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カンペナールツのアワーレコードへの周到な準備

機材情報
https://twitter.com/NatLot_Belgie
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ヴィクトール・カンペナールツ4月16日火曜日にメキシコのアグアスカリエンテス・ヴェロドロームでUCIアワーレコードを見事に更新しました。

簡単に出来ることではなく、そこに至るまでには用意周到な準備がありました。

 

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ナビビアでのトレーニング

https://www.ridley-bikes.com/campenaerts-namibia/

カンペナールルツは、アワーレコードのチャレンジのために南アフリカの地でトレーニングキャンプを行いました。出身地のベルギーでは、運河沿いに走るためタイムトライヤルには何の支障もなかったのです。家にもすぐに帰れる場所だったので便利だったのにどうしてなんでしょうか?

 

ナビビアをキャンプ地として選んだ理由は何故だったのでしょうか?
  1. ナビビアの海抜1730mは、メキシコのアグアスカリエンテスと同じ高地
  2. 35℃で2ヶ月間トレーニングでメキシコの気温30℃に慣れるため
  3. ベルギーと同じタイムゾーンで、時差ボケがない

カンペナールルツがナビビアを選んだのには、以前のオランダ人チームLotto-Jumboのコーチの勧めもあったようです。

高地トレーニングと気温への順応生物学的適応は彼のパフォーマンスにおいて重要な役割を果たしました。

https://www.ridley-bikes.com/blogs-campenaerts/

35°Cでトレーニングをした結果、血液量と血漿が増加し、筋肉への酸素の流れが改善され、最終的にはパフォーマンスが向上。この高地トレーニングと暑さ対策の準備のおかげで、メキシコでもベストのパフォーマンスで臨めたのです。

 

コアの安定とヨガ

WESTHUK, NAMIBIA - FEBRUARY 8 : Victor Campenaerts of Lotto Soudal pictured during his training camp in Namibia on February 08, 2019 in Westhuk, Namibia, 08/02/2019 ( Photo by Jan De Meuleneir / Photonews        PICTURE NOT INCLUDED IN THE CONTRACT.  ! Only BELGIUM !

細部は違いを生む。 それは知られていることで、カンペナールツはそれを信じて実行しています。

タイムトライアルの中核となる安定性の為です。TTを行うには、できるだけ安定してサドルに座っている間、理想的なフォームを保持できることが重要です。それが特定の筋肉トレーニングをする理由となっています。
 
  1. 弱点を知ること。一日中サドルの上にいると痛い場合とかは、部分演習が必要
  2. 正しいフォーム、やり方を実行することが重要
  3. 他人との比較をしない。自分のペースでブラッシュアップする
  4. コアトレーニングは年中行う
  5. 2時間は行わない。特定の筋肉に対して45分のトレーニングで十分

 

タイムトライアルポジションと風洞試験

https://www.ridley-bikes.com/campenaerts-position-windtunnel/

空気力学はそれほど論理的ではありません。ただ、単にハンドルを下げれば良いといった問題ではなく、最高のポジションを見つけるためには、テストと測定が必要です。

初期テストの後、私たちは7cmハンドルバーを持ち上げました。 さらに最適化するために、肩を下げ、耳を肩に近づけました。そして、私のあごを私の手のひらに押し付ける必要がありました。 このポジションの変更により、パフォーマンスが5%向上しました。

https://www.ridley-bikes.com/campenaerts-position-windtunnel/

風洞実験では、自転車乗ることも、ペダルを踏む必要もないこともある。顔に時速50キロの風を当てますが、正しい結果を得るために動くことは出来ません。4~5分のテストを15回行います。テスト後は、かなり疲れ切るので、その後のロードトレーニングなど出来ない状態です。

集中的な風洞試験、柔軟性とコア安定性のおかげで彼はプロプロトンの中で最も空力的なライダーの一人です。

 

身につける装備

HJC Adwattヘルメット

https://www.ridley-bikes.com/the-equipment/

カンペナールツは2018年にLotto Soudalチームに参入。彼のバイクでの最初の風洞実験と一緒に、HJCヘルメットのために、彼の頭の3Dスキャンを行いました。そして、完全にフィットするカスタムメイドのHJC Adwattをもたらしました。
 
アワーレコード挑戦ではバイザーがなかったのは何故?
メキシコでの挑戦では、競技場内では気温が30℃あったために、身体を冷やす目的もあったために、バイザーなしだったようです。
 
https://www.ridley-bikes.com/the-equipment/
ただ、風洞実験でも、チームメイトのテッシュ・ベノートなどはバイザーがあったほうが速いようです。カンペナールツの場合には特有で、バイザーなしのほうが、エアロパフォーマンスは向上するそうです。
 
https://www.ridley-bikes.com/the-equipment/
長袖と半袖のエアロ効果の違いは、本当に限られています。30℃前後での走行のために半袖を選択したのです。
最速のスキンスーツのために、Vermarcと共同で対策しています。
 
https://www.ridley-bikes.com/the-equipment/
カンペナールツのシューズはGaerneというイタリアのメーカー。日本では、ブーツのメーカーとして有名です。
アワーレコードでは、シューズカバーは禁止されています。
そのため、Gaerneは新しいプロジェクトを立ち上げました。ダイヤル式のボタンを排除し、靴の凹凸を極限まで排除。シューズカバーよりも速い結果を出しています。
https://www.ridley-bikes.com/the-equipment/
とても快適なので、カンペナールツはロードレースでも使用してます。
ソックスもGaerneを使用してます。
シューズは写真を見ると靴ひもで結んでいるように見えます。その後ゴムカバーのようなもので、覆うか紐を隠しているようです。これについては詳細がわかれば追記します。興味ありますね。
 
https://www.ridley-bikes.com/the-equipment/
空気力学的には手袋の利点は最小限です。 今回は、また冷却条件を支持する選択です。 静脈は手首の周りを表面的に走っているので、そこからよく熱を失うことができます。
気温に対する配慮のようです。
 

完ぺきなペースメーク

http://www.cyclingnews.com/news/campenaerts-hour-record-ride-what-the-belgian-wore-to-victory/

UCI公認トラックは1周250m。

ブラッドリー・ウィギンズによって設定された54.526kmの距離を超えるためには、60分で218周をカバーしなければなりません。その目標を達成するために、1周を16.4秒、または毎分約4周の平均周速を維持する必要があります。さらに、クルージングスピードに到達するのに必要な余分な時間、最初の3周に渡る10秒が考慮されるべきです。

 

54.500kmを走る計算

16.4秒×218周+10秒= 59分45秒

計算では、残り26メートルをカバーするために正確には15秒が残っています。

つまり、1周250mを16.4秒というペースさえ、守れば記録達成が出来ると計算してペース維持のためにトラックを回り続けて調整した訳です。

http://www.cyclingnews.com/news/campenaerts-hour-record-ride-what-the-belgian-wore-to-victory/

最低限の視線の移動で済むように、1周毎にスタッフが路面近くで教えています。

メキシコでのリズム調整

メキシコでの10日間の滞在で、気温は午前11時から12時の間が最適であることが明らかになりました。

気温30℃。暑すぎると感じる温度ですが、運動能力が一番良くなる気温は28℃と言われてますからパフォーマンスの為には良いでしょう。

開始時間に合わせて、起床を4時30分。就寝は20時としてホルモン的に、身体に午後と感じさせるように調整。これは午後に身体は最高のパフォーマンスを発揮するからです。

Photo on <a href="https://visualhunt.com/re3/1bd18db8">VisualHunt.com</a>

そのために、脳が眠りにつく時間であるという信号を受け取るようにするために、17時から身に着けている青い光フィルター付きの眼鏡も使っていました。

食事も体重1kg当たり10~20gの炭水化物を摂取して、エネルギー切れを防ぎます。

 

スケジュール

以下は、開始点としてインスブルックでTTワールドチャンピオンシップでの銅メダル獲得からの、アワーレコード挑戦までのスケジュールカレンダーです。

  • 9月22日 – 9月26日:世界選手権インスブルック銅メダル獲得
  • 9月29日:スイス、グレンヘンでの30分間のテスト
  • 冬休み:サンフランシスコとアイアンマンハワイへの休暇(10月19日まで)
  • 10月29日:トレーニングを再開
  • 11月13日 – 11月20日:オリンピアントレーニングキャンプランサローテ島
  • 12月8日 – 12月18日:マヨルカ島のトレーニングキャンプLotto Soudal。 膝の怪我により自転車でのトレーニングはなし
  • 12月20日:最初のトレーニング後の膝損傷
  • 1月2日:ナミビアでのキャンプ
  • 2月26日:発表UCIアワーレコードの試み
  • 3月4日:ナミビア養成キャンプからの帰国
  • 3月11日 – 3月19日:ティレーノ – アドリアティコ
  • 3月20日 – 26日:回復、最終トラックテスト、高所での睡眠、気候トレーニング、乳酸テストに焦点を当てたベルギーでの最後の週
  • 3月27日:メキシコへ出発
  • 4月16日または17日:時間記録の試み
  • 4月19日:ベルギーに戻る
  • 4月29日 – 5月5日:トゥールドロマンド
  • 5月8日:Giro d’Italiaへの出発

 

スタッフ
  • トレーナー Kurt Lobbestael
  • 医師/高度スペシャリスト Ruud Van Thienen
  • 整骨院/理学療法士 Toon Hens
  • メカニック サイモンドウルフ
  • パフォーマンスマネージャー Kevin De Weert

 

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まとめ

機材・環境・体調ありとあらゆる物。考えられる全ての準備をして初めて突破出来たアワーレコードだったようです。

記録更新は最後のラスト1分ですから、それまではわからないですからね。55kmを突破するという、素晴らしい記録でした。

 

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