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タデイ・ポガチャルが石畳クラシックレースにおける高炭水化物補給のルールを書き換えた?

メンテナンス
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タデイ・ポガチャルやマチュー・ファンデルプールらによる序盤からの猛烈なペースアップは、レース展開だけでなく選手の栄養補給戦略にも完全なパラダイムシフトをもたらしている。

過酷な石畳クラシックを生き抜くためにプロトンが取り入れている最新の高炭水化物補給戦略と、それを強いるのがポガチャル効果だ。近年、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベに代表されるワンデーレースは、かつてないほどの高速化を遂げている。

スタート直後から繰り広げられる予測不能なアタックの応酬により、選手たちはゼロ地点から1時間に500カロリー以上の炭水化物を摂取し続けなければ生き残れない。

レースを極限のサバイバルへと変えた立役者たちと、それに適応すべく進化する補給の実態に迫る。

 

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補給革命

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Team Visma | Lease a Bikeの栄養士であるガブリエル・マルティンスは、近年のレース展開の変化がチームの栄養補給の考え方を根本から変えたと指摘している。

数年前とは異なり、現在は誰もがスタートから逃げ集団に入るかのように、最初から最大量の補給を行うのが唯一の適切なアプローチだという。

 

この変化の最大の要因は、タデイ・ポガチャルとマチュー・ファンデルプールがもたらした「ポガチャル効果」だという。

彼らの存在により、E3サクソ・クラシックなどでは驚異的なパワーデータが記録されている。

マチュー・ファンデルプールは終盤の90kmで平均446Wを記録し、ヨナス・アブラハムセンのデータでは510W以上を50分以上も出し続けていたことが明らかになっている。

この狂気的なペースに対応するため、各チームは1時間に120gの炭水化物摂取を標準としている。

単に一定量を取るだけでなく、レースの決定的な瞬間に合わせて摂取量を変動させるなど、タイミングも戦略的にコントロールされている。

 

Tudor Pro Cycling Teamの栄養専門家であるティム・ポドロガーによれば、石畳や急坂の勝負所に向け、1時間あたりの摂取量を120gら140gへ引き上げ、その後110gに落とすといったピラミッド型の摂取が行われている。

また、高速化によって補給所でのボトルの受け取り自体が大きなリスクとなっている。用意するほうも大変だし、ライダーも取り損ねたらエネルギー枯渇につながる。

昔のように水のボトルだけ取るのが補給ではないのだ。

Team Visma | Lease a Bikeでは、1本のボトルに通常の倍以上となる80から90gの炭水化物を詰め込み、少ない受け取り回数で確実にエネルギーを摂取できる工夫を凝らしている。

これ以上の濃度は胃腸へのリスクが高いため、限界値での調整となっている。慣れない人は補給自体を練習して身体を慣らさないといけない。

 

さらに、Team Jayco AlUlaのトレーナーであるピーター・レオは、炭水化物だけでなく重曹(炭酸水素ナトリウム)やベータアラニンなどのサプリメントも極限まで活用されていると明かしている。

 

レース終盤には、カフェインや鎮痛剤などを混ぜ合わせたフィニッシュボトルと呼ばれる特製ドリンクも使用されるなど、ポガチャル時代を生き抜くためのプロトンはまさに総力戦の様相を呈している。

まさに炭水化物補給革命と言ってもよい。

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