ツール・ド・フランスの121年の歴史の中で、アフリカ系ライダーがポイント賞ジャージ、マイヨベールを獲得したことは一度もない。
ビニヤム・ギルマイは、歴史を刻んだのだ。
グリーンジャージ、マイヨベール獲得
💚 A true legend 💚
With 3️⃣ incredible stage wins and the green jersey at this year’s @LeTour, @GrmayeBiniam made history for cycling and his home country of Eritrea 🇪🇷
Cheers to many more victories to come 💪#TDF2024 pic.twitter.com/66oUOGXR3y
— UCI (@UCI_cycling) July 22, 2024
終わってみれば、ビニヤム・ギルマイがステージ3勝、Alpecin-Deceuninckがジャスパー・フィリップセンもステージ3勝。
二人のポイント差は、わずか33ポイントだった。ビニヤム・ギルマイは第3ステージで優勝してから、一度もグリーンジャージを手放さなかった。
これはIntermarché – Wantyのチームのアシストがあればこそだ。
ビニヤム・ギルマイのコメント
言葉がない。このツール・ド・フランスに来たのは、グリーンジャージを勝ち取るという野望のためではなく、単に自分の能力を示すためでした。成功したと言ってもいいでしょう。
このツール・ド・フランスをグリーンジャージで終えるのを助けてくれたすべての人に感謝しています。目が覚めたとき、この忘れられない日を神に感謝しました。感無量です。
このツールでの私の冒険は、私たちエリトリア人とアフリカ人にとって、自転車競技の歴史に新たな章を開くものとなる。
私たちは長い間自転車競技を続けてきましたが、ステージ優勝とグリーンジャージが今や可能になりました。特別なことだ。
同胞、私を支えてくれたすべての人、家族、チーム、スポンサー、沿道やスクリーンの向こうのサポーターに感謝したいと思います。ありがとう。
2028年まで契約延長
Biniam Girmay extends with Intermarché-Wanty until 2028 🥰💚
“Intermarché-Wanty is like a family to me, the perfect team to achieve my goals. In all circumstances, the team supported and trusted me, even during the most difficult times. Extending the adventure for two more years… pic.twitter.com/lPtfnCWChD
— Intermarché-Wanty (@IntermarcheW) July 22, 2024
ジュニア時代には、レムコ・エヴェネプールをスプリントで破っていたビニヤム・ギルマイ。
ビニヤム・ギルマイは、2020年NIPPO DELKO One Provenceでプロデビュー。2021年DELKOの解散に伴い8月6日にIntermarché – Wanty – Gobert Matériauxに移籍。
2021 Classic Grand Besançon Doubs (1.1)で優勝。そして、2021世界選手権U23で2位となる。
一躍注目されたのが、2022ヘント〜ウェヴェルヘムでの勝利。クリストフ・ラポルト(Jumbo-Visma)とドリスファン・ゲステル(TotalEnergies)を下しての勝利は驚きを持って迎えられた。
さらに、2022ジロ・デ・イタリア第10ステージで、マチュー・ファンデルプールを追い抜きジロ初勝利をあげている。
まあ、その後がいけなかったですね。表彰式でコルクの栓が目に当たってリタイヤとは。
この後、各レースではコルクの栓はあらかじめ抜かれることが多くなったけど、まだ選手に開けさせているレースも多いので事故がないといいのだけど。
ビニヤム・ギルマイは、2023年シーズンも4レース目のボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナで初勝利。
ただ、ロンド・ファン・フラーンデレンでの落車で脳震盪をおってしまい、レースから遠ざかっていた。
2か月ほど治療に要したが、2023 ツール・ド・スイス第2ステージで復活の勝利を上げた。
2024年は、Surf Coast Classic (1.1)で初勝利。2024 ジロ・デ・イタリアを第4ステージでリタイヤ。
ベルギーの石畳を含んだワンデーレース。2024 サーキット・フランコ・ベルジュで今シーズンの2勝目。
ただ、正直ツール・ド・フランスでここまで勝つとは誰も想像できていなかったのでは。登りスプリントなどに強いのはわかっていたけれど、平坦でも強くなっているのは凄い進化だ。
エリトリア人で初めてツール・ド・フランスに出場したのは、2015年にMTN – Qhubekaから、ダニエル・テクレハイマノと、現在EF Education-EasyPostに所属するメルハウィ・クドゥスだと思うが、勝利したエリトリア人はいなかった。
エリトリアは英国植民地時代に自転車レースが導入され、国民の人気は非常に高い。ただ、ビニヤム・ギルマイに続くライダーがすぐに出てくるかというとそれは難しい。
自転車が国技とさえ言われているけれど、ジュニアの環境整備などは遅れている。ビニヤム・ギルマイの活躍で変わってくることを期待したい。
ビニヤム・ギルマイのコメント
Intermarché – Wantyは私にとって家族のような存在で、目標を達成するための完璧なチームです。どんな状況でも、チームは私をサポートし、最も困難な時期でさえも信頼してくれた。
冒険をあと2年延長するのは当然の選択だ。まだまだ一緒に大きなことを成し遂げられると確信しているし、すでにオリンピックから始まる次の目標を見据えている!
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