2022ストラーデビアンケで、アレハンドロ・バルベルデはタイヤ圧55psiで2位に入っている。
55psiといえば、3.8bar程度で、かなり空気圧は低いと思われる。
だが、アレハンドロ・バルベルデは、引退する前の最後のストラーデビアンケで最高の成績をおさめた。
Zippのフックレス&チューブレス353NSWをフロント53.7psi、リア454NSWをリア55psiで使用してそれを達成したのである。
Zipp 353NSWと454NSWを使用
Lo que siempre ha sido y es @alejanvalverde, más todavía en estos últimos años. 👇👀
Se gane o se pierda, un abrazo, la admiración y cariño del rival, y hasta la siguiente carrera. 😊#LaÚltimaBala | #RodamosJuntos | #StradeBianche pic.twitter.com/UxIXk8otTq
— Movistar Team (@Movistar_Team) March 5, 2022
41歳のアレハンドロ・バルベルデは、2000年初頭からレースに出ている。
バルベルデがチューブレスを使用するというのも不思議な感じがする。プロはこだわりの多い人が多いから。
Zippの親ブランドであるSRAMのサイトでバルベルデが使用したホイールとタイヤの組み合わせが公開されている。
- 353NSWチューブレス
- 28mmタイヤ
- 53.6 psi/3.7 bar
- 454NSWチューブレス
- 28mmタイヤ
- 55 psi / 3.8 bar
この組み合わせで、バルベルデは「グラベルでは快適で滑りやすく、ターマックでは速かった」と語っている。
当然、何度もホイールと空気圧を試して実際のレースで使用したのは間違いない。
ZIPP 353 NSWは2021年4月に発売されており、フックレスリムと、25mmの広い内部リム幅で、チューブレスタイヤにのみ対応している。
後輪はZIPP 454NSWチューブレス。こちらは2021年6月に発売。
バルベルデは28mmのコンチネンタルGP5000 TLを使用。
チューブレスは、今回のストラーデ・ビアンケでもタデイ・ポガチャル、3位のカスパー・アスグリーン、世界王者のジュリアン・アラフィリップも使用した。
結局、表彰台を独占したのはチューブレスタイヤだったことになる。
時代は変わるのか
しかし、正直なところ、バルベルデのようなライダーがチューブレス技術を採用したことは、大きな意味があることだ。
バルベルデがキャリアをスタートさせた2002年頃と言えば
- 機械式ギアにリムブレーキ
- 箱型断面のホイールに23mm径のタイヤ
- 空気圧は120psi
ウェットコンディションでも、この組み合わせで走っていたはずだ。
実際、バルベルデと彼の所属するMovistar Teamは、つい最近までこのようなオールドなテクノロジーへのアプローチが存在していた。
2017ツール・ド・フランス。ドイツのデュッセルドルフで行われた初日のタイムトライアルで、バルベルデが起こした恐怖のクラッシュを覚えているだろうか。
土砂降りの雨の中で落車し、足を骨折している。
これは、バルベルデが雨のコンディションにも関わらず100psi以上のタイヤ圧で走ったことが原因だと思われる。
それから5年が経ち、バルベルデは彼のキャリア初期に比べ、タイヤ圧を半分程度にして走っている。
時代はかわりつつあるのは間違いない。
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