ツール・ド・フランス第20ステージの個人タイムトライヤルで、トム・デュムランはバイク交換もすることなくゴールまで走り切った。
第1計測ポイントから1位を記録しており、その走りは圧巻だっと言っても良い。
総合順位もプリモシュ・ログリッチをアシストしながら7位まで押し上げることが出来たことは素晴らしい。
止まる気持ちが強かった
トム・デュムランは個人TTで素晴らしいタイムトライヤルを披露し、ツールでは7位でフニッシュした。
ゴール後のインタビューで、「続けるより止めるほうが近かった。」と語る。
デュムランは、苦しい時期を過ごした。全ては2019ジロ・デ・イタリアでの落車で膝を負傷したことから始まる。
クリテリウム・デュ・ドーフィネの個人TTで3位という好走を見せながら第7ステージをスタートすることなくリタイヤ。
その後、レースを走ることはなかった。Sunwebとの話し合いは難航し、ユンボ・ヴィズマに移籍した後も辞めることを考え続けたと言う。
膝を痛めてからは本当に大変な思いをした。そして、春になって腸の調子が悪くなり、コロナウイルスが出てきた。
続けることよりも、止めることの方が私には近かったと断言できる。その気持ちが強かったですね、はい。
腸の不調とは、腸内寄生虫のこと。
これにより復帰レースであるボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(2月5日)の出場を辞退している。
結局、春先はレースに復帰も出来ず、コロナによりレース活動は出来なくなる。この時に本当に引退を意識したようだ。
人間悪いことが続くと弱気になるのも仕方ない。
5月からまた糸を拾っていた。サイクリングが大好きで、ツールのために働き始めた。
準備をしているうちにどんどん良くなっていきたが、今日まではバイクに乗るのが快感ではなかった。求めている感覚ではないが、それでも、7位で終わったことは誇りに思う。
土曜日に優勝のために参加できるとは、4月に言われていたら本当に信じられなかったよ。
トム・デュムランのツールでの役割は共同リーダーだったが、自らの判断でプリモシュ・ログリッチのアシストに回る。
それでも、7位となれたのは力が戻っている証拠だろう。
世界選手権への思い
個人TTでは世界選手権のことを意識して走っていた。それでもタデイ・ポガチャルに1分21秒の差をつけられて驚いている。
デュムランは自分のパフォーマンスに満足しているが、それでもポガチャルの走りは驚異的だと言う。
1%は勝てるかもしれないが、5%ではない。
今のパフォーマンスでは、そのレベルに到達することはないと思っているほどだ。
デュムランは自宅で2日間休養する。23日にイタリアに遠征して世界選手権に臨む。
TTの予約が入っている。だけど、自分の気持ち次第だね。かなりの量になってしまったし、今年のことを自問自答して、それを来シーズンに持ち越したくない。そんなことをしても意味がない。
今回のツールをどう乗り切ったのか、コーチのクース・モエレンハウトと意見が一致している。これから2日間は休むことにする。そして、イモラでまた会うことになるでしょう。
デュムランは現在TTとロードにエントリーしている。
タデイ・ポガチャルはロードのみだ。今回のTTのコースは31.2km。わりと短距離だ。
タイムトライヤルのライバルを多い。2017年の世界TTチャンピオンはどんな走りを見せてくれるだろうか?
復活したトム・デュムランの走りに期待したい。
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