ジロ・デ・イタリア第12ステージは、離脱者による逃げ切り勝負となった。
16人の逃げが決まるまで、どれだけアタック合戦があったことか。
過去にこのステージでは11回中、5回逃げ切り勝利で決着しており、誰もが逃げ切りを確信して逃げに乗っている。
最後に残ったメンバーは4人。誰もが勝てる足を持っているが、脚質によって勝つパターンが違う。
勝てる足を持っていたジョージ・ベネット( Team Jumbo-Visma)とジャンルーカ・ブランビッラ(Trek-Segafredo)は何故勝利出来なかったのだうか?
勝ちパターンの違い
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最後に残ったメンバーは4人
- 17.アンドレア・ヴェンドラーメ(AG2R-Citroen)
- 151.ジョージ・ベネット( Team Jumbo-Visma)
- 195.クリス・ハミルトルン (Team DSM)
- 212.ジャンルーカ・ブランビッラ(Trek-Segafredo)
4人の明暗を分けた場面は、ゴール手前3km。
後方で逃げ切りを狙う、ジョージ・ベネットとジャンルーカ・ブランビッラが二人で牽制している時に、アンドレア・ヴェンドラーメ(AG2R-Citroen)がアタック!
二人はアンドレア・ヴェンドラーメのアタックに気づくのが一瞬遅れた。すぐにジャンルーカ・ブランビッラが追走しようとするが、当然ジョージ・ベネットは後ろにつく。
ほんの少しの反応の遅れは、取り返しのつかない距離を一気に作り出してしまった。
こうなると、スプリントでは勝ち目のないジョージ・ベネットはジャンルーカ・ブランビッラと共に一緒に先頭交代して前を追う意思はみせない。
体重58kgのジョージ・ベネットが勝つには登りで逃げて勝つしか方法はなかったのだ。結局、二人は前の二人に追いつくことはなかった。
二人が一致して先行交代していれば、前の二人に追いついていた可能性は高い。だが、それが出来ないのがレースの面白いところでもある。
ジャンルーカ・ブランビッラのコメント
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二人の意見の合わない追走に関してジャンルーカ・ブランビッラは
私は何も言うことはありません。ジョージ・ベネットにレースの仕方を聞いてください。
レースの仕方を学ぶことができるように、テレビでサイクリングを見たほうがよい場合もあります。
と、かなり辛口なコメントを出している。
3級山岳でも、アタックを繰り出して逃げ切り勝利の意思を見せていた。スプリントも強いので、このメンバーならば勝てたかもしれない。
ジャンルーカ・ブランビッラとしては、一緒に追走しろよと言った感じだろう。
ジョージ・ベネットは作戦を擁護する
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これに対してジョージベネットは
すべてを閉めることはできないし、スプリントで勝つこともできないから、ギャンブルをするしかないんだ。
もしも僕が速い選手だったら、もっと違う乗り方をしていただろうね。すべてをカバーしてスプリントを狙っていたが、58kgの体重で1000Wを出すのに苦労していたら、スプリントに持ち込む意味がないだろう。
上り坂でも同じで、残念ながらかなりの向かい風が吹いていた。何度でもアタックできるが、みんなが自分のホイールを見ていたらできることは少ない。
ジョージ・ベネットも、何度か登りでアタックをかけていたが、誰もが登りでは彼をマークする。これではチャンスを得ることは難しい。
もっと長い登りが最後にあれば、展開は大きく変わっていたはず。
結局最後にスプリントしようとするが、ジャンルーカ・ブランビッラは斜行してしまい、3位でゴールしたが、降格となってしまう。
レースは勝てる足を持っていても、勝利を得るのは難しい。
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