ジロ・デ・イタリア第3ステージで、レース序盤から逃げ続けてゴールでは4秒差で逃げ切ったタコ・ファンデルホールン。
UCIがスーパータックに前腕のTTポジションを禁止したにも関わらずタコ・ファンデルホールンは難しくなった逃げ切りに成功。
タコ・ファンデルホールンは最適化されたエアロの追及を行ったことは逃げ切るには重要なことだった。
彼の行った5つのエアロ最適化を見てみよう。
ポジショニング
この投稿をInstagramで見る
空気抵抗の最大の原因はライダーであり、全体の80%を占める。身体をエアロにしなければ決して速く走れることはない。
まずは、TTポジションが禁止されているので最速となるのは、フードを握って肘を折りたたむポジションとなる。
これは実感結果でも、TTポジションとほとんど変わらない空気抵抗であることはわかっている。
あとは、ハンドル幅を狭くしてブレーキフードを内側に向けることだ。これもレムコ・エヴェネプールや、ヴィクトール・カンペナールツなど多くのプロライダーもしている。
ハンドルバーを10mm狭くすると、通常45km/hで2ワット節約できる。42cmから38cmにすると8ワットの節約となる。
これはリアホイールをディスクホイールに変えるのと同じ効果となる。
更に、スーパータックは禁止だが、スーパータコならば問題ない(^^;
エアロウェア
この投稿をInstagramで見る
タコ・ファンデルホールンはスキンスーツで走っている。これはNopinzの製品で肌に密着し、空気抵抗を抑える生地を使用している。
ゼッケンナンバーを安全ピンでなく、特許取得済みのSpeedPocketと呼ばれる透明なポケットに入れるのを最初に開発したブランドだ。
さらに、タイムトライヤルで通常使用されるエアロオーバーシューズも使用していた。レース前半では、エアロ効果のあるアームウォーマーも着用。
スペシャライズドは、Evade GCロードレーススキンスーツが40kmのコースでライダーを96秒節約できるという結果を出している。
風洞実験では、スピードスーツが通常のサイクリングキットと比較して30km/hで30ワット以上の価値があることも教えてくれる。
逃げ切りに大きな効果を発揮したウエアを着ていたことがわかる。
エアロヘルメット
他のチームメイトは通常のFOACEヘルメットだが、タコ・ファンデルホールンはエアロヘルメット。更に、前面の通気口をテープでふさいでいる。
スペシャライズドの風洞実験では、通常のヘルメットに比べてエアロヘルメットは45km/hで11ワットの節約となる。
これだけの長距離を逃げた場合に、4秒の違いを生み出す一つの要因となっている。
エアロバイク
The winning bike 😎 pic.twitter.com/ZTovDAKgMP
— Intermarché-Wanty-Gobert (@IntermarcheWG) May 10, 2021
Cube Litening SLT C:68Xは、以前の非エアロバイクと比較して、空気抵抗を30%削減すると言われている。
エアロに最適化されたチューブ、隠しケーブル、一体型ハンドル。バイクは空気抵抗の20%を占めるのだから重要だ。
これも長い距離において効率よく走るために貢献している。
チューブレスエアロホイール
バイクにはNewmenカーボンエアロホイールが装着している。ホイールはブランドを見ると、まだ発売されていない製品。
タイヤは、ContinentalGP5000 TLタイヤが装着されていた。このタイヤの重量は決して軽くはないが、空気抵抗ところがり抵抗が良いとされている。
タコ・ファンデルホールンが4秒差で逃げ切った影には、エアロを追及した最適化があったからに他ならない。全ては1%の積み重ねだ。
コメント