2018アムステルゴールドレース、オンループ・ヘットニュースブラッドを制したミケル・ヴァルグレン。
だが、今年6月ルート・ドクシタニー第4ステージのスタートから20kmの下りで落車。
高速クラッシュにより、骨盤骨折、両膝の主要靭帯と半月板を破裂させている。
医師からは「もうレースには出られないかもしれない」と言われ、今もその状態が続いているが、ヴァルグレンにはトンネルの先に光が見えかけている。
ようやく、室内で1回15分、1日3回までだが、自転車に乗れるようになっている。
復帰に向けて
6月にケガを追って5ヶ月がたったが、まずは足を引きづらずに、歩けるようになることから始まっている。
数週間、骨盤を支えるサポーターを装着し、ゆっくりと体力と機能を回復。そして、2週間前、膝の瘢痕組織をほぐす麻酔下手術が行われた。
その翌日、彼は自宅のトレーナーに乗り込み、6月以来初めてペダルを1回転した。実に4か月以上かかっている。それだけケガの状態は重いということだ。
「私は自分の仕事が大好きで、その仕事に戻るためにできることは何でもするつもりだ。ケガで自分のキャリアを終わらせたくないんだ。これ以上やりたくなくなったらやめるといつも言っているんだけど、まだ絶対にやめられないんだ。
僕は自分の人生を愛している。バイクに乗らないこと、バイクライダーでないことは、今の僕には考えられないことなんだ。」
奥さんは2人目を妊娠しており、小さな子供の送り迎えはミケル・ヴァルグレンの現在の仕事の一つだ。
現状では、ヴァルグレンはまだ忍耐強くなければならない。チームの説明によると、彼の日課は、まず膝を曲げるマシンに1時間半乗り、それからフィジオに3時間半通い、家に戻って膝を曲げるマシンにさらに何時間も乗るというものだそうだ。
写真をみると左膝の可動域が悪く、上手く動かせないようだ。日中は15分程度の負荷の低い運動を3回行うこともある。
「週に25〜30時間トレーニングしていたのが、数カ月間、有酸素運動を一切しないようになったんです。運動をすることで多くのエネルギーを得ることができるので、それは大変なことだった。
それでもエクササイズは続けていたが、フィジオでのエクササイズは、痛みを押しとどめるためのものだった。気持ちのいいものではない。
ベストな方法で乗り切ろうとしているのだが、それで大喜びするようなものではない。汗をかき、心拍数を上げることができないのは、本当に残念だ。
このようなケガの場合、回復のために一番良いのはバイクに乗ることで、それが僕の仕事でもあるので、早くバイクに乗れるようになれば良いのですが…。
そしてそれが僕の仕事なんだ。膝の可動域もだいぶ広がった。ようやくペダルの踏み込みができるようになったので、また前進しているところだ。
正直に言います。いつ完全に力を発揮できるかは難しいが、私は本当に良い状態にあり、毎日一生懸命働いているので、遅かれ早かれ復帰できると思う。」
Wahoo KICKRを使っているのは、ポジションが自由に変えられるからだ。まだ、普通のロードバイクのポジションを取ることも出来ない。クランクも短いものを使っている。
幸い2023年まで契約があるが、復帰のロードマップは中々描けないでいるが、なんとか来シーズンにレース復帰が出来るように願いたい。
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