大雨のために285kmから261kmに距離が短縮。
さらに、前半の山岳は3か所から1か所へと減り、ハローゲートの周回コースが7周回から9周回に伸びた。
少しでも、距離が短縮されたのは選手には朗報だったが、やはり雨のレースは厳しい。
マチュー・ファンデルプールは、残り31kmからアタックして先頭に追いつき5人の先頭集団を形成。
残り1周を越えた時点で、これはマチュー・ファンデルプールとマッテオ・トレンティンの一騎打ちになるのかと思って見てましたが。
まさかのファンデルプールのバックアタック!
何故、彼が遅れたのかインタビューと選手の声から探ってみよう。
コース変更でも、悪天候は厳しかった
前半は、逃げもあり周回コースに入るまでは落車も沢山あったが、ほとんどの選手が残っていた。
ハローゲートの周回コースに入ると、落車が発生。
フィリップ・ジルベールも落車してしまい、レムコ・エヴェネプールに引いて貰って集団復帰を試みるが追いつかない。
レムコもフィリップ・ジルベールと共にレースを去ってしまう。
残り31kmでアタック
周回に入ってアタックで抜け出す選手はいるが、大きなタイム差は広がらない。
これは、最後はスプリントになるのかなあと思って見ていると。
残り31kmでマチュー・ファンデルプールがアタック!
前を走っていた
- ジャンニ・モスコン(イタリア・Team INEOS)
- マッズ・ピーダスン(デンマーク・Trek – Segafredo)
- シュテファン・キュング(スイス・Groupama – FDJ)
3人に、マッテオ・トレンティンを引きつれて追いつく。
It’s all kicking off! 💥 @MikeTeunissen 🇳🇱 dropped from lead group and @mathieuvdpoel 🇳🇱 rides clear of the peloton to bridge to the leaders. @MATTEOTRENTIN goes with him.
The peloton explodes!#Yorkshire2019 pic.twitter.com/0dZPRoiiz3
— UCI (@UCI_cycling) September 29, 2019
追いついて、マチュー・ファンデルプールが前を引くと一気に、後続とのタイム差が広がっていく。
マチュー・ファンデルプールは、好調で最終周回に入る前の登りでも先頭で引きまくる。
Lead group looking good!!@mathieuvdpoel 🇳🇱 @MATTEOTRENTIN 🇮🇹 @GianniMoscon 🇮🇹 @stefankueng 🇨🇭 @Mads__Pedersen 🇩🇰
50 seconds advantage now with 16km to go. #Yorkshire2019 pic.twitter.com/U2w2TEIgE4
— UCI (@UCI_cycling) September 29, 2019
この逃げは決まったかなあ、と思われたのはタイム差が全く縮まらなかったため。後続はベルギーチームの為にイヴ・ランパールトが懸命に引く。
イヴ・ランパールトが力つきるとタイムが縮まることは二度となかった。
最終周回に入って5人のうち、ジャンニ・モスコンは登りで遅れることは前の周回の遅れでもわかっていた。そうなると勝負は4人になるかと思われていた時。
急に、マチュー・ファンデルプールが遅れ出す。メカトラかと思われるほど急激に走れなくなった。
まさに、エーッ という瞬間だった。
.@mathieuvdpoel 🇳🇱 has cracked!!!
No one expected this. He is swept up by the peloton. #Yorkshire2019 pic.twitter.com/1y9GZ4mKo5
— UCI (@UCI_cycling) September 29, 2019
もう、全く力が入らないといった感じでハンガーノックかと思われる失速。
後続の集団にも力なく、遅れてしまう。
寒さ対策は万全だったのか?
タート前のマチュー・ファンデルプールの様子だが、キャップもかぶっている。
気になったのが、彼が着ていたウインドブレーカー。周回に入る前に食料を口にしている場面がカメラに写ったのだが、グレーのウインドブレーカーは身体にフィットしてなくて膨らんで見えた。
空気抵抗が多そうで凄く気になった。
そして、周回に入り彼がアタックする時には、すでにウインドブレーカーを脱いでいるのが確認出来る。
これについて、チームメイトのマイク・テウニッセンがゴール後に語っている推測が正しいかもしれない。
マチューと周回で話をした時に、彼は寒いと言っていた。彼は雨具を早めに脱いだと言っていたんだ。
と語っている。
いつでもアタックをかけれるように、空気抵抗の悪いウインドブレーカーを脱いでいた。
ゴール手前4キロくらいから、元の調子に戻ったと語っていることからもハンガーノックだけが原因ではなかったようだ。
ハンガーノックになったことがある人はわかるだろうけれども、一度ハンガーノックになると全く力が入らなくなる。
もう一つ考えられるのは、雨の中で6時間も走ったことがない、ということだ。
シクロクロスでは1時間なので耐えられるだろう。
だが、ゴールまで6時間40分の間大雨の中を走っているのだから、食べても冷えるのは当然ではないか。
気温は12度で、一時10度くらいまで下がったとも言われており、雨の中では体感温度はもっと下がっていたはずだ。
普通よりもエネルギーを消費するので、食べる量も足らなかったというのもあるだろう。これも雨の中の長距離ロードレースした経験がなかったのも一因だと思う。
出来たら身体にフィットしたゴアテックスのウインドブレーカーを、最後まで着ていれば遅れることもなかったかもしれない。
来年の世界選のコースはマチュー・ファンデルプールに向いているかどうかは、わからないが再度チャレンジして栄光をつかむ姿を見てみたい。
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