Wilierは、トップレベルのロードバイクを求めるライダーをターゲットにした、新しいGranturismo SLRエンデュランスロードバイクを発表した。
Granturismo SLRの特徴はActiflex2.0振動減衰システムが搭載されていること。
快適性を重視したシステムで、振動吸収に大きく貢献しそうだ。
Wilier Granturismo SLR
Granturismo SLRは、ベアリングで回転するサスペンションシステムであるActiflex 2.0を搭載している。
これは、同ブランドのCento10NDRから学んだもので、第一世代のActiflexを改善してコンプライアンスを向上させたものだ。
ワールドツアーチームのAstana Qazaqstan Teamが使用しているFilante SLRと同じ高弾性カーボンファイバーを採用し、Actiflex 2.0の特性をサポートするためにレイアップに工夫が凝らされている。
Actiflex2.0振動減衰システム
Actiflexシステムは、以前Cento10NDRに搭載されていた。だが、現在Cento10NDRは生産中止となっている。
今回、Granturismo SLRで、Actiflex 2.0でバージョンアップし、快適性向上技術が復活した。今回は、Actiflexユニットをトップチューブ・シートステー接合部の周辺に収納し、改良を加えたという。
シートチューブはシートステーに取り付けられているわけではないので、「周辺」というのがキーワードとなる。
外観は、LapierreのXelius SL3に似ている感じだ。
Wilierによれば、改良されたActiflex技術により、リアトライアングルは他の方法よりも大幅にフレキシブルになり、荒れた舗装路を走るときにはActiflexユニットが物理的に圧縮されベアリングを中心に回転するそうだ。
その結果として、Wilierが「MTBライク」なサスペンションと呼ぶ、より高い垂直方向のコンプライアンスが得られ、サドルとブラケットの相対的な位置は変わらない。
この設計の理由は、ライダーが常に最適なライディングポジションを保てるようにすることにある。
このポジションにより、長距離をより快適に、効率的に走ることができるとWilierは述べている。
XS、S、Mサイズのフレームには柔らかめのユニットが、L、XL、XXLサイズのフレームには硬めのユニットが標準装備されている。
Wilierによれば、よりソフトな乗り心地や硬い乗り心地が必要な場合は、購入時に交換することも可能だと説明している。
だが、該当するサイズのバイクを購入するライダーの大半は、デフォルトで提供されているユニットが適しているはずとのこと。
また、購入後にActiflexユニットを交換することも可能なので、理論上は両方のユニットを用意し、ライディングに合わせて交換することもできる。
また、Actiflexの将来的なバージョンアップのために、3Dプリンティング技術の実験も行っている。
理論的には、ライダーの体重や希望するコンプライアンスレベルに合わせて、より正確にチューニングされたカスタムユニットを作ることが可能になる。
SLRグレードのリジッドカーボン
Granturismo SLRは、エンデュランスバイクでありながら、決してセカンドティアバイクと見なすべきではないと、Wilierは言っている。
実際、ほとんどのライダーにとって最適なバイクであり、より柔軟性のあるレーサーにはFilante SLRの方が適していると言う。
Granturismo SLRは、Filante SLRと同じカーボンファイバーと液晶ポリマーの組み合わせで、リアトライアングルの垂直方向のフレックスをより大きくするためにレイアップが変更されているだけだ。
Actiflex2.0がもたらすコンプライアンスに対応するために、特定の部位にカーボンファイバーを追加する必要があった。
だが、この修正はバイクの速度を落とすどころか、長距離の走りを向上させることに繋がったと言う。
シートステイは、トーションサポートブリッジで接続されている。前世代のバイクでは、このブリッジはリムブレーキキャリパーのマウントポイントとして提供されていたが、ここでは純粋にブレーシングの特性として採用された。
ジオメトリーは、Filante SLRのような伝統的なレースバイクに比べ、フロントエンドが高く、緩んでおり、特に長いヘッドチューブが目を引く。
これにより、よりアグレッシブなジオメトリーを持つバイクに、余分なスペーサーを装着することなく、より多くのライダーが自分の理想的なライディングポジションを見つけることができるようになったと言う。
これにより、美観を損なわず、かつGranturismo SLRのハンドリング特性をより良く維持できるとしている。
チェーンステーは、鋭い加速を維持するためにコンパクトなまま、がっしりとしたボトムブラケット部に接続されている。ブレーキ側のチェーンステーとフォークの脚を太くし、ディスクブレーキ特有の力をバランスさせたという。
また、エアロダイナミクスにも配慮し、SLR風のワイドフォーク、Zeroバー・ステム、D型エアロシートポストを採用することで、空気中をよりきれいに流れるようなラインを実現している。
しかし、全体的なチューブ形状は、スピードよりもエアロスタビリティに最適化されたバイクであることを示唆している。
ワイドなフォーククラウンとリアホイール周りのフレッシュエアスペースは、最大32mm幅のタイヤまでクリアランスを確保している。
カーボンモノコックハンドルバーは、Astana Qazaqstan Teamがツール・ド・フランスで使用したWilier 0 SLRと同じもの。
それらは、WilierのAero Filante Barよりも「快適」な丸みを帯びた人間工学に基づいたグリップを備えており、Granturismo SLRは、すべてのWilier Triestinaモノコックおよびモジュラーハンドルバーとも互換性がある。
Granturismo SLR Spec
Granturismo SLRは、3色のカラー。Sram Force AXSもしくは、Shimano Ultegra Di2から始まる5つのグループセットオプションが用意されている。フレームサイズは6種類。
WilierがこのバイクをFilante SLRと同等と位置づけていることを反映し、ハイエンドなトップクラスのグループセットと一緒になっている。
グループセットごとに2つのホイールセットオプションがあり、安価なバージョンには、Vision Trimax 30Cが装着。高価なバージョンにはWilier SLR38KCホイールが付属している。
Wilier Granturismo SLR Super Record EPS spec
- フレーム: Granturismo SLR carbon + liquid crystal polymer
- フォーク: Granturismo SLR carbon
- グループセット: Campagnolo Super Record EPS
- ホイール: Wilier SLR38 carbon
- タイヤ: Vittoria Corsa Speed, 700 x 28c
- シートポスト: Granturismo SLR carbon
- ハンドル/ステム: Wilier Zero carbon
- サドル: Prologo Dimension 143
- 価格: £12,070(約200万円)
他の4つのセットの価格は
- Sram FORCE AXS 2×12 – £7,400(約124万円)
- Shimano ULTEGRA Di2 – £7,400(約124万円)
- Shimano DURA ACE Di2 – £9,300(約155万円)
- Sram RED AXS disc 2×12 – £10,200(約170万円)
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