サイモン・イェーツは、2018 ジロ・デ・イタリアではステージ3勝をあげ、マリアローザを着用していたが、最後には疲労もあり総合21位まで脱落してしまった。
しかし、2018 ブエルタ・ア・エスパーニャでは総合優勝を飾る。もし、2018年のジロの時に、現在の栄養学を取り入れた補給をしていれば、ジロも勝っていたかもしれない。
サイモン・イェーツは、近年スポーツ界を一変させた炭水化物燃料革命のおかげで、プロ集団が走行中に疲れ果ててしまう時代はほぼ終わったと語る。
新たな栄養戦略が選手たちの努力をこれまで以上に加速させ、回復を早めるのに役立っていると打ち明けた。
炭水化物革命
Simon Yates se rinde a Jonas Vingegaard: “Es muy motivador e inspirador estar con él día a día” #Ciclismo https://t.co/byqF3Wzt0D
— Ciclismoaldia (@Ciclismoaldia3) January 28, 2025
少し前のステージレースでは、大きな逃げをうったりアタックしたりすると、翌日は疲れ果てて休憩というライダーが多かったのは確か。
だが、現代では連日のように逃げたり、山岳でも攻撃するライダーが増えている。さらにダブルツール、トリプルツールをこなすライダーもいる。
これには、1時間当たり120g摂取する高炭水化物の補給が役立っているとサイモン・イェーツは言う。
今ではもっとスポーツを楽しんでいる。 炭水化物ブームが来る前は、その逆だった。 低炭水化物で、炭水化物を節約していた。 常に疲労していたんだ。
ハードなライドから戻ると、完全にクタクタになってベッドに横になるしかなかった。 脚に感じるけど、体にも感じるんだ。 でも、今は何の不足も感じない。
以前は低炭水化物が多かったんだ。 朝食に卵を2個食べて、ポップを飲んで、5~6時間後にまたボトルの水。今は朝食に山盛りのご飯を食べ、1時間に120gの炭水化物を摂る。 今はすべて高炭水化物なんだ。
かつて、ライダーは激しい運動中、1時間あたり約60gの炭水化物にとどめるよう言われていた。
しかし、最近では、ブドウ糖と果糖を組み合わせた二重源炭水化物配合により、ライダーは気分が悪くなることなく1時間あたり最大120gを摂取できる。
パワーウェイトレシオを気にして、ダイエット、または摂食障害になるライダーも多数いた。だが、これは昔の話となりそうだ。
タデイ・ポガチャルも1時間当たり120gの炭水化物を摂取している。
予算のあるチームは、調整された食事、栄養アプリ、管理栄養士により、ライダーは何を、どれくらい、いつ食べる必要があるかを正確に把握している。
ライダーはトレーニングのパワーとリアルタイムのレースデータをソフトウェアにダウンロードし、カスタマイズされた栄養ガイドを作成。
チームスタッフは、タンクを補充するために、おいしくて健康的でパフォーマンスを重視したメニューを提供し、ライダーのエンジンはレース日を通してジェルで満タンになる。
だが、チームにより事情は違う。Team Jayco AlUlaの時には、妻がサイモン・イェーツの食事を管理、料理、コーチなどトレーニングアシスタントをしていた。
それが、Team Visma | Lease a Bikeでは完璧な食生活、トレーニングメニューに変貌するのだ。
さらに、サイモン・イェーツは最近は、腹が減ってフラフラになったり、ぼんやりしているライダーも見なくなったという。時代は変わっていくのだ。
スーパーチームで更に向上
Aún cuando la noticia se anunció hace meses, esta foto de Simon Yates con sus nuevos colores de Visma Lease a Bike ha sido de largo la que más me ha impactado en este día de Año Nuevo. Tengo la convicción además de que jugará un rol muy relevante al lado de Jonas Vingegaard. pic.twitter.com/3DNYIOCQy8
— Andrés Cánovas (@andrescanovas) January 1, 2025
2018 ジロ・デ・イタリア第19ステージで、クリス・フルームが、伝説の一日と言われる80kmの独走劇を見せた。
ソロアタックで距離を詰めた2018年ジロは、レース中にレーサーが効率よく燃料を補給する方法を変えた瞬間とも言われる。
当時、Team SKYは、決戦ステージ前夜から6時間以上のレース中、夕方まで続く栄養補給プランを展開。このような補給戦略は、現在ではワールドツアーのすべてのレースの一部となっている。
この時から全てが変わっていく。タデイ・ポガチャル、レムコ・エヴェネプール、ヨナス・ヴィンゲゴーと新しい世代は、新しい栄養補給で疲れ知らずの走りと長距離攻撃を可能にした。
だが、それもまだ一部の恵まれたチームでしか完璧な体制は取れていない。サイモン・イェーツの双子の兄弟、アダム・イェーツはUAE Team Emirates XRGに移籍して大きく変わった。
それを知りたいのも、サイモン・イェーツが移籍した理由の一つだ。トレーニング、栄養、装備など、すべてにおいて、Team Visma | Lease a Bikeの哲学は非常に異なる。
さらに、数パーセントの力をこのチームならば振り絞れるとサイモン・イェーツは考えている。さて、2025年シーズンはどんな走りを見せてくれるだろうか。
コメント
これは気になりますねー
日本のクライマーは痩せすぎだと、以前 海外の選手が言ってました
日本のヒルクライムレースは、短時間高強度勝負なら、痩せてたほうがいい気もしますが
僕は、普段はめちゃくちゃ米食べるんですけど、レース直前は、練習強度も落とすし、少し食事も抑えるよう意識してます