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3年間の空白を克服した元Team SKYライダーがツアー・オブ・ブリテンで完全復帰

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Myriams-FotosによるPixabayからの画像
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2021ツアー・オブ・ブリテンでは、ワウト・ファンアールトが最終ステージで逆転優勝。

この英国のステージレースでは、元Team SKYライダーである、アレックス・ピーターズが復帰している。

彼は、神経衰弱によりTeam SKYを止めてから3年間走れない日々が続いていた。メンタルヘルスとの闘いは記録されており、少数のジャーナリストに人として何を経験したのかを話している。

 

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失われた4年の歳月

 

元チームスカイのライダー、アレックス・ピーターズ(Alex Peters)は2015年8月1日テイオ・ゲイガンハートと共にテスト生としてチームスカイと契約。

2016年、チームスカイの正式な一員となったアレックス・ピーターズはシーズン34レースを走った。

アレックス・ピーターズは、2016年シーズンの注目すべき新人10人の中にも入っていたほど期待されていた。

英国選手権12位。ジャパンカップでは6位と言う成績を収めている。

だが、アレックスは、チームと明確なコミュニケーションをとることができなかったと感じていた。自分でも認めているが彼は少し神経質な面もある。

そして、心の中では即座にインパクトを与えるという不当なプレッシャーにさらされていたという。

チームスカイと2年契約を結んでいたが、2016年1月にSEG Racing Academyに戻る発表をチームは行った。契約解除だ。

2017年から、2020年までUCI公認のレース結果は全くない。2年間は全く自転車に乗れなかった。

自分自身を疑い、勝ちたい、勝たなければならないという感情から、自分に何が起こっているのか、何故自分が少し不規則に振舞っているのかを知る為に数人の精神科を訪れたという。

故障も重なり、トレーニングできなくなったアレックスは、完全に停止した。基本的なことが出来なくなり、病院で数か月を過ごし、完全に現実との接触を失ってしまう。

 

しかし、サイクリングが奪われた時、自分に取って何が残るのか?

自分は何が全てなのか?

自分の情熱は何なのか? 

何をしたいのか?

アレックスの考えは完全に一周し、スボーツに再び焦点を合わせることになる。彼の復帰には家族の支えも大きかった。

私の家族は信じられないほど素晴らしかった。彼らからのサポートは素晴らしく、サイクリングへの復帰を完全に後押ししてくれた。

彼らはスポーツが私の回復の一部であると信じており、そのように考えて支えてくれた。

うつ病などの精神的な問題に、サイクリングはとても役立つことは証明されている。

 

2020年に戻る

 

英国のコンチネタルチームCanyon dhb p/b Soreenのマネージャーであるティム・エルバーソンと会い、フリートのチーム本社で5時間の会話をした後、プロの自転車レースに戻る時がきたと判断した。

ティム・エルバーソンはとても熱心で、彼をチームに向かえてくれた。

少しずつ、自転車によって精神的に立ち直ったアレックス・ピーターズは2020年にCanyon dhb p/b Soreenと契約を結ぶことに。

3年間乗っていなかったアレックス・ピーターズは、持久力が大きく落ちており取り戻すのに時間がかかった。

だが、そこは元ワールドツアーのプロライダーだ。UCI公認レースに戻ってきたのは2021年になってから。

ボルタ・ア・ポルトガルツアーで復帰。第5ステージでは11位に入る。そして、ツアー・オブ・ブリテン第2ステージでは3位に入る好走を見せ、総合21位で終えることが出来た。

ピータースは、数年前には自分がこのスポーツに復帰するとは思っていなかったことをあっさりと認めたが、今年の彼の成績は励みになっている。

結果はスポーツの重要な要素ではあるが、ピータースの復帰はそれだけで大きな成功と言えるだろう。

復帰したことについて聞かれたピーターズは

そのことについては全く考えていなかった。かなり悪い状態だったので、スポーツに復帰するとはまったく思っていなかった。復帰できたことを嬉しく思っている。

自分が楽しんで、適切な人たちから全般的なサポートを受けていれば、もっと先に進むことができると思う。

 

記者との短いインタビューの最後に、ピータースは「最近の成功は何だと思うか」と聞かれた。

幸せ。これに尽きる。僕はレースの最先端にいることが好きだから、おそらく結果もそこから来るんだろうね。

それが私を幸せにしてくれる。第2ステージでは、チームメイトのウィルが逃げに乗るのを見るように。彼は本当にそれに値した。私もそこから多くの喜びを得ている。

 

2年乗っていなかった時に、運動が気分を良くする方法であることに気づいたことが大きかった。身体を動かすことは、塞いでいる心もほぐしてくれる。

4年という歳月がかかったが、メンタルヘルスを克服したことは大きい。スタートラインに並ぶだけでも成功だ。

 

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