2023 ツール・ド・スイス第3ステージ　　ああっ、レムコ・エヴェネプール!

ツール・ド・スイスは3日目で総合が動くステージとなる。

最後の1級山岳は10.7kmで平均勾配は7.8%もある。さすがに、TTスペシャリストのシュテファン・キュング(Groupama – FDJ)がリーダージャージを守るのは厳しい。

アルカンシェルが動いてくるか?

 

第3ステージ   ターファー～ヴィラールシュルオロン 143.8 km

 

前半は、フラットではないけれどおとなしいイメージ。最初の1級山岳モス峠の頂上からゴールまでは35km。逃げきることも可能かもしれない。

逃げが成就するか、総合勢がゴールを落とすか注目のステージとなる。

 

1. スプリントポイント　Route des Mosses
2. スプリントポイント　Route des Mosses
3. 1級山岳　モス峠  13.5km・4.1%
4. スプリントポイント　Ollon
5. 1級山岳　ヴィラール シュル オロン 　10.7km・7.8%

 

スタート前

シュテファン・キュングのコメント

今日は黄色いジャージを守るために全力を尽くす。長い登りでも大丈夫だ。

 

さて、最後の登りで遅れずにゴール出来るか。

 

ワウト・ファンアールトは、最後までポイント賞をキープするとコメント。ただ、このステージの最後の登りは自分には重すぎると。ウィルコ・ケルデルマンをアシストしたいと言っている。

 

山岳賞ジャージはQ36.5 Pro Cycling Teamのニコラス・ズコウスキー。今日もポイント獲得に動くか。

 

レムコ・エヴェネプールのコメント

足の調子が良ければ、今日は順位でのリードをさらに広げたいと思う。マティアス・スケルモースイェンセンは、おそらく今日もっとも手ごわい相手をなりそうだ。彼は、高地で多くの時間を過ごした。

第3ステージスタート時の4賞ジャージは

• 総合　シュテファン・キュング　Groupama – FDJ
• ポイント賞　ワウト・ファンアールト　Jumbo-Visma
• 山岳賞　二コラス・ズコウスキー　Q36.5 Pro Cycling Team
• 新人賞　レムコ・エヴェネプール　Soudal – Quick Step
  

第2ステージの大落車で、Q36.5 Pro Cycling Teamのジャンルーカ・ブランビッラは鎖骨骨折で、ただ一人スタートしない。

 

4人の逃げ

残り141kmから4人の逃げ。

1. リリアン・カルメージャーヌ　Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux
2. ニコラス・ズコウスキー　Q36.5 Pro Cycling Team
3. ポール・ウルスラン　TotalEnergies
4. アレクサンダー・カンプ　Tudor Pro Cycling Team

 

INEOS Grenadiersのコナー・スウィフトはジェルだろうか。チームメイトの分を貰っている。

 

リーダーのシュテファン・キュングは、Soudal – Quick Stepのマウロ・シュミットと楽しそうに話している。同じスイス人同士だ。

 

先頭を走るアレクサンダー・カンプは、ファビアン・カンチェラーラのチーム、Tudor Pro Cycling Teamのスイスチャンピオンだ。

 

TotalEnergiesのポール・ウルスランは、アシストがメインの選手。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでも逃げに乗っていた。

 

ジーノ・マーダーも左肘に包帯をしている。昨日の大落車の犠牲者の一人だ。

 

残り49.6kmでタイム差は2分18秒に。横一列で追い始めた。

 

Soudal – Quick Stepは、ティム・メルリエが引き始めた。今日の仕事だ。

 

先頭はスプリントポイントまでは逃げれそうだ。ゴールは雨らしいが、すでにここも雨が降っている。

 

先頭はすでに1級山岳モス峠に上がり始めている。

 

INEOS Grenadiersのトム・ピドコックは350wで登っている。ツールではエースとなるのか。

 

リリアン・カルメージャーヌは437wで登っている。2017ツール・ド・フランスでもステージ優勝しており、キャリア12勝のベテランライダーだ。

 

サガンは集団の後方で上がっている。昨日のステージでは、5位。

 

スプリントポイント　Route des Mosses

リリアン・カルメージャーヌがトップ通過。

1. リリアン・カルメージャーヌ　Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux　3ポイント
2. ニコラス・ズコウスキー　Q36.5 Pro Cycling Team　2ポイント
3. アレクサンダー・カンプ　Tudor Pro Cycling Team　1ポイント

 

スプリントポイント　Route des Mosses

先頭が続いて、ボーナススプリントを通過。

1. アレクサンダー・カンプ　Tudor Pro Cycling Team　3秒
2. ポール・ウルスラン　TotalEnergies　2秒
3. リリアン・カルメージャーヌ　Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux　1秒

 

1級山岳　モス峠  13.5km・4.1%

ニコラス・ズコウスキーは、山岳ポイントトップが取れないと逃げに乗った意味がなくなる。タイムは1分12秒と縮まってきた。

 

集団はSoudal – Quick Stepのカスパー・アスグリーンが引く。レムコは3番手。

 

Groupama – FDJのスプリンター、アルノー・デマールが集団から切れていく。

 

あ～、サガンもグルペットに入りそうだ。

 

昨日ステージ優勝のビニヤム・ギルマイは、ボトルが取れず。まだ、チームの先頭を引いている。

 

あっと、ポイント前にリリアン・カルメージャーヌがアタック!

 

ニコラス・ズコウスキーは、2位通過に。

1. リリアン・カルメージャーヌ　Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux　12ポイント
2. ニコラス・ズコウスキー　Q36.5 Pro Cycling Team　8ポイント
3. アレクサンダー・カンプ　Tudor Pro Cycling Team　6ポイント
4. ポール・ウルスラン　TotalEnergies　4ポイント
5. マティア・カッタネオ　Soudal – Quick Step　2ポイント

 

15秒差で下りだした先頭だけど、もう集団に追いつかれた。

 

集団最後尾で下るのはBahrain Victoriousのヨハン・プリースパイタースン。Uno-X Pro Cycling Teamからの移籍組だ。雨なので無理のないように下って貰いたい。

 

集団先頭はTrek-Segafredo。

 

猛烈なスピードで下ったグループが少しだけ前に出ている。

 

6kmの下りが終わった。ゴールまで14.2km。

 

残り11.5km。ようやく集団がまとまってくる。

 

スプリントポイント　Ollon

ポイント前でワウト・ファンアールトが前に。

 

そのままトップ通過。

1. ワウト・ファンアールト　Jumbo-Visma　12ポイント
2. マイク・テウニッセン　Intermarché – Circus – Wanty　6ポイント
3. ファビオ・フェリーネ　Astana Qazaqstan Team 　3ポイント

 

ワウト・ファンアールトは、そのまま先頭を走る。

 

1級山岳　ヴィラール シュル オロン 　10.7km・7.8%

最後の1級山岳に。後ろからはビニヤム・ギルマイがきている。スプリンターなのに素晴らしい。

 

ワウト・ファンアールトは、どこまで引くのか。

 

すぐにレムコが前にきた。マッティオ・カッタネオに引かれている。

 

ジェームス・ノックスも前にきた。

 

ワウト・ファンアールトは、集団からドロップ。カメラに気付くとグーサインをしている。

 

マティア・カッタネオ、ジェームス・ノックスとアシストが続く。

 

BORA-hansgroheのセルジオ・イギータは切れている。どうした?

 

レムコの後ろには、INEOS Grenadiersのベン・トゥレット。Trek-Segafredoのマティアス・スケルモースイェンセン。

 

残り6.6kmでジェームス・ノックスがもう限界だ。しきりに、後ろを見ている。

 

レムコがアタック!

 

マティアス・スケルモースイェンセンが反応する。

 

これにはシュテファン・キュングが切れてしまう。

 

後ろは、マティアス・スケルモースイェンセン、フェリックス・ガル。

 

シュテファン・キュングはバイバイと。

 

3人が後続を引き離す。

1. レムコ・エヴェネプール　Soudal – Quick Step
2. フェリックス・ガル　AG2R Citroën Team
3. マティアス・スケルモースイェンセン　Trek-Segafredo

 

レムコが固定で引いている。

 

後続は11秒差で、Bahrain Victoriousのペッリョ・ビルバオ先頭で追っている。

 

ペッリョ・ビルバオが単独で追ってくるか。

 

レムコは後方を確認して更に踏み込む。

 

残り2.9km。タイム差は出ないが10秒もない。レムコが先頭を引いて、引き離せない場合には、最高の状態ではないことが多いが。

 

後方は、フアン・アユソーが引いている。

 

後続が迫った所で、AG2R Citroën Teamのフリックス・ゴールがアタック!

 

これには、二人は反応出来ない。

 

フェリックス・ガルが、二人を引き離す。

 

残り2.4km。今シーズン登りで調子の良いゴールだが、ついに勝利を掴むことが出来るか?

 

後ろから、フアン・アユソーのグループが来ているのみて、マティアス・スケルモースイェンセンがアタック!

 

フェリックス・ガルをマティアス・スケルモースイェンセンが追うパターンに変わった。

 

マティアス・スケルモースイェンセンは、レムコを引き離す。

 

これはマティアス・スケルモースイェンセンが追いつくパターンか。

 

残り1.7kmでレムコが後続に追いつかれる。

 

レムコは、後続にも追いつかれたが先頭を引き続ける。

 

ここには、総合勢が集まっている。最後尾は、BORA-hansgroheのシアン・エイテブルックス。

 

マティアス・スケルモースイェンセンがフェリックス・ガルに追いつくぞ。

 

なんと、レムコが遅れそうだ。

 

マティアス・スケルモースイェンセンが、残り1.1kmで追いついた。

 

あ～、レムコはこのまま遅れてしまうか?

フアン・アユソーは後続から一人で抜け出した。

 

フアン・アユソーはどこまで先頭に迫れるか?

 

マティアス・スケルモースイェンセンが前に出る。後ろからは、フアン・アユソーが抜け出して追ってきている。

 

マティアス・スケルモースイェンセンが仕掛ける。だが、これは決まらず。

 

マティアス・スケルモースイェンセンが、大きく横に振る。前に出す作戦だ。

 

あっと、マティアス・スケルモースイェンセンは、フェリックス・ガルの様子を見てアタック!

 

リードを作りだした。

 

残り300mで大きくリードを奪う。

 

残り150mで最後のカーブへ。

 

マティアス・スケルモースイェンセンは後ろを確認。

 

ガッツポーズをするのかと思ったら。

 

 

直立姿勢で雄たけびだ～!

マティアス・スケルモースイェンセンは、エトワール・ド・ベセージュ第4ステージ、ツール・デ・アルプス第2ステージに続いて今シーズンの3勝目を記録。総合勢を大きく引き離しての勝利はツール・ド・フランスに向けて大きな自信となるだろう。

マティアス・スケルモースイェンセンは、これで総合でもトップに。

 

フェリックス・ガルは、またしてもプロ初勝利ならず。登りで良い走りを見せるのだけど、中々勝利は遠い。

 

UAE Team Emiratesのフアン・アユソーは、かなり改善されている。総合3位に浮上だ。

 

レムコ・エヴェネプールは、最後は力を見せて後続のトップでゴール。しかし、このステージで総合トップになるという夢は、マティアス・スケルモースイェンセンによって破られた。

ステージ前から、警戒していたマティアス・スケルモースイェンセンにやられた感じだ。

 

シュテファン・キュングのジャージを守るという作戦は失敗に終わった。流石に、この1級山岳で生き残るは難しい。総合27位に急落となった。

 

リザルト

マティアス・スケルモースイェンセンのコメント

レムコは非常に速かったが、正直に言うとフェリックス・ガルの方が心配だった。彼はロケットのように飛び立ったので、レムコがゲームをしているのか、それとも限界に達しているのかわからかなった。

特にチームがサービス面で非常にうまくいったので、私は自分に自信を持っていた。周回を始める前は、自分の登坂能力についても多くの疑問符を抱いていた。最も厳しい山岳ステージではなかったかもしれないが、それでも最後の長い登りは続いた。今日以降は疑問符が少し減った。

ワールドツアー初勝利ですね。

この勝利を他の勝利と比較することはできない。

総合優勝もできる?

もちろんリーダージャージを守りたいと思っている。強いチームがたくさんあるが、全力を尽くして頑張ります。最終日までジャージを守りきることができればいいが、その後のタイムトライアルは私次第だ。

 

2位のフェリックス・ガルのコメント

今日のステージは私にとっておそらく最高のものだった。決勝での登りがそれほど長くない、あのようなプロフィールが気に入っている。ここ数週間は非常に良いトレーニングができたので、長い登りでどれだけうまくいくか見ていきたいと思う。

いずれにせよ、今の自分の調子にはとても満足している。タイムトライアルはあまり良くなかったが、この先にはまだ厳しいステージがあり、そこでタイムを取り戻したいと思っている。

 

3位のフアン・アユソーのコメント

ロードのフィーリングは良かった。最後の登りの下りで少し遅れてしまい、最後の1kmの登りで苦戦したが、登りが進むにつれてどんどん良いリズムになった。

僕にとって、登りはもっと長くてもよかったかもしれない。1kmごとに強くなっているのを感じた。私はまだ、私の大きな目標である総合争いに加わっている。

 

第3ステージリザルト

総合

ポイント賞

山岳賞

新人賞