ツール・ド・フランス第9ステージは、タデイ・ポガチャルのアタックから先行するマルク・ヒルシを捕まえスプリントでUAEに勝利をもたらした。
ツール初出場でステージ優勝を飾ったタデイ・ポガチャルの勝利に沸くチームの一方で、ファビオ・アルは静かにツールを去った。
レース開始20kmで早くも遅れたファビオ・アル。原因は何なのかは本人もわからない。
60kmでリタイヤ
ファビオ・アルは、自分でも不調の理由もわからずテレビクルーには邪魔だと手をあげている。
At least Fabio Aru believes in social distancing….from the moto AND the rest of the peloton#SBSTDF #TDF2020 LIVE NOW | @SBS @SBSOnDemand | https://t.co/SdHOwOcRe1 pic.twitter.com/ufoBHVi6qU
— CyclingCentral (@CyclingCentral) September 6, 2020
ファビオ・アルに関しては何度も復活を期待して記事にしている。
だが、その後2年間の不調に苦しみ、グルテン不耐性(過敏症)・セリアック病と診断される。
グルテンとは
小麦や大麦、ライ麦などの食べ物に含まれている「たんぱく質」のひとつ。
大麦、押し麦、丸麦、ライ麦、そら豆・色々な雑穀・豆類にグルテンは含まれています。
グルテンが含まれる食べ物は主に、パンやピザをはじめとした主食や、ケーキやマフィンなどのスイーツ、その他多くのスナック類やシリアルなど日常のあらゆる食品に含まれています。
グルテンを摂取することによって、様々な身体の不調が現れる病気。小麦アレルギーともいわれる。パンを主食とする欧米人では困る病気の一つだ。
- 腹痛
- 腹部膨満感
- 下痢
- 脂肪便
- 便秘
- 鉄欠乏性貧血
- 栄養失調
- 神経障害
- 疲労感
- 骨や関節の痛み
- 発達障害(幼児)
あ~、こんだけあったら自転車なんて乗ってらんない。
有名なのはテニスのノバク・ジョコビッチがグルテンアレルギーで食事改善によって現在トップ選手になっている。
グルテン不耐性やゼリアック病の人の99%の人は、アレルギーであるとは知らずに、食べ続けている。
小麦も昔とは中身が全く違っていて、交配による品種改良を何度も重ねているので注意が必要だ。
これが治ると、再び不調になり、2019年4月に腸骨動脈狭窄の手術を受けた。
ツール・ド・フランスで早期の復帰にもかかわらず総合14位と復活の兆しを見せる。
だが、続くブエルタは落車の影響とエブスタンイン・バー症候群の診断を受けリタイヤ。別名キス病だ。マーク・カヴェンディシュも不調に苦しんだ病気だった。
2020年は復活を期す年でもあった。トレーニングの数値では過去最高をマークしており、復調は間違いないと本人も思っていたことだろう。
今シーズンは良かったのに
今シーズンは順調な滑り出しで
- Tour Colombia 2.1 (2.1) 総合12位
- Vuelta a Burgos (2.Pro) 総合9位
- Mont Ventoux Dénivelé Challenge (1.1) 5位
- Tour de l’Ain (2.1) 総合10位
と良い成績を収めている。しかも、ツール第8ステージまで総合29位に位置しており、ダデイ・ポガチャルの良いアシストとして働いていた。山岳ではアタックも見せていたし。
それなのに、第8ステージでは60km走った所で突然のリタイヤとなってしまう。
本人でさえ理由のわからない不調。今年はUAEとの契約最終年であり、シーズン終了後の去就も心配される。
今後の予定レースはブエルタ出場となっているが、コンディションによっては出場出来ない場合もあるかもしれない。
UAEもピンチだ。ダビ・デラクルスは、第1ステージで仙骨骨折。山岳アシストが2人使えないのは総合ジャンプアップを狙うダデイ・ポガチャルには痛手だ。頼りになるのはダヴィデ・フォルモロだけになってしまう。
今回のファビオ・アルの不調の原因の解明には時間がかかるだろう。何度彼を病魔が襲えば納得するんだろうか?
だが、あきらめることなく再び復帰して欲しい。
コメント
来シーズンの去就が心配です
そうですよね。しかし第6ステージではメイン集団からアタックをかけるくらい調子が良かったのに何故急に走れなくなったのか?
また、キス病の再発とかでなければ良いのですけどね。