最近は、ディスクブレーキ用のホイールしか新製品が出なくなってきたが、DT Swissはリムブレーキ派のために新たなARC 1100 DICUTリムブレーキホイールを発表した。
自転車業界は、ブレーキ面を組み込む必要のないディスクブレーキとホイール設計にシフトしている。
だが、DT Swissは実際には多くのロードバイクにリムブレーキが搭載されていることを示している。
実際に変更されたのは、DT AeroliteIIおよびAeroCompIIスポーク。変更には、Ratchet EXP 180および240ハブへの移行も含まれ、0.5wのわずかな抗力の削減につながっている。
ARC 1100 DICUT
DT Swissは、複数のサイクリングブランドやF1と協力している空力スペシャリストのSwiss Sideと協力して、ホイールデザインを洗練し、抵抗を最小限に抑えている。
Swiss Sideは、抗力を最小限に抑え、空気の安定性を向上させるための新しいリム形状の開発を支援している。
フック付きリム構造により、幅広いタイヤの選択が可能で、ホイールはリムの深さ48mm、62mm、80mmで利用可能となっている。
スボークの変更
スポークは、ARCディスクホイールで使用されている、Aerolite IIおよびAero Comp IIスポーク形状を採用。
Aerolite IIは、より洗練されたスポーク形状により、風をよりよくカットするために、元のスポークよりも最大28%薄く、39%広くなっている。
これらのスポークはARC 1100 DICUTフロントホイールとリアホイールの非ドライブ側で使用される。
2つ目は、Aero Comp II。これらは、高い横方向の剛性が得られるように設計されており、古いAero Compに比べてより広く、より薄いエアロ断面を備えている。
これらは、ARC 1100 DICUTリアホイールのドライブ側に使用される。
リム形状については、U字型カーボンリムプロファイルを使用。ブレーキ面が必要なのでリム形状については変更の余地がない。
フルカーボンフックのチューブレス対応ビートがついている。
DT Swissはは新しい62mmのフロントホイールを風洞実験して、2018年モデルとどのように異なるかを確認している。
Dt Swissは、ほぼすべてのヨー角にわたって、45km/hで0.5ワットの限界加重ゲインに相当する効果が測定されたと述べている。
これは、与えられた同一のリム形状の下で、新しいスポークとハブの設計が、同じリム高さの以前のリムブレーキモデルと比較して、新しいARCリムブレーキホイールの空力性能にプラスの影響を与えることを示している。
ヨー角とは
ヨー角(yaw angle)はBの角度のことで、黒線と緑線の間の角度のことをいう。
ハブはRatchet EXP 180に変更
新しいホイールは、内部にセラミックハブを備えた180モデルと、スチールベラアリングの240モデルを採用。
今年の初め、DT Swissは、ラチェットEXP設計の問題を公表。ユーザーがラチェットリングの摩耗が予想よりも早く、ドライブラチェットがかみ合わなかったという結果が報告されていた。ただし、これは修正されている。
6種類のホイール
リムとハブの違いにより、2つの価格帯で販売される。
ARC 1100 DICUT RB
赤いラベルがついている。
- 内部リム幅 : 17mm
- ハブ : 180 DICUT、36TラチェットEXP、SINCセラミックベアリング
- スボーク : T Aerolite IIおよびDT Aero Comp II
- 重量 : 80:1,699g; 62:1,589g; 48:1,519g
- 価格 : 2,389ユーロ(約31万円)
ARC 1400 DICUT RB
こちらはグレーのラベル。
- 内部リム幅 : 17mm
- ハブ : 240 DICUT、36TラチェットEXP、スチールセラミックベアリング
- スボーク : DT Aero Comp
- 重量 : 80:1,738g; 62:1,630g; 48:1,573g
- 価格 : 1,975ユーロ(約25万8千円)
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