電動自転車の普及に伴って、自転車のスピードは上がっている。
当然、事故をした場合にもスピードが上がればケガも大きくなることは予想される。ヘルメットの規格についても、議論されて当然だ。
これについて、GIROのブランド開発マネージャーEric Richter(以下エリック)が述べているので聞いてみよう。
車との衝撃について
エリックは、「ヘルメットについては多くの誤解がある」と述べ、自動車との衝突時には、ユーザーを保護するために特別に作られた自転車用ヘルメットを設計することはできないと述べている。
ヘルメットの開発において、自動車との衝突時の怪我を予測するのは容易ではない。
条件として
- 車の速度、質量、衝撃の角度
- ライダー、路面、ライダーの速度
- ドライバーやライダーが衝撃を受ける前に少しハンドルを切ったか
- インパクト前のブレーキ
など変数が多すぎて計算できないというのだ。
これらの変数やその他の要素は、すべてのケースで固有のものであり、何が起こるのか、どのような力がかかるのかを正確に予測することが出来ない。
つまり、車との接触事故で直接頭にかかる力をヘルメットでカバーしようと設計している訳ではないということだ。
車との接触を減らす
車との関係では、車との接触を減らす努力をしていると言う。
ライダーをより目立たせ、適切なカバレッジを提供するヘルメットを作成して、ライダーが乗るたびに着用できるようにすること。
ヘルメットを作成しても、着用しなければ意味がない。ただ、これについてはユーザーの個々の問題となるので難しい面もある。
ただ、車と直接ぶつかったらスピードにもよるが、自転車ヘルメットは衝撃に耐えれるように設計されていないことを理解しておかなければならない。
ヘルメットは進化している
落車した場合の、脳に与える損傷についても研究は進んでおり、ヘルメットのテスト項目も増えている。
脳へのエネルギーが少ないほど、より良い保護になる。一方で、様々なタイプの頭部外傷や脳外傷に対する理解や強調事項は今後も進化していく。
複数の衝撃による影響は、状況により様々であり全てをカバーすることは出来ない。
だから、エネルギーを減らすことに主眼を置くことで、理論的にはすべてのインパクトですべてのライダーに利益をもたらすような方法で前進し続けていくことになる。
ここ数年、回転力への対応をより重視するようになったことが、ヘルメットの設計、技術、エンジニアリング、試験に大きな影響を与えている。
したがって、回転運動が脳に与える影響を理解し、過去5~10年の間に球形技術やMIPS脳保護システムのような技術をヘルメットに統合して回転力の低減に取り組んできている。
ヘルメットも進化しているけれど、直接的に車との接触事故のないように気を付けるしか方法はないかも。ドライバーとライダーの双方が注意すること。
特に夜間などには、ヘルメットが光る物を着用するのも良い手段となるはずだ。
自転車専用道の整備が進んで、車と交わることがなければ問題は解決するのでしょうけど。中々現状では進んでいないのが残念なところですね。
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