ベルギーでのクラシックシーズンが開幕。まずは、オンループ・ヘットニュースブラッド。Omloop Het Nieuwsblad Elite(1.UWT)
翌日のクールネ~ブリュッセル~クールネと並んでベルギーのオープニングウィークエンドと呼ばれている。
ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベへと向かうおよそ1ヶ月間の北のクラシックの開幕となるレースだ。
歴代優勝者
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2023 ディラン・ファンバーレ
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2022 ワウト・ファンアールト
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2021 ダヴィデ・バッレリーニ
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2020 ジャスパー・ストゥイヴェン
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2019 ゼネク・スティバル
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2018 ミケル・ヴァルグレン
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2017 グレッグ・ファンアーヴェルマート
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2016 グレッグ・ファンアーヴェルマート
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2015 イアン・スタナード
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2014 イアン・スタナード
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2013 ルカ・パオリーニ
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2012 セップ・ファンマルク
歴史
#OHNwomen – 🏁 17 km
Longo Borghini starts the climb of Muur-Kapelmuur with an advantage of 8 seconds!#OHN24 pic.twitter.com/Ah0y0qaOu3
— Omloop Nieuwsblad (@OmloopHNB) February 24, 2024
1945年、ベルギーの日刊紙を発行していたへット・フォルク(Het Volk)社が、ヘット・ニウスブラット(Het Nieuwsblad)が主催しているロンド・ファン・フラーンデレンに対抗して設けたられたレース。
ロンド・ファン・フラーンデレンは1913年から始まっている。
このコースは以前はオンループ・へット・フォルク(Omloop het Volk)と呼ばれていた。2009年にヘットフォルク紙がヘットニュースブラッド紙と合併したために、現在のオンループ・ヘットニュースブラッドの名称となった。
2017年にHCからUCIワールドツアーに格上げされている。1960年、1986年、2004年は、豪雪により中止。2月ですからね。
ゲント~ニノーヴェ 202.2km

コースマップ photo omloophetnieuwsblad
ゲントのメレルベーケからスタート。ズワールム地域とオーデナールデを通過していく。

コースプロフィール photo omloophetnieuwsblad
2018年から、ロンド・ファン・フラーンデレンのフニッシュレイアウトを採用し、ゴール前16kmに伝説の「カペルミュール」、そして約12km手前に「ボスベルク」が待ち受けるコース。
昨年から5km短くなっている。13の石畳の急坂と9つの玉石のセクターが選手の足を奪っていく、北のクラッシック伝統のレースが始まる。
- Haaghoek 石畳
- Leberg
- Lange Munte 石畳
- Kattenberg 0.9km・4% 石畳の登り
- Holleweg 石畳
- Leberg
- Paddestraat 石畳
- Hostellerie 1.2km・4.3%
- Valkenberg 0.5km・7.4%
- Holleweg 石畳
- ウォルベンバーグ 0.6km・6.4%
- Kerkgate 石畳
- Jagerij 石畳
- Molenberg 0.5km・7% 石畳の登り
- Haaghoek 石畳
- Leberg 1km・4%
- Berendries 0.9km・6.6%
- Elvernberg-Vossenhol 1.4km・3.7%
- カペルミュール 1.2km・7% 石畳の登り
- ボスベルク 0.8km・6.2% 石畳の登り
注目のライダーは
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Team Visma | Lease a Bike ワウト・ファンアールト、ディラン・ファンバーレ、ティシュ・ベノート、ヤン・トラトニク、クリストフ・ラポルト
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Alpecin – Deceuninck ジャスパー・フィリップセン、ジャンニ・フェルメルシュ、クイントン・ヘルマンス、スタン・ファントリヒト
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Soudal – Quick Step ジュリアン・アラフリップ、カスパー・アスグリーン、イヴ・ランパールト、ジャンニ・モスコン
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Intermarché – Wanty ビニヤム・ギルマイ、マイク・テウニッセン、ローレンツ・レックス
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Arkéa – B&B Hotels フロリアン・セネシャル
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Astana Qazaqstan Team ケース・ボル、アレクセイ・ルツェンコ、イーデ・シェリング
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Bahrain – Victorious マテイ・モホリッチ、フレッド・ライト
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BORA – hansgrohe ヨルディ・メイウス、ボブ・ユンゲルス
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Cofidis アクセル・ジングル
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Decathlon AG2R La Mondiale Team オリバー・ナーセン
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EF Education – EasyPost アルベルト・ベッティオル、ミケル・ヴァルグレン、ミッケルフレーリク・ホノレ
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Groupama – FDJ シュテファン・キュング
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INEOS Grenadiers トム・ピドコック、コナー・スウィフト、ベン・ターナー
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Lidl – Trek ジャスパー・ストゥイヴェン、ジョナサン・ミラン、エドワード・トゥーンス
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Movistar Team イバン・ガルシア
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Team dsm-firmenich PostNL
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Team Jayco AlUla ルーク・ダーブリッジ
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UAE Team Emirates ティム・ウェレンス、ニルス・ポリッツ
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Lotto Dstny アルノー・デリー、ヴィクトール・カンペナールツ、パスカル・エーンクホーン
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Israel – Premier Tech ディラン・トゥーンス、デレク・ジー
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Uno-X Mobility アレクサンダー・クリストフ、ラスムス・ティレル
スタート

ニュートラルスタート。かなり寒そうな恰好だ。

先頭集団に追走が追いつき、巨大な32人の先頭集団となっている。ワウト・ファンアールトは当然先頭集団に。あまり、現地のカメラ映像が良くないのか、過去映像ばかり流される。
Kattenberg 0.9km・4% 石畳の登り

先頭は上りに。

Lidl – Trekからは、3人が乗っている。
- ジョナサン・ミラン
- ティム・デクレルク
- トムス・スクインシュ

INEOS Grenadiersからは、4人。
- トム・ピドコック
- コナー・スウィフト
- ルーク・ロウ
- ベン・ターナー

残り57kmで集団は36秒差と迫る。
Holleweg 石畳

Team Visma | Lease a Bikeからは、4人。
- ワウト・ファンアールト
- クリストフ・ラポルト
- マッテオ・ヨルゲルソン
- ティシュ・ベノート
ウォルベンバーグ 0.6km・6.4%

Team Visma | Lease a Bikeが攻撃。

ワウト・ファンアールトが先頭で絞る。

さあ、先頭が割れ始めた。

残り50km。Lotto Dstnyのアルノー・デリーはくらいついている。トム・ピドコックもいる。

クリストフ・ラポルトが仕掛けると、ジャンニ・モスコンが反応。

ジャンニ・モスコンがきつくなった。

ジャンニ・モスコンがちぎれてしまった。

Team Visma | Lease a Bikeが3人。
- ワウト・ファンアールト Team Visma | Lease a Bike
- クリストフ・ラポルト Team Visma | Lease a Bike
- マッテオ・ヨルゲルソン Team Visma | Lease a Bike
- トムス・スクインシュ Lidl – Trek
- アルノー・デリー Lotto Dstny
- トム・ピドコック INEOS Grenadiers

このままいけば、Team Visma | Lease a Bikeが圧倒的に有利だ。

ジャンニ・モスコンは、追走グループに合流。

ピドコックもしっかりと先頭交代する。

アルノー・デリーは、よく残っている。

残り43km。タイム差が51秒差とじわりと開く。

Team Visma | Lease a Bikeは、誰で狙うのか。

追走集団はメイン集団に追い付かれる。先頭はGroupama – FDJのシュテファン・キュング。

ジュリアン・アラフリップも、集団先頭にいる。

トムス・スクインシュとワウト・ファンアールトが何か言い合い。

集団はまったりになってしまった。引くチームがない。

タイム差は1分6秒に。
Leberg

先頭は、登りに。

集団からIntermarché – Wantyのマイク・テウニッセンが追走に。

マイク・テウニッセンは集団に戻ってしまった。
Berendries 0.9km・6.6%

残りセクターも少なくなる。

トムス・スクインシュがアタック!

トムス・スクインシュのアタックで、ピドコックが危ない。

トムス・スクインシュはリードを奪う。

ジュリアン・アラフリップはパンク。
Elvernberg-Vossenhol 1.4km・3.7%

トムス・スクインシュは捕まった。

集団もあきらめない。

先頭からクリストフ・ラポルトが仕掛ける。

アルノー・デリーは、背中を押されて下がるなと言われている。Team Visma | Lease a Bikeが仕掛けたら、3人は追うしかない。

落車だ。

Soudal – Quick Stepは、ジュリアン・アラフリップにカスパー・アスグリーンも落車してしまう。ウルフパックは誰も先頭集団に残ることができなかった。
- カスパー・アスグリーン (Soudal – Quick Step)
- フロリアン・セネシャル (Arkéa – B&B Hotels)
- ジュリアン・アラフリップ (Soudal – Quick Step)

マッテオ・ヨルゲルソンがアタック!

Team Visma | Lease a Bikeのマッテオ・ヨルゲルソンが行ってしまった。

ワウト・ファンアールトとクリストフ・ラポルトは抑えに回る。

もう、これは3人で回して追うしかない。

残り18km。すでに18秒引き離した。これは行ってしまうのか。

二人はどこで仕掛けるか相談中だ。これは表彰台独占のパターンか。
カペルミュール 1.2km・7% 石畳の登り

マッテオ・ヨルゲルソンは、カペルミュールに。

ピドコックがやばそうだ。

アルノー・デリーが先頭で上る。

ピドコックが完全に遅れた。

後方から、UAE Team Emiratesのティム・ウェレンスがやってくる。

教会を越えた!

アルノー・デリーが追走の先頭に。

マッテオ・ヨルゲルソンも13秒しかリードがないので追いつかれるだろう。

残り14km。先頭はティム・ウェレンスが引いている。
ボスベルク 0.8km・6.2% 石畳の登り

マッテオ・ヨルゲルソンに後続が迫る。

先頭のマッテオ・ヨルゲルソンが捕まった。

後続も追いついてくるが、ワウト・ファンアールトは攻める。

ティム・ウェレンスも前で攻撃だ。

残り9.3km。Team Visma | Lease a Bikeのヤン・トラトニクが攻撃。

これにニルス・ポリッツが反応。

これには、誰も反応しない。Team Visma | Lease a Bikeに邪魔されるのはわかっている。

ヤン・トラトニクは、ニルス・ポリッツの後ろで待機。前に出る必要がない。

二人はどこまで逃げれるか。というよりも、ニルス・ポリッツがどこまで引けるか。

残り5.1km。追いつけば、スプリントだ。

残り4.4km。ニルス・ポリッツが飛ばす。自分が引くしかないのだから仕方ない。

集団はLotto Dstnyのヴィクトール・カンペナールツが引く。レース前に1枚ずつ上着を脱いでいくので、拾った人は届けてほしいとファンにメールを送っていた。シーズンの最初からチーム支給の衣類が少なくなると困るからだ。

逃げ切りのためにヤン・トラトニクも前を引く。二人の勝利が見えてきた。

ニルス・ポリッツがゴール前まで、集団の追撃をかわして引き続けた。

ゴール前で、ヤン・トラトニクがニルス・ポリッツの前にでる。もう、勝負あった。

ニルス・ポリッツはあきらめている。ここまで、ほぼ一人で引き続けて集団から逃げ切ったのだから凄いことだ。

今シーズン序盤から調子のよかったヤン・トラトニクが勝利!

Team Visma | Lease a Bikeは、まさに誰でも勝てるということを証明してみせた。あまりにも強すぎるチームだ。

集団の先頭はクリストフ・ラポルトのリードアウトを受けたワウト・ファンアールトが獲得。

Team Visma | Lease a Bikeは、勝利を喜ぶ。これでヤン・トラトニクは心置きなく、アシスト業に専念できるというものだ。
ヤン・トラトニクは、2022スロベニアTT王者を獲得して以来、2年ぶりの勝利となっている。
リザルト

ヤン・トラトニクのコメント
事前にこの勝利を予想していたのだろうか?
いや、自分たちが強いチームだということは分かっていた。以前はクラシックをあまり走らなかった。今日は奉仕的な役割だった。確かに自分では期待していなかったよ。
レース中盤、選手たちは本当によく走っていた。コントロールされたチェイスではなかった。ずっと加速して、また失速していた。それでも信じ続けるしかなかった。その後、後ろに追いつき、カウンターをかけることができた(笑)。
これがキャリア最大の勝利ですか?
そうだね、キャリア最大の勝利だ。スプリントで勝てるかどうか、ちょっと怖かったけど。ニルス・ポリッツがかなり早い段階でスタートし、それから僕はそれを信じ始めたんだ。表彰台に上がれてとてもうれしい。
残りのシーズンでチーム内のランクを上げることができるだろうか?
チームマネージャーに聞いてみてください。

2位のニルス・ポリッツのコメント
2位になったのはこれで2回目だ。今日のTeam Visma | Lease a Bikeはとても強かった。彼らはすぐにレースを難しくした。最後には、後ろに速い選手たちがいることも分かっていた。だから、チームのために2位になれてうれしい。
UAE Team Emiratesは、ティム・ウェレンスで勝負を仕掛けてましたが、パンクで脱落してましたね。
計画では、ウェレンスはミュールのあたりで何かを試すはずだった。彼はなんとか先頭集団に追いついた。私は後方からトラトニクが行くのを見た。ヴィスマは集団に大勢いたから、そのうちのひとりと一緒に行くしかないと思ったんだ。
アタックに入ると、かなり足を使ってましたね。
集団は、アルノー・デリーのために走っていたから、僕たちはプッシュしなければならなかった。ヤン・トラトニクがちょっと遊んでくれたんだ。僕もかなり打ちのめされたけど、2位はないよりマシだった。だからフィニッシュでは少し足りなかった。
今日はとても調子が良かった。ビッグレースでこのようにシーズンをスタートできるのはとてもうれしい。これから数週間、この調子をキープしたい。

3位のワウト・ファンアールトのコメント
自分のフィーリングには満足しているが、もっと良くなると思う。何度か限界に達した。特にベレンドリースとミュールでは本当に厳しかった。でもとてもいいレースができたし、楽しめた。チームとして解決できたことがとても嬉しい。いい1日だったし、完走できたことはとてもうれしい。
6人が途中逃げてましたね。ですが、決勝では一つになりましたが。
あの時点ではパニックはなかった。みんな戻ってきたけど、エドアルド・アッフィニを除けば、みんなまだ第1集団にいた。多くのライダーが前方にいたことで、僕たちにはアドバンテージがあった。すぐに別のプランに切り替えて、再びアタックした。レース中にどれだけお互いを理解しあえたか、これが僕の誇りだ。
ヤン・トラトニクの攻撃については?
攻めるべきタイミングだった。あそこからコントロールするのはとても難しかっただろう。アルノー・デリーのような選手がいたから、スプリントで勝てるとは100%思っていなかった。攻撃的なレースを続けるのが最善の戦術だった。
今春は、ツール・ド・フランドルとパリ〜ルーベを主な目標としている。オムループの勝者がツールでも優勝するということは過去に一度もなかったですが。
私は今、その統計を信じ始めている(笑)。もし勝っていたら、その逆を証明したかっただろう。しかし今では、あなたが正しいことを願っている。

| Rnk | Rider | Team | UCI | Time |
|---|---|---|---|---|
| 1 |
TRATNIK Jan
|
Team Visma | Lease a Bike | 300 | 4:31:28 |
| 2 |
POLITT Nils
|
UAE Team Emirates | 250 | 0:03 |
| 3 |
VAN AERT Wout
|
Team Visma | Lease a Bike | 215 | 0:08 |
| 4 |
NAESEN Oliver
|
Decathlon AG2R La Mondiale Team | 175 | ,, |
| 5 |
LAPORTE Christophe
|
Team Visma | Lease a Bike | 120 | ,, |
| 6 |
REX Laurenz
|
Intermarché – Wanty | 115 | ,, |
| 7 |
STUYVEN Jasper
|
Lidl – Trek | 95 | ,, |
| 8 |
PIDCOCK Thomas
|
INEOS Grenadiers | 75 | ,, |
| 9 |
TRENTIN Matteo
|
Tudor Pro Cycling Team | 60 | ,, |
| 10 |
DE LIE Arnaud
|
Lotto Dstny | 50 | ,, |
| 11 |
GAUTHERAT Pierre
|
Decathlon AG2R La Mondiale Team | 40 | ,, |
| 12 |
WELLENS Tim
|
UAE Team Emirates | 35 | ,, |
| 13 |
TEUNISSEN Mike
|
Intermarché – Wanty | 30 | ,, |
| 14 |
KRISTOFF Alexander
|
Uno-X Mobility | 25 | ,, |
| 15 |
GARCÍA CORTINA Iván
|
Movistar Team | 20 | ,, |
| 16 |
KÜNG Stefan
|
Groupama – FDJ | 20 | ,, |
| 17 |
BIERMANS Jenthe
|
Arkéa – B&B Hotels | 20 | ,, |
| 18 |
VERMEERSCH Gianni
|
Alpecin – Deceuninck | 20 | ,, |
| 19 |
DE BONDT Dries
|
Decathlon AG2R La Mondiale Team | 20 | ,, |
| 20 |
KIRSCH Alex
|
Lidl – Trek | 20 | ,, |
| 21 |
LAMPAERT Yves
|
Soudal – Quick Step | 12 | ,, |
| 22 |
TEUNS Dylan
|
Israel – Premier Tech | 12 | ,, |
| 23 |
DE GENDT Aimé
|
Cofidis | 12 | ,, |
| 24 |
MOHORIČ Matej
|
Bahrain – Victorious | 12 | ,, |
| 25 |
MORGADO António
|
UAE Team Emirates | 12 | ,, |
| 26 |
JACOBS Johan
|
Movistar Team | 12 | ,, |
| 27 |
SKUJIŅŠ Toms
|
Lidl – Trek | 12 | ,, |
| 28 |
BEULLENS Cedric
|
Lotto Dstny | 12 | ,, |
| 29 |
JORGENSON Matteo
|
Team Visma | Lease a Bike | 12 | ,, |
| 30 |
TOUZÉ Damien
|
Decathlon AG2R La Mondiale Team | 12 | ,, |


コメント
必勝形を崩されながら、結局勝ってしまうヴィスマのえげつなさよ……。
たしかに、強すぎますね。男女ともにTeam Visma | Lease a Bikeが勝ってしまうし、カミノではヨナス・ヴィンゲゴーが勝利。強すぎ。