BMCが統合(インテグレーション)哲学をロードバイクの領域で極限まで高めた新作コックピットを発表した。
それが、ICS(Integrated Cockpit System)シリーズの頂点に立つCockpit ICS Carbon Aero Mpcだ。
マスターピース(傑作)の名を持つこのコックピットは、エアロロードバイクの最高峰を目指すライダーのために設計された。
Cockpit ICS Carbon Aero Mpc
Cockpit ICS Carbon Aero Mpcの最大の特徴は、独自のAeroSynthesysデザイン哲学に基づいて設計されている点。
コックピットがバイクと風の最初の接点となり、空気の流れを整える。この統合されたデザインにより、ライダーに到達する前の空気の流れを最適化し、測定可能なドラッグ(空気抵抗)の削減を実現するという。
ケーブルやホースを完全に内装することで、表面の乱れを最小限に抑え、クリーンなエアロプロファイルを維持している。
2倍の剛性
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BMCは、このコックピットについて驚くべき剛性データを提示している。
剛性重視の設計となっており、一般的な非エアロコックピットと比較して約80g重いとしながらも、そのトレードオフとして剛性は2倍に向上していると説明している。
これは、スプリント効率への貢献をあらわしている。この桁外れの剛性は、スプリントやダンシング時のパワー伝達において、ハンドルの「しなり」を最小限に抑え、ライダーの力がダイレクトに推進力に変わることを意味する。
UCIの最低重量規定をクリアできるトップレベルのバイクにとって、剛性の向上こそが勝利に直結する価値となるとBMCは考える。
レースに特化した緻密なエルゴノミクス設計で、操作性と快適性にも配慮。 ハンドルは、フレア設計となっており、ブラケット部(370mm)からドロップ部(420mm)にかけて12度のフレア(広がり)が設けられている。
これにより、ドロップを握った際のレバー操作や手首のクリアランスが改善され、特に下りやコーナリングでのコントロール性が向上する。
GarminやWahooに対応した一体型コンピューターマウントが付属し、GoProスタイルのアクセサリーインターフェースも搭載。空力性能を損なうことなく、機器の装着が可能となるように考慮されている。
ICS2 Carbon Aero MPC:主要スペック
| 製品名 | ICS2 Carbon Aero MPC |
| 価格 | $1,250(約19万円) |
| 用途 | エアロロードバイク |
| 剛性 | 非エアロ設計と比較して約2倍 |
| ステム長 | 90, 100, 110, 120 mm |
| ハンドル幅 | 370 mm (ブラケット部) / 420 mm (ドロップ部) |
| フレア | 12度 |
| 特徴 | ケーブル完全内装、一体型Garmin/Wahooマウント |
| 重量 マウントなし | 395g |
CS2 Carbon Aero MPCは、Teammachine R MPCなどのBMCのハイエンドエアロフレーム向けに設計されており、フィッティング、ポジション、レース当日のセットアップにすでにこだわり抜いているライダーをターゲットにしている。
BMC製品なので、Tudor Pro Cycling Teamが来シーズン使うことになるのだろうか。注目してみておきたい。


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