最高のアルミロードバイクは、総合的なパフォーマンスと価値において、同価格帯のカーボンバイクに匹敵し、場合によってはそれを凌駕するほど、かつてないほど優れている。
1990年代半ばから2000年代前半までの約10年間は、アルミニウムが選ばれていた。
1995年、ミゲル・インドゥラインがアルミニウム製のピナレロに乗ってツール・ド・フランスを制したのが最初だった。
だが、そのわずか4年後の、1999年にランス・アームストロングがカーボンのTREK OCLV マドンでツール・ド・フランスを制覇。アルミニウムはそれ以降、ブランドのエントリーレベルのマシンに使われることが多くなった。
アルミニウムは、新しい製造方法によって、レースで勝つためのバイクとして現実的な選択肢となり、復活を遂げつつある。アルミバイクは、剛性が高く、軽快で、軽量だ。
アルミニウムはしばしば「合金」と呼ばれるが、これは厳密に言えば非常に曖昧な表現で、金属フレームのバイクはすべてある種の合金から作られている。
Trek Émonda ALR 6
TREKは、カムテイルエアロ チューブを備えた新しいフレーム、改良されたジオメトリ、完全に統合されたケーブルを備えた、Émonda ALR アルミニウムロードバイクの更新版をリリースしている。
すでに、こちらでも紹介しているが、その時にはフレーム重量などはわからなかった。海外サイトの情報では4月7日にÉmonda ALR6が発表されている。
Émonda ALRの特徴の一つはアルミフレームに見えないことにある。
特に、ヘッドチューブとシートチューブの接合部はほとんどカーボンのように見える。本当に溶接されているのだろかと思うほどだ。
これはTrekがインビジブル・ウェルドテクノロジー(Invisible Weld)と呼ぶ溶接技術で、より少ない材料で高い強度を保つように接合されているからだ。
ホイールはチューブレス対応で、Émonda ALR には、標準のインナー チューブと、チューブレス非対応のタイヤとリムストリップが付属している。フレームとフォークの最大タイヤサイズは28mm。
フレームの重量は1,257g (サイズ不明)、フォークの重量は406gとなっている。
新型のÉmonda ALR6は、ドニスターブラック1色のみ。
- フレーム: Invisible Weld テクノロジーを採用した 300シリーズ Alpha アルミニウム、フラット マウント ディスク、142 x 12mm スルー アクスル
- フォーク: Émonda ALR フルカーボンテーパーステアラー、フラットマウントディスク、12 x 100mm スルーアクスル
- ホイール: Bontrager Paradigm Comp
- タイヤ:Bontrager R2 Hard-Case Lite 700x28mm
- クランク:シマノ 105 R7100、50/34、172.5mm
- チェーン:Shimano SLX M7100 12スピード
- カセット: Shimano 105 R7100、11-34 12 スピード
- ブレーキ: Shimano 105 油圧式フラット マウント ディスク
- ボトムブラケット: T47 スレッド
- ハンドルバー: ボントレガー エリート VR-C アロイ 31.8mm 42cm 幅
- ステム: Bontrager RCS Pro -7 度 100mm 長さ
- シートポスト: Bontrager Comp アロイ 27.2mm 8mm オフセット
- サドル: Bontrager Verse Comp 145mm
- 重量:8.8kg
- 価格: £3,150(約50万円)
Specialized Allez Sprint Comp Disc
Specialized Allezは、スチール、カーボンファイバー、アルミニウムの3種類の素材から構成されている。
AllezはSpecializedのエントリーレベルの万能ロードバイクであり、Sprintはブランドのアルミニウム構造技術を示すために作られたハードコアレーサーで、カーボンに代わる真の選択肢を提供するものとなる。
Allez Sprintは、アルミニウムフレームとしては非常に立体的で、SmartWeldテクノロジーを採用し、エアロテスト済みのフレームは、事実上スペシャライズドTarmac SL7の金属版と言える。
実際、ジオメトリーを含む多くの機能がTarmacと同じで、公式サイトでも世界初のアルミ製スーパーバイクと説明されている。
- フレーム: Specialized E5 Premium Aluminum Disc frame
- ホイール: DT Swiss R470
- タイヤ:Turbo Pro
- クランク:Shimano 105 R7000, HollowTech 2, 11-speed
- チェーン:KMC X11 Extra Lightweight, 11-speed
- カセット: Shimano 105, 11-speed, 11-28t
- ブレーキ: Shimano 105, Hydraulic disc
- ボトムブラケット: Shimano Threaded BSA BB
- ハンドルバー: Specialized Shallow Drop, 6061, 70x125mm, 31.8mm clamp
- ステム: Specialized, 3D-forged alloy, 4-bolt, 7-degree rise
- シートポスト: 2021 S-Works Tarmac Carbon seat post
- サドル: Body Geometry Power Sport
- 価格:352,000円
Cannondale CAAD13Disc 105
Cannondaleは、90年代にCAADフレームで有名になり、CAAD13は、アルミロードの傑作品といわれる。
見た目も美しく、多くのカーボン製ライバルよりも軽量で、極細のチューブは想像をはるかに超える滑らかな乗り心地を実現している。
ディスクブレーキを搭載したCAAD13は、Shimano105を搭載。
最新のCAAD13は、シートステーを落として快適性を高め、30mm幅までのファットタイヤに対応するクリアランスを確保しながらも、軽量でレーシーな走りを実現している。
プロコンパクトクランクセット、アグレッシブなジオメトリーとの組み合わせで、CAAD13はアルミニウムがカーボンに勝るとも劣らない存在であることを証明している。
- フレーム: SmartForm C1 Premium Alloy
- フォーク : CAAD13 Full Carbon
- ホイール: DT Swiss R470
- タイヤ:Vittoria Rubino Pro Bright Black, 700x25c
- クランク:Cannondale 1, BB30a, 52/36
- チェーン:Shimano HG601, 11-speed
- ハンドルバー: Cannondale 3, 6061 Alloy, Compact
- ステム: Cannondale 3, 6061 Alloy, 31.8, 7°
- シートポスト: HollowGram 27 KNØT, Alloy, 2 bolt clamp, 330mm
- サドル: Fizik Aliante Delta, S-alloy rails
- 価格:145,000 – 290,000円
Canyon Endurace 7
CanyonのエントリーモデルであるEnduraceは、素晴らしいパッケージであり、スペックにギャップがなく、優れたオールラウンド性能を備えている。
105搭載モデルは通常、かつてのように安くはないが、同じく優れたCanyon Endurace CFよりもコストを節約できる非常に魅力的なオプションであることに変わりはない。
2016年以来のバージョンアップでは、タイヤクリアランスが35mmに拡大している。これは最近のタイヤ幅の増加に対応したもの。
- フレーム: Canyon EnduraceALディスク
- フォーク:キャニオンワンワンフォーCFSLディスク
- ブレーキ: Shimano Tiagra Hydraulic
- ホイール:フルクラムレーシング900 DB
- タイヤ: Schwalbe One 30 / 32mm
- チェーンセット: Shimano Tiagra R4700
- ギアリング: 11-34 – 50/34
- ステム:キャニオンV13
- ハンドルバー:キャニオンH17
- サドル: Selle Italia Model X
- シートポスト: Iridium One AL
- 色:Stealth、True Blue、Cold Cactus
- 重量: 9.2kg
- 価格 : 179,000円
Canyonはダイレクト販売のみで、リードタイムが長いが、バイクはその分安価で提供されている。
アルミフレームバイクのメリット
アルミフレームのメリットは、価格に対する性能。
最高のアルミニウムバイクは、パフォーマンス、剛性の点で、スチール、チタン、カーボンモデルよりも優れていることも多い。そのため、レースをしても問題はない。
Specialized Allez Sprint Comp Discのように2年連続してシュアルベ・クラシックレースでBORA-hansgroheのライダーが使用しても何の問題もないことを見ても良くわかる。
自転車のフレームに使用される最も一般的な2つのタイプのアルミニウムは、6061と7005となる。違いを決めるのはアルミニウムの含有量。
簡単に書くと6000番台は安価なフレームに使用され、7000番台は高価なフレームに使用されるが、7000番台で耐久性を出そうとするのが難しく、高価となり重量も増してしまうので各ブランド共、工夫を凝らしている。
価格自体については、スチール、チタン、カーボンと比較して、アルミニウムははるかに安価で入手しやすく、大量生産が容易。
最高のアルミフレームは、快適性のために垂直方向のフレックスを作り、ドロップシートステー、フレキシブルシートポストを採用している。
多くのロードバイクは28mmタイヤを標準装備しており、さらに幅広のタイヤにも対応できるようになっている。
アルミフレームバイクは、これからも進化を取り入れつつ、選択肢の一つとして存在していくことになる。
コメント
初めまして。
2点指摘さしてもらいます。
まず「アルミニウムはそれ以降、ブランドのエントリーレベルのマシンに使われなくなることが多くなった。」と書かれてますが使われなくなることが多くなったなら使われない事が多いという意味になるのと違いますか?
次にランスがツール初制覇したのは1999年なので4年後になると思うのですが。
アルミニウムはそれ以降、ブランドのエントリーレベルのマシンに使われることが多くなった。に訂正しました。申し訳ありません。また、教えて下さい<(_ _)>