エアロベースレイヤーは、主に個人タイムトライヤルなどでジャージの下に着て利用されていた。
これは、UCIが2019年に空力学的に有利になるような加工をしてはならないというルールを作成したからだ。
そのためスキンスーツに1mm以上の突起であるボルテックスジェネレーターを作ってはいけないことになっている。
物体表面に突起を配置することで、その後ろ側に意図的に乱流(=渦流)を発生させ、空気抵抗を小さくするための装置のこと。飛行機の翼やレーシングカー・新幹線などにも装備されている機能。
渦流生成器(かりゅうせいせいき)とも呼ばれている。
下の写真では、袖の部分の突起物のこと。
タデイ・ポガチャルは、これを回避するためにエアロベースレイヤーを使用している。
Rule 28 Aero Base Layer
両袖からチラッと見えているのが、Rule 28のAero Base Layerだ。
このベースレイヤーは、Rule 28のネオ・スーツと並行して使用することで、袖にテクスチャーのないファブリックを使用したスキンスーツの空気抵抗を大幅に低減することができる。
シルバーストーン・スポーツ・エンジニアリング・ハブで開発されたこのベースレイヤーは、腕の上を流れる空気の境界層を移動させるマクロなサブサーフェス構造を作り出す。
そのため、従来のテクスチャーファブリックよりも大幅に空気力学的な節約を実現する。
Rule 28 Aero Base Layer: la capa interior que mejora la aerodinámica utilizada por Tadej Pogačarhttps://t.co/2Qjyl3DQLy pic.twitter.com/zFJPo5XyEF
— Ultimate Bikes BM (@UltimateBikesBM) April 21, 2023
重要なのは、袖のストライプの部分なので上半身しか必要がない。まさにエアロのためだけのベースレイヤーだ。
ただ、下に着るものなので上に羽織るジャージは薄手でないといけない。ストライプの部分で効果を発揮しているからだ。
多くのライダーがロードでも使用
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Rule 28のAero Base Layerは、多くのワールドツアーライダーが使っている。袖に縦の線があったらAero Base Layerだと思っても良いかもしれない。
INEOS Grenadiers、Israel – Premier Techのコービー・ホーセンスも使っている。タイム短縮が重要なトラック選手も数多く使っている。
Rule 28 のベースレイヤーは、ストライプの幅と高さが 1x1mm であるため、現在の UCI ルールに準拠している。一見硬く見えるが、実際には柔軟な生地のパイピングとなっている。
特許製品であり、他のブランドが同じようなデザインのエアロベースレイヤーは作れないようになっている。レースでは、各ライダーの袖部分に注目だ。
価格は、25,700円。
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