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2021ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ イネオスのクーデターにより総合大シャッフル!

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Photo credit: Gabriel Villena on Visualhunt.com
この記事は約18分で読めます。

ブエルタも残り2ステージ。

ステージ勝利が狙えるのは後2つ。ここまで勝利のないチームは、今日も逃げにライダーを送り込むはず。

ただ、獲得標高は3,450mもあり、後半には5つの山岳ポイントが詰め込まれている厳しいコース。今日はスプリンターチームが追うこともない。

総合に関係のないライダーならば、Team Jumbo-Vismaも見逃してくれるはずだ。最後の逃げ切り勝利が見られることだろう。

 

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第20ステージ サンシェンショ〜カストロ・デ・エルビリェ 202.2km

第20ステージ photo lavuelta

 

大西洋のポンテベドラ県にある観光名所サンシェンショからスタート。一部海岸線を走るコースは、アップダウンの連続となる。

最終日前日に202.2kmという長い距離。相当タフでないと最後まで逃げ切れないだろう。

 

  1. 3級山岳   アルト・デ・ヴィラチャン  6.5km・5.4%
  2. 2級山岳    アルト・デ・マビア  6.7㎞・5.7%
  3. 1級山岳    アルト・デ・モウガス   9.9km・6.3%
  4. スプリントポイント バイヨンヌ 
  5. 2級山岳    アルト・デ・ガルガンタ 10.3㎞・5.5%   ボーナスタイム
  6. 2級山岳   アルト・カストロ・デ・エルビリェ   9.7km・4.8%

 

2級山岳   アルト・カストロ・デ・エルビリェ

2級山岳   アルト・カストロ・デ・エルビリェ  photo lavuelta

 

総合勢は、最後の2級山岳の登りに気を付けないといけない。前半こそ、10%を越える勾配があるが、後半はなだらかな登りなのでスピードは上がるはず。

パンクや落車などで遅れないように注意だ。

 

スタート前

ブエルタライブ配信より スクリーンショット以下同様

総合2位のエンリク・マスは、ログリッチと2分30秒のタイム差がある。ここまで、自らが動いてひっくり返そうという動きは見せなかった。

今日も、ログリッチから遅れない走りに終始するのかな。

 

200kmを越えるステージだが、新城幸也は総合4位のジャック・ヘイグを守って走らないといけない。今日もチームの先頭を走る姿が見られるだろう。

 

ログリッチは、落車などがない限り総合優勝は間違いない。だが、これまでも2度落車しており、絶対何もないとは言い切れない。最後の山岳ではモビスター勢について上がることになるだろう。

 

第20ステージ スタートでの4賞

  • 総合 プリモッシュ・ログリッチ(Team Jumbo-Visma)
  • ポイント賞   ファビオ・ヤコブセン(Deceuninck-Quick-Step)
  • 山岳賞 マイケル・ストーラー(Team DSM)
  • 新人賞 エガン・ベルナル(INEOS Grenadiers)

 

16人の逃げ

山岳賞1位、2位のマイケル・ストーラーとロマン・バルデを含んだメンバー。

  1. リリアン・カルメージャ(AG2R-Citroën)
  2. クレモン・シャンプッサン(AG2R-Citroën)
  3. スタン・デウルフDewulf (AG2R-Citroën)
  4. フローリス・デ・ティア (Alpecin-Fenix)
  5. マーク・パデュン (Bahrain-Victorious)
  6. ダニエル・ナバーロ (Burgos-BH)
  7. ヘスス・エラダ (Cofidis)
  8. ミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi)
  9. ヤン・ヒルト (Intermarché-Wanty-Gobert)
  10. シルヴァン・モニケ (Lotto-Soudal)
  11. ニック・シュルツ(Team BikeExchange)
  12. ロマン・バルデ (Team DSM)
  13. クリス・ハミルトン (Team DSM)
  14. マイケル・ストーラー (Team DSM)
  15. ライアン・ギボンズ (UAE Team Emirates)
  16. マッティオ・トレンティン (UAE Team Emirates)

 

集団はTeam Jumbo-Vismaが引くが、全く追いかけるような気はない。

 

3級山岳   アルト・デ・ヴィラチャン  6.5km・5.4%

ここでイネオスが先頭に上がってくる。

 

イネオスが集団を引き始める。また、戦争勃発か。

 

先頭は、すでに10分45秒もボーナスを貰っている。

 

山岳ポイントは争うことなく、マイケル・ストーラーが1位通過。

  1. マイケル・ストーラー(Team DSM)   3ポイント
  2. クレモン・シャンプッサン(AG2R-Citroën) 2ポイント
  3. ミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi) 1ポイント

 

2級山岳    アルト・デ・マビア  6.7㎞・5.7%

集団はトム・ピドコックが引く始めた。まだ、エガン・ベルナルのために戦いを続けるのか?

タイム差もどんどん縮まってくる。

 

先頭は2番目の登りの頂上に向かう。

 

ここもマイケル・ストーラーが1位通過。誰も異議を唱えない。それよりも、エネルギーを節約してゴールで勝負したほうがいい。

  1. マイケル・ストーラー(Team DSM)   5ポイント
  2. ミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi) 3ポイント
  3. ヘスス・エラダ (Cofidis) 1ポイント

 

1級山岳    アルト・デ・モウガス   9.9km・6.3%

1級山岳登り始めで、6人が前に出る。山岳賞のマイケル・ストーラーは19秒遅れ。

  1. リリアン・カルメージャ(AG2R-Citroën)
  2. マーク・パデュン (Bahrain-Victorious)
  3. ロマン・バルデ (Team DSM)
  4. ライアン・ギボンズ (UAE Team Emirates)
  5. マッティオ・トレンティン (UAE Team Emirates)

 

先頭からマッティオ・トレンティンが切れてしまう。ここで切れると、もう、下りでも追いつかないだろう。

 

マイケル・ストーラーは、後ろからアタックをかけて先頭グループにジョイン。

  1. リリアン・カルメージャ(AG2R-Citroën)
  2. マーク・パデュン (Bahrain-Victorious)
  3. ロマン・バルデ (Team DSM)
  4. ライアン・ギボンズ (UAE Team Emirates)
  5. マイケル・ストーラー (Team DSM)

 

イネオスは、トム・ピドコック、サルバトーレ・プッチョが引き終わり、パヴェル・シヴァコフが死力を尽くして引き倒す。

あとは、アダム・イェーツとエガン・ベルナルだけだ。アタックを遠くからかけるのだろうか?

 

さあ、アダム・イェーツがペースアップだ。

 

アダム・イェーツが先頭を引くと、ベルナルは後ろに下がった。アタックの準備か。ジーノ・マーダーもたまらず切れてしまいそうだ。

 

集団からダビ・デラクルスがアタックをかける。すでにメイン集団も、イネオスの引きで9人しかいない。

 

ベルナルが揺さぶりをかける。

 

ベルナルが引き終わった瞬間、アダム・イェーツがアタックだ。すぐにログリッチがチェックに入る。

 

アダム・イェーツはアタックを続ける。

 

ジーノ・マーダーが追いついてアタック。

 

ジーノ・マーダーがジャック・ヘイグを後ろにつけて、総合勢の先頭を引く。

 

エガン・ベルナルと、ミゲルアンヘル・ロペスは、後ろの集団だ。このまま行くと、ミゲルアンヘル・ロペスは、総合から転落してしまうけど。

 

マイケル・ストーラーが1位通過。

 

下りでUAE Team Emiratesのライアン・ギボンズがアタックして単独に。

 

5人が総合勢の前に出ている。すでに、ミゲルアンヘル・ロペスとベルナルは38秒遅れいる。

  1.  ジーノ・マーダー Bahrain Victorious
  2. ジャック・ヘイグ Bahrain Victorious
  3. エンリク・マス Movistar Team
  4. アダム・イェーツ INEOS Grenadiers
  5. プリモッシュ・ログリッチ Team Jumbo-Visma

 

エガン・ベルナルは総合の第2集団の最後尾についている。これ以上遅れると、ミゲルアンヘル・ロペスはジャック・ヘイグに抜かれる。

  1. ラファウ・マイカ UAE Team Emirates
  2. ミゲルアンヘル・ロペス Movistar Team
  3. エガン・ベルナル INEOS Grenadiers
  4. ステファン・クライスヴァイク Team Jumbo-Visma

 

スプリントポイント バイヨンヌ 

 

ライアン・ギボンズは単独でスプリントポイントを通過。

 

ログリッチグループが逃げていた、メンバーに追いつく。10人の集団となった。前は11人のみだ。

  1. プリモッシュ・ログリッチ Team Jumbo-Visma
  2. スタン・デウルフDewulf (AG2R-Citroën)
  3. ジャック・ヘイグ Bahrain Victorious
  4. ジーノ・マーダー Bahrain Victorious
  5. マーク・パデュン Bahrain Victorious
  6. ダニエル・ナバーロ (Burgos-BH)
  7. ミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi)
  8. エンリク・マス Movistar Team
  9. アダム・イェーツ INEOS Grenadiers
  10. クリス・ハミルトン Team BikeExchange

 

ミゲルアンヘル・ロペスとエガン・ベルナルが遅れたために、バーチャルでの総合順位が変わってしまった。

ジャックヘイグが3位となっている。

 

2級山岳    アルト・デ・ガルガンタ 10.3㎞・5.5%   ボーナスタイム

ライアン・ギボンズはハンドルにステージのコースマップを貼っている。すでに1分30秒のタイム差をつけているが、総合勢が2分45秒と迫っている。

11分もあったボーナスを使い果たしそうだ。

 

追走からロマン・バルデがアタックをかけたが、すぐにつかまる。追走は下りでおいついて9人に。

  1. リリアン・カルメージャ(AG2R-Citroën)
  2. クレモン・シャンプッサン(AG2R-Citroën)
  3. フローリス・デ・ティア (Alpecin-Fenix)
  4. ヘスス・エラダ (Cofidis)
  5. ヤン・ヒルト (Intermarché-Wanty-Gobert)
  6. シルヴァン・モニケ (Lotto-Soudal)
  7. ロマン・バルデ (Team DSM)
  8. マイケル・ストーラー (Team DSM)
  9. マッティオ・トレンティン (UAE Team Emirates)

 

ライアン・ギボンズは追いつかれることなく2級山岳を1位通過。ボーナスタイム3秒を手にいれる。

 

追走グループも2級山岳を通過。

 

追走グループは、ラスト12kmのゲートをくぐるがログリッチグループに追いつかれそうだ。すでに後ろをみて諦めている。

 

Bahrain Victoriousの列車は、ついに追走集団を捕まえてしまう。20人の追走グループに膨れ上がった。

 

2級山岳   アルト・カストロ・デ・エルビリェ   9.7km・4.8%

ライアン・ギボンズは20人に追われる。1分15秒では最後まで逃げるのは難しい。

 

ミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi)がアタック!

 

あっと、ここでアダム・イェーツがアタック!

 

一気に引き離した!

 

だが、ログッチが飛んでくる!

 

後ろから、ジャック・ヘイグにエンリク・マスも追いつく。

 

アダム・イェーツは、13%勾配で攻撃を続ける。

 

たまらず、ジャック・ヘイグが切れてしまう。

 

だが、少し牽制するとすぐにジャック・ヘイグは戻ってくる。ジャック・ヘイグはここで遅れると、総合3位にはなれない。

 

ここで、ログリッチが揺さぶりをかける。ログリッチは先頭を引く必要はないのだけど。

 

ついに、ライアン・ギボンズの後ろに追走が見えてきた。

 

ただ、一旦下りになる所で、4人は牽制。

 

その間に、ライアン・ギボンズは再び33秒までリードを開く。

 

またも、アダム・イェーツがベースアップ。

 

すると、またもジャック・ヘイグが切れてしまう。

 

ただ、アダム・イェーツも爆破力が続かないのでジャック・ヘイグは戻ってくる。凄い粘りだ。

 

ライアン・ギボンズがついに捕まる。

 

ライアン・ギボンズも追いつかれ5人が先頭に。

 

エンリク・マスもアタックをかける。

 

今度は、ライアン・ギボンズがアタックだ。

 

誰も切れない。ライアン・ギボンズ先頭で残り2.6kmに。

 

少しペースを落とすと、後ろからミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi)が追いついてアタック!

 

これを利用してアダム・イェーツがアタックする。

 

だが、ログリッチにマークされる。

 

あっと、ここで後ろからクレモン・シャンプッサン(AG2R-Citroën)が追いついて、そのままアタックだ。

 

これは良いタイミングだ。

 

残り1.7kmで飛び出したシャンプッサンには、誰も反応しない。

 

さらに、ミケル・ビスカラ (Euskaltel-Euskadi)が続く。

 

クレモン・シャンプッサンは、奇跡のステージ優勝に向けて爆走だ。

 

エンリク・マスが最後のアタックをかける。

 

クレモン・シャンプッサンは、最後までペースを緩めない。

 

クレモン・シャンプッサンは、ワールドツアー初勝利をこのブエルタの大舞台であげた~!

まさに、奇跡のような勝利だ。このブエルタでは山岳でトップ10フニッシュを2回している。だが、最後の最後で勝利を掴むとは。

総合でも16位に上がっており、来年からは総合エースとして働けるのでは。2018年、2019年と連続してテスト生として走っていた。正式契約となったのは、2020年4月からだ。

23歳と若いので、これから伸びる選手だ。

 

プリモッシュ・ログリッチは、2位でゴール。最後まで強さを見せつけた。

結局、今日のイネオスのクーデターで最も利益を得たのは、Bahrain Victoriousだ。逃げていた、マーク・パデュンを待たせ、ジャック・ヘイグのためにアシストを最後まで温存。

ジャック・ヘイグは、総合3位に上がり、ジーノ・マーダーはエガン・べルナルに変わって新人賞ジャージを獲得。更に総合5位に上がった。

これほどの成果がこのステージで上がるとは思ってもみなかっただろう。イネオスは、総合5位にアダム・イェーツが上がったが、ベルナルは総合6位に後退。新人賞ジャージも失う。

クーデターの利益はあったと言えるだろうか?

ジャック・ヘイグを完全に落とせていれば、成功だったかもしれないけれど。ただ、見ている側は最高に面白い戦いだった。

大被害は、モビスターだろう。表彰台からミゲルアンヘル・ロペスが滑り落ちたのは痛い。

 

こちらはハイライト動画

 

リザルト

第20ステージ リザルト

Rnk Rider Team UCI Pnt Time
1
 CHAMPOUSSIN Clément
AG2R Citroën Team 100 80 5:21:50
2
 ROGLIČ Primož
Team Jumbo-Visma 40 50 0:06
3
 YATES Adam
INEOS Grenadiers 20 35 0:08
4
 MAS Enric
Movistar Team 12 25 ,,
5
 HAIG Jack
Bahrain – Victorious 4 18 0:12
6
 HAMILTON Chris
Team DSM   15 0:16
7
 BIZKARRA Mikel
Euskaltel – Euskadi   12 0:23
8
 GIBBONS Ryan
UAE-Team Emirates   10 0:26
9
 MÄDER Gino
Bahrain – Victorious   8 ,,
10
 DE TIER Floris
Alpecin-Fenix   6 0:50

総合

Rnk Prev ▼▲ Rider Team UCI Time
1 1
 ROGLIČ Primož
Team Jumbo-Visma 20 83:11:27
2 2
 MAS Enric
Movistar Team   2:38
3 4 ▲1
 HAIG Jack
Bahrain – Victorious   4:48
4 6 ▲2
 YATES Adam
INEOS Grenadiers   5:48
5 8 ▲3
 MÄDER Gino
Bahrain – Victorious   8:14
6 5 ▼1
 BERNAL Egan
INEOS Grenadiers   11:38
7 7
 KUSS Sepp
Team Jumbo-Visma   13:42
8 9 ▲1
 MARTIN Guillaume
Cofidis, Solutions Crédits   16:11
9 10 ▲1
 DE LA CRUZ David
UAE-Team Emirates   16:19
10 12 ▲2
 GROßSCHARTNER Felix
BORA – hansgrohe   20:30

ポイント賞

Rnk Prev ▼▲ Rider Team UCI Pnt Points
1 1
 JAKOBSEN Fabio
Deceuninck – Quick Step     250
2 2
 ROGLIČ Primož
Team Jumbo-Visma     179
3 4 ▲1
 TRENTIN Matteo
UAE-Team Emirates     145
4 3 ▼1
 CORT Magnus
EF Education – Nippo     144
5 5
 DAINESE Alberto
Team DSM     120
6 6
 MATTHEWS Michael
Team BikeExchange     114
7 8 ▲1
 MAS Enric
Movistar Team     113
8 7 ▼1
 BAGIOLI Andrea
Deceuninck – Quick Step     101
9 10 ▲1
 DÉMARE Arnaud
Groupama – FDJ     91
10 14 ▲4
 BARDET Romain
Team DSM     89

山岳賞

マイケル・ストーラーは、80ポイントとなり山岳賞確定だ。

新人賞

Rnk Prev ▼▲ Rider Team Time
1 2 ▲1
 MÄDER Gino
Bahrain – Victorious 83:19:41
2 1 ▼1
 BERNAL Egan
INEOS Grenadiers 3:24
3 3
 LÓPEZ Juan Pedro
Trek – Segafredo 18:04
4 4
 ROCHAS Rémy
Cofidis, Solutions Crédits 39:33
5 5
 CHAMPOUSSIN Clément
AG2R Citroën Team 43:51
6 6
 CRAS Steff
Lotto Soudal 1:10:04
7 7
 CEPEDA Jefferson Alveiro
Caja Rural – Seguros RGA 1:42:02
8 10 ▲2
 SIVAKOV Pavel
INEOS Grenadiers 1:53:13
9 9
 MARTÍN Gotzon
Euskaltel – Euskadi 1:56:47
10 11 ▲1
 STORER Michael
Team DSM 2:11:31

ジーノ・マーダーがトップに。

 

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