ブエルタ第20ステージは、完全な逃げ切りステージから一転。総合勢の壮絶な最後の戦いの場となった。
その発端となったのは、イネオスのクーデターともいえる猛烈な集団牽引にある。すでに残されたチームメイトが少ない中、全てを捧げてメンバーが引き続け11分のタイム差を縮めていく。
アダム・イェーツとエガン・ベルナルだけになってからも二人で攻撃を続ける。
そして、ベルナルのアタックの後に、カウンターでアダム・イェーツが決定的なアタックを仕掛ける。
この動きで総合の集団は二つに分割。モビスターのミゲルアンヘル・ロペスは取り残されてしまう。残されたメンバーで追うのは、ロペスしかいない。
この後、数々の要因が重なり、ミゲルアンヘル・ロペスはリタイヤしてしまう。その原因となった本当の理由とはなんだろうか?
チームの説得に
Imatges de @villamorforever per a TVE, moment en què Miguel Ángel López pujava al cotxe. #LaVuelta21 pic.twitter.com/GMYWgoVh4i
— Javier Gilabert C. (@tourdegila) September 4, 2021
総合3位にいたライダーが最終日を前日にしてレースを去るというのは前代未聞だ。
ミゲルアンヘル・ロペスは、一旦は遅れたが最後の登りで追いつく可能性は多いにあった。だが、モビスターのサポートカーから信じられない指示が。追うなと言われたのだ。
ロペスはチームカーに足を踏み入れる前に携帯電話で妻と話している姿が目撃されている。
全ての原因について、義父であり、ロペスのコーチであるラファ・アセベド(Rafael Acevedo)が、モビスターと行われた口論についてインタビューに答えているので聞いてみよう。
なぜモビスターは彼に追いかけるのをやめるように言ったのか。ベルナルは表彰台の座を犠牲にしてまで、脅威となる存在だったのか?
あの時のベルナルは、もはや誰にとっても危険な存在ではなく、ロペスがタイムトライヤルでもっと走って、エンリク・マスから2位を奪う方が危険だったのではないかと思う。
だが、まあ、憶測の域を出ないだろう。ミゲルlは娘が泣いているところに電話をかけてきたが、私はフェアではないと思う。反省しなければならないと思う。今後の展開を見ておこう。
モビスターから追いかけるのをやめるように言われたのはどの時点ですか?
娘から聞いた話では、アダム・イェーツがアタックしてロペスが行き、ベルナルがアタックして彼が行く。そして、また、イェーツの反撃が始まる。
ミゲルはベルナルのホイールに乗っていたが、彼は明らかにスピードを落とし、勢いを失い、追いかけようとすると「追いかけるな」と言われてしまう。
モビスターのマネージャーが車でやってきて、ドアを開けて怒鳴り始めた……そのせいで彼のカップはひっくり返ってしまった。
ロペスが復帰できる脚力を持っているなら、なぜそれをしなかったのか、それはリタイヤするよりも良いことではないのか。
彼は明らかにそこに到達するための脚を持っていたと思うが、残念ながらミゲルは正しいホイールに乗っていなかった。
上司から「やるな」と言われ、彼は反応し、口論の後に去った。表彰台に立たせたくないのなら、レースには出ないと言っていた。
数日前にミゲルがチームと2年間の契約を更新しましたが、何が起こると思いますか?
ツールの10日前になって、彼は2年間の契約を更新した。少し激しい状況ですが、良い結果になることを願っている。
双方に大きな責任がある。何が起こるかわからないから、私が言うのもなんだけど。娘と話したことはわかっている。チームからもミゲルからもすぐに声明が出るだろう。
昨年も最終日にツールの表彰台を逃したが、今回は自分の脚のせいではなく、おそらくチームの戦術的な決断によるものだ。
ミゲルアンヘル・ロペスは、すでに反省の言葉を口にしている。
チームメートに謝罪したい。私たちは縮小されたグループであり、ブエルタに残っているのは5人だけで、そのうち3人だけがチームの任務に集中しており、彼らは私たちのために心を尽くし、100パーセントを与えている。
大変な状況だったが、結局そのようになった。ほとんど負けた戦いをやめることにした。今はファン、スポンサー、ブエルタの主催者に言いたい。ごめんなさい。
ブエルタの表彰台を目標にしていたのに、それをチームの戦略によって妨げられたのならば、納得いかないのは当然だろう。
チームが母国のライダーを勝たせたいという思惑があったのならば、もっと問題だと思う。それにしても残念な結果だ。
コメント