感謝している。
プリモッシュ・ログリッチ Jumbo-Visma
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ついにログリッチが動いた。ログリッチのアタックについていけたのは、ゲラント・トーマスだけだった。
だが、その後ログリッチはトーマスを振り切れないと判断。セップ・クスの回復を待って、再び前を引いて貰う。
このセップ・クスの引きがいなければ、アルメイダは追いついていたかもしれない。それほど、今回セップ・クスはプリモッシュ・ログリッチのスーパーアシストとして最高の走りをしている。
プリモッシュ・ログリッチは、第11ステージでテイオ・ゲイガンハートと共に落車。実は、この時の落車で右大腿部を負傷し、5針を縫う治療をしている。
ゴール後は、回復を優先してインタビューには全く答えずにチームバスに乗り込んでいる。
セップ・クス Jumbo-Visma
Sepp Kuss keeps Primoz Roglic in the Giro d’Italia GC game https://t.co/zdyPn1vY9n
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セップ・クスは、ログリッチのアシストとして第17ステージのモンテ・ボンドーネでは、タイム差を最小限に抑えた。セップ・クスがいなければ、プリモッシュ・ログリッチは、取り返しのつかないタイム差を付けられていたかもしれない。
セップ・クスは、ログリッチに代わって、インタビューに答えている。
私たちはアルメイダが遅れをとっており、彼が大きなライバルであることを知っていた。だが、そのうちに戻ってくると思ったので、前進を続けた。結局のところ、それは大きな戦いだった。
アタックをログリッチがかけた経緯については?
今日のステージでは気分が良かった。登りは素晴らしくて急だったのでとても大変だった。
でも、プリモシュが気分が良くて楽しみにしているのは分かっていた。 通常、自分は彼が特定の種類の登りでどのように感じているか、そして彼が何を望んでいるのかについてのアイデアを持っている。
彼はこの爆発的な取り組みが得意なので、私はできる限り彼を助けようとした。
デッラ・クロゼッタ峠では、一時的に集団最後尾にログリッチと一緒にいましたが、この時にINEOS Grenadiersが加速してます。この時の様子は?
彼は少しリラックスしすぎていた、そして私もそうだった。他のチームがラジオでプリモシュが外されたと言っているのを聞いたが、いや、彼は今朝コーヒーを飲んでいなかっただけだ…。
今後の予想は?
現時点では彼らはかなりバランスがとれているが、アルメイダもそこにいる。トーマスは今回のジロの、爆発的な登りでも長い登りでも、あらゆる種類の登りで好成績を収めている。
彼は本当に強い。それはつまり、明日と最後のTTが本当に重要な日になるということだ。
第18ステージのゴールでは、アルメイダに対してログリッチは24秒のタイム差を付けた。これは第17ステージのタイムロス17秒を大きく取り戻したことになる。
人間なので、やり過ぎると必ず無理が生じる。アルメイダも第19ステージが大きな試練となるだろう。第20ステージの個人タイムトライヤルで全てが決まるが、その前の山岳でライバル同士の大きなタイム差がつかないよう気を付けることも大切だ。
しかし、プリモッシュ・ログリッチは5針も縫っているとは。相当の痛みを抱えならがら走っていたことは間違いない。
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