ツール・ド・フランス第20ステージで大逆転をくらってしまった失意のプリモシュ・ログリッチとTeam Jumbo-Visma。
チームは完璧なまでに、レースをコントロールしていたが、個人タイムトライヤルでは誰もログリッチをアシスト出来ない。
個人と個人のぶつかり合いで、ログリッチは敗れてしまう。ゴール後の彼のインタビューを聞いてみよう。
ヘルメットも一因
どう考えてもおかしい着用の仕方。実はヘルメットも初めてレースで使用したもので合っていなかったのだ。
最後の数キロでヘルメットにも苦しめられており、あのようなかぶり方になっている。
だが、ヘルメットが直接的原因ではない。
最後まで全力を尽くしたが、自分に必要なパワーが走るにつれて、ますます不足していった。
まず第一に、私はまだ(レースが)終わったばかりなので、結果とここで見せたレースに満足している。
私が最高の日を過ごせなかったのは事実だが、今日は彼のほうが優れていた。彼は僕とは違う世界にいたと思う。
僕は自分の持っている全てを出し切った。結果には確かにがっかりしているが、一方で2位になったことを誇りに思うこともできる。
普段のログリッチの実力から言えば5位というのは信じられない成績だ。
2020スロベニア選手権では15.7kmのTTでポガチャルに9秒差で負けている。この時にはTTバイクで最初から乗ったことが敗因だと考えられていた。
ポガチャルは前半の登坂をロード、平坦区間をTTバイクで走ってタイムを稼いでいる。
あとは、確かにタデイ・ポガチャルが神がかり的な走りをしたことも事実。
平坦の中間計測ポイントでも2位というのは凄いスピードを身に着けていることを証明している。
中間タイムを聞いて
当然、無線からの指示やポガチャルとのタイム差などは聞いていたはず。だが、それらについては考えないように自分の走りに集中していたと語る。
ゴールするまで、ただコースの1メートルごとに戦っていただけだ。頭の中ではそんなことは考えていなかったし、ただ110%の力を出すことだけを心がけていた。
ログリッチは何がいけなかったのか、ポガチャルに対抗するために必要な力が足りなかったことを除けば、あまり詳しく説明できなかった。
彼は事前に、パリにイエロージャージを持って行くことを少し夢見ていたと語る。
第19ステージでは、総合優勝を確信してゴール前にタデイ・ポガチャルに良くやったと肩に手を置いている。自分がTTで逆転されるとは全く思っていなかった証拠だ。
私は少し前に夢を見ていた。もちろん、中間タイムを聞くと失っていると感じたが、彼もペースが落ちると思っていた。パルクール全体で自分を追い込んでいた。
こんな走りになるとは想像もしていなかっただろう。それとポガチャルのTT能力の進化も想像を遥かに超えていたことになる。
ログリッチは同胞の後輩タデイ・ポガチャルを素直に祝福している。中々出来ることではない。
ログリッチは、ある時点で彼とユンボ・ヴィズマの何が悪かったのかを研究するが、その時は今ではないと言う。
すべてについて大規模な分析を行う必要があるが、現時点では明確な心構えがない。はっきりと考えるのは難しい。
21日間のツール期間中で全てのステージで最高のコンデションで走り通すのは難しい。
プリモシュ・ログリッチのバットデイが個人タイムトライヤルで来てしまったのは運命というしかないだろう。
TTでの優位性がないと考えれば、来年以降の戦い方も変わってくるはず。もっとアグレッシブに走ってタイム差を広げるしか方法はない。
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