昨年Israel – Premier Techを引退したダン・マーティン。彼が引退したことで、チームはUCIポイントの稼ぎ頭がいなくなってランキング順位も大きく下がってしまった。
そんな、ダン・マーティンが現在のロードレースについて、自分の著書とインタビューで現在のロードレースについて語っている。
プロは無線により指示を受け、頭を使って考えることがないと。誰もミスをおかさないレースは見ていてつまらないとも言っている。
引退を決意した理由のひとつ
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— Dan Martin (@DanMartin86) October 15, 2022
2021年に引退たアイルランドのエース、ダン・マーティンは、彼が2007年にプロとなった時とは、全く異なる現代のプロトンを振り返っている。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディアと5つのグランツールステージを制したマーティンは、ますます機械式で石を投げない現代サイクリングのライダーは魂を失ったと語っている。
「それは、表現の自由でもある。攻撃する自由だ。レースは、誰もミスをしなくなったので、見ていてとても退屈だ。
栄養面でもトレーニング面でも完璧で、人間的な要素が欠けているんだ。レースは、かなり規定路線になっている。
だから去年の今頃、走るのをやめたんだ。
すべてのサイクリストは、自分が何をしているかを正確に伝えられ、各チームの方法論は同じだ。
私は、なぜ、いつ、どんなトレーニングをするのか、どんな戦術を使うのかを自分で決めたい。もし、2018年にTeam SKYに入っていたら、楽しめなかっただろうね。
まだ競争力はあるけれど、レースは楽しい要素を失ってしまったと実感している。」
ダン・マーティンは、ガーミン、クイックステップ、UAE Team Emirates、Israel – Premier Techで14年間、アグレッシブで爆竹のようなレースで知られるようになった。
2018年、ワット単位のパワー、グラム単位の食事、睡眠時間に繁栄するシステムに吸い込まれることを恐れて、Team SKYからのオファーを断っている。
2018年ツールでフルームとゲラント・トーマスと話していると、彼らは3週間野菜を食べていないことを話していたと言う。
食物繊維が過剰な水分を消化管に保持するからだ。その横で、ダン・マーティンは野菜たっぷりのハンバーガーを食べていたそうだ。
彼らの精神力は身体能力をはるかに超えていたと。まさにマシンそのものだったと言う。
タデイ・ポガチャルへの称賛と恐れ
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ダン・マーティンが現代のプロプロトンで気に入っていることがひとつだけある。かってのチームメイトであるタデイ・ポガチャルだ。
今年はヨナス・ヴィンゲゴーに負けてツールで2位となっている。
「人々は、これまでで最高のレースだと言っているが、それはポガチャルのおかげ。
他のレースが台本通りにコントロールされているのに対して、彼は気が向いたときにいつでも攻撃する大砲のような存在だ。
タデイ・ポガチャルは、ロマンティックなサイクリングに回帰している。私は今でも彼とよく話をするが、彼は自転車でのレースを楽しんでいるようで、だからこそカレンダーのほぼすべてのレースに参加しているんだ。
しかし同時に、彼にはチームの重みがかかっており、若いライダーが次々と登場しているため、舞台裏で何が起こっているのかわからない。
ポガチャルは、まだ24歳だが、彼のチームは将来に向けて準備を進めている。
今は、スーパーチームを持っており、彼の後ろに5人の若いライダーを配置するリソースを備えており、彼が落ちたらすぐに彼を置き換える準備ができている。
16歳の若者が週に30時間のトレーニングをしているという話を聞いたことがある。彼らはすでに筋金入りのプロのようにトレーニングしている。
プロトンに参加するためだけに、これまで以上に多くの犠牲を払わなければならない人たちに同情する。
ツアーのスタートラインに立つためには、高地でのトレーニングキャンプを行い、栄養を研ぎ澄まし、スーパー、スーパー、スキニーである必要がある。
チームスカイがしたことをしなければならない。しかし、私はツール・ド・フランスでトップ10を獲得し、毎日玄関の外でトレーニングを行った。
今日、それは不可能だ。ポガチャルのように、大きな犠牲を払って莫大な金額を受け取っている人たちにとっては問題ない。
しかし、ドメスティクの給料は10年前よりも減る可能性があり、より多くの犠牲を払わなければならない。それが心配だ。」
トム・デュムランやファビオ・アルのように才能ある選手が30歳前後で止めていく。長い間、競争力を持ったライダーは今後減ってくると予測している。
今のダン・マーティンはかっての自分に戻り笑顔で自転車に乗れるようになったことは幸運だと語っている。
今でも自転車に乗ること、そしてレースを愛することを楽しんで引退したのは、非常に幸運な立場だったと言う。
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