レースにおいて、ライダーがハンガーノックになって走れなくなるシーンは何度か見たことがあるでしょう。
自分でも経験したことのある人はいるのではないでしょうか?
Team Jumbo-VismaとCANYON//SRAMは、スーパーサピエンスと提携してリアルタイムでエネルギー消費量のわかるデータを活用し、最適な補給タイミングを監視できる技術を手にいれている。
糖尿病患者が使用する機器を応用して、ブドウ糖の糖度を測定することで可能となった技術だ。
腕にバイオセンサーを取付
アトランタを拠点とするスーパーサイエンス(Supersapiens)は、「最高の運動パフォーマンスを維持するためのエネルギー管理に重点を置いた」スポーツテクノロジー企業。
最高レベルのスポーツで30年以上の経験を持つアスリートによって設立された。
創業者でありCEOであるフィル・サザーランドは、オールタイプ1の糖尿病チーム「チーム・タイプ1」の創設者であり、そのつながりは偶然ではない。
フィル・サザーランドは、2009年にはTeam Type 1からUCIレースに出ているプロライダー。
上の写真の袖口の所を見て貰いたい。白い丸い機器がみえるが、これがバイオセンサー。
糖尿病患者が使用するセンサーと同様に、アプリや専用デバイスを使ってリアルタイムでブドウ糖値をモニターし、情報を表示するAbbott Libre Sense Glucose Sport Biosensorを使用している。
糖尿病患者にとっては、このデータはインスリンや血中糖値のバランスを整えるのに役立つが、糖尿病ではないアスリートにとっては、体の燃料であるブドウ糖がどのように消費されているかを把握するのに役立つ。
センサーは、上腕三頭筋の背面に配置され、最大 14 日間使用することが可能。専用のリーダーかアプリのどちらかにBluetooth信号でデータを継続的に送信する。
画期的なセンシング技術は、グルコースを超えて、人体で何が起こっているかを知る情報を提供し、他の状態や治療法、そして最終的には健康を改善するための有意義な洞察を提供する可能性を秘めている。
最近、アメリカのスポーツ医学大学の研究では、栄養が体に与える影響を理解しているアスリートほど、ピーク時のパフォーマンスを発揮しやすいという結果が出ている。
Supersapiensアプリは、ユーザーに “洞察力、イベント分析、強力な教育リソースを提供するので、アスリートは自分の体とパフォーマンスレベルが給油戦略によってどのように影響を受けるかを正確に学ぶことができる。
ツール・ド・フランスに向けて、Jumbo-Vismaの選手たちは、バイオセンサーを使用してスーパーサピエンスと協力し、グルコース消費データのベースラインを設定した。
彼らは数日間、センサーを装着して、自転車の中でも外でもデータを収集し、体がどのようにエネルギーを使用し、どのように補給しているかを詳しく知ることができた。
これにより最適な補給タイミングとエネルギーの枯渇量も知ることが出来る。
データ主導のアスリートにとって、スーパーサピエンスはトレーニングの次のステップになる可能性がある。
パワーメーター、心拍数モニター、睡眠追跡ツールなどのツールを使用すると、エネルギー消費データは、トレーニング、回復、栄養に関するさらに多くのデータを提供して、最高のパフォーマンスを達成するのに役立つ。
アプリは無料だが、バイオセンサー(50ユーロ・約6千円)を買わないとダウンロードできない。
将来的には、一般ユーザーでもエネルギー消費量を把握して最適な補給が出来るようになるかもしれないですね。エンデュランス系とかトライアスロンとか長時間ライドしている人には良いかも。
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