第10ステージは、Decathlon AG2R La Mondiale Teamのヴァランタン・パレパントルがロマン・バルデを追い落として、単独での逃げ切りを決めた。
総合勢の争いは、主に新人賞ジャージを巡る争いが勃発。第10ステージのスタート時点では、シアン・エイテブルックスが総合5位でアントニオ・ティベッリが総合6位。
その差は21秒だった。二人は、シアン・エイテブルックスが21歳、アントニオ・ティベッリが22歳。いずれも将来チームを背負って立つエースとなるはず。
ゴール手前では、シアン・エイテブルックスは丸裸となり、逆にダミアーノ・カルーゾのアシストを受けたアントニオ・ティベッリは、総合勢の集団をけん引した。
アントニオ・ティベッリは、ゴールではタデイ・ポガチャルのグループからは4秒遅れたが、ライバルのシアン・エイテブルックスを9秒引き離すことに成功した。
これにより二人のタイム差は、12秒差となっている。
アントニオ・ティベッリ Bahrain Victorious
Antonio Tiberi zit in goede flow: “Als ik zo doorga, zal ik misschien nog stijgen” https://t.co/EFfFUXHcEk
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— WielerFlitsBE (@WielerFlitsBE) May 13, 2024
第2ステージで遅れ総合から脱落したと思われたアントニオ・ティベッリだったが、第7ステージの個人タイムトライヤルで総合8位に返り咲き。
山岳では大ベテランのダミアーノ・カルーゾを頼りにできる。この第10ステージでも、ダミアーノ・カルーゾが逃げに入り前で状況をみながら集団に戻り、ゴール手前のアントニオ・ティベッリの加速を生み出した。
向かい風のためにアントニオ・ティベッリは最後まで先頭を走り続けることはできていない。
Bahrain Victoriousの戦術は総合上位を狙うアントニオ・ティベッリのためにあり明確だった。トースタイン・トレーエンを第4ステージで失っているがチームの目標は決まっている。
アントニオ・ティベッリのコメント
非常に難しい一日だった。スタートからレースだった。この日の逃げ集団に入るために本当に激しいバトルがあった。ダミアーノ・カルーソが最後に入ってくれた。完璧だった。
決勝では、ロマン・バルデが先頭を走っていたので、チームをリードすることにした。みんな本当によくやってくれた。ダミアーノは私をサポートするために待っていてくれて、それから2、3キロの間、先頭で懸命に走ってくれた。
そしてバトンを受け取ったあとは攻撃してましたね。
脚は良かったので、アタックすることにした。そうすることで、競争力を測ることができた。現在総合6位だし、バルデにはまだ抜かれたくない。
このジロからオロパまで、すでに不運に見舞われているので、今は主に良い脚を使ってタイムを稼ぎたい。タイムトライアルも視野に入れてね。
シアン・エイテブルックス Team Visma | Lease a Bike
Team Visma | Lease a Bikeは、スタート時点で、第9ステージ優勝のオラフ・コーイを発熱で失う。すでに、ロベルト・ヘーシンクを第2ステージ、クリストフ・ラポルトを第8ステージで失っている。
だが、チームはシアン・エイテブルックスの総合をかたくなに守るのではなく、攻撃を選択。アッティラ・ヴァルテル、ヤン・トラトニクが逃げを狙ってステージ優勝を目指す戦術に。
これは、シアン・エイテブルックスにとっては試練となり、最後はアシストなしでアントニオ・ティベッリの攻撃に屈してしまった。
うしなったタイム差は9秒だが、タイムトライヤルに課題を残すシアン・エイテブルックスにとっては、大きなタイムロスではないだろうか。
アントニオ・ティベッリは、2019世界選手権ジュニアのタイムトライヤル王者。年々進化している。第14ステージの個人タイムトライヤルでは二人のジャージの色が代わるかもしれない。
シアン・エイテブルックスのコメント
今日は完全な健康状態ではなかった。のどに痛みがあった。プロトンにいる全員が不調を抱えているようだ。悪くならないようにすることだ。
まず第一に、ここから回復できることを願っている。そうすれば、今日が私の悪い日だったとしても、私は満足するだろう。
最大のライバル、アントニオ・ティベッリは差を縮めてきましたね。
彼は爆発力があり、タイムトライアルでも強い。でも、3週目に彼がどう感じるか見てみよう。
2023ブエルタ・ア・エスパーニャではシアン・エイテブルックスが総合8位。アントニオ・ティベッリは総合18位。Bahrain Victoriousのエースとしてジロにのぞんだアントニオ・ティベッリには、チームのアシストが受けられる。
シアン・エイテブルックスは、直前に2022ジロの山岳賞クーン・ボウマンの交代、ロベルト・ヘーシンクのリタイヤと山岳でのアシストが不足していると言っても良い。非常に厳しい。
二人の新人賞を巡る争いは最終ステージまで目が離せない。そして、二人の戦いは将来に続いていくはずだ。
コメント
TTでは明らかにティベーリ有利、チーム力的にもティベーリの方が上でアイデブルックス厳しい……
と書こうとしたタイミングでアイデブルックスリタイアの情報。ヴィスマ呪われているとしか言いようがないですね…。
コロナではないと言ってますけど、チーム内で伝染したのか、それとも雨の影響なのか。
Team Visma | Lease a Bikeのジロは、厳しいものになりました。