アルデンヌクラシックの最終戦。これまでの勝者は
- アムステルゴールド ワウト・ファンアールト
- フレッシュ・フロンヌ ジュリアン・アラフィリップ
最後のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュは、誰が制することになるだろう。
なお、アムステルゴールドで0.004秒差の2位となったトム・ピドコックはフレッシュ・フロンヌの落車により欠場となっている。変更ライダーはエディ・ダンバーだ。
逆に、コロナの擬陽性でフレッシュ・フロンを欠場したUAEは出場。タデイ・ポガチャルにマルク・ヒルシの強力なコンビが登場する。
リエージュ~リエージュ 259.1km
5つのモニュメントの中で最も古く第107回目を迎える。
格式が高く記念碑的な意味合いも含まている5つのクラシックレースのこと。今年の優勝も列挙していおくと
- ミラノ〜サンレモ ジャスパー・ストゥイヴェン
- ロンド・ファン・フラーンデレン カスバー・アスグリーン
- パリ〜ルーベ
- リエージュ~バストーニュ~リエージュ
- イル・ロンバルディア
パリ~ルーべはコロナのために延期となったので、今年3番目のモニュメント開催となる。
昨年と同様に、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュは、リエージュのサンランベール広場で始まる。
マーススタトを離れると、259.1kmを超えるレースが実際に始まる。ルート上には11の公式登山があり、勝手にライダーの人数は減っていくだろう。
ただ、勝負所は後半となる。距離も長く獲得標高も多いので、パンチャーよりも、総合力のあるライダーが最後に勝つことになる。
7人の逃げ
UAE-Team Emiratesは、コロナ陽性の疑いでフレッシュ・ワロンヌを不出場となったタデイ・ポガチャル。
水曜日には、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのコースを200km以上走っている。
金曜日のPCR検査で、出場メンバー全員が陰性だったために出場可能となった。UAE-Team Emirateメンバーは以下でどうぞ。
マルク・ヒルシは昨年はTeam Sunwebから出て2位。昨年3位だったタデイ・ポガチャルと組むのだから最強のコンビと言ってもよいだろう。
ただ、マルク・ヒルシの調子はいまだ上がっていない。シーズンインも遅れており、今回はタデイ・ポガチャルのアシストとなるかもしれない。
マイケル・ウッズも(Israel Start-Up Nation)は、昨年7位。水曜日のフレッシュ・ワロンヌでは4位と調子を上げている。
このようなサバイバルなコースでは強いライダーだ。
昨年優勝のプリモッシュ・ログリッチ。フレッシュ・ワロンヌではゴール手前でジュリアン・アラフィリップに抜かれたが大本命だ。
最後まで残るのは間違いないだろう。
フレッシュ・ワロンヌ優勝で調子を上げてきたジュリアン・アラフィリップ。
クイックステップのメンバーについては以下を参考までに。
スタートの様子。
スタートから6キロで早くも7人の逃げが決まる。ワールドチームはトーマス・マルチンスキー(Lotto Soudal)37歳のベテランと、Intermarché – Wanty – Gobert Matériauxの二人。
Intermarché – Wanty – Gobert MatériauxとプロチームBingoal Pauwels Sauces WBは2名ずつ載せている。
スタートしてすぐに11分までタイム差を開く
- トーマス・マルチンスキー (Lotto Soudal)
- VLIEGEN Loïc (Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)
- ROTA Lorenzo (Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)
- HUYS Laurens (Bingoal Pauwels Sauces WB)
- VAN POUCKE Aaron (Sport Vlaanderen – Baloise)
- PAASSCHENS Mathijs (Bingoal Pauwels Sauces WB)
- HERNETSKI Sergei (Gazprom – RusVelo)
残り131.8kmで7分24秒のタイム差。すでに4分を縮めてきている。まあ、ゆっくりと捕まえる感じかな。
残り99.5kmでBARAのマッティオ・ファブロがパンク。すぐに追いつくだろう。
登りでは、ベテランのトーマス・マルチンスキー(Lotto Soudal)が引く。
ルイスレオン・サンチェスがアタックをかける。まあ、ペースアップといった感じか。
おっと、タデイ・ポガチャルもパンクだ。これは急いで戻らないと。
集団は下りでは凄いペースで走っている。
登りのたびに、誰かがペースアップ。
残り59kmで3人が抜け出す。本格的なメンバーの逃げではないけど。
- Mark Padun(Bahrain – Victorious)
- Mark Donovan(Team DSM)
- Harm Vanhoucke(Lotto Soudal)
BORAのチェザーレ・ベネッデッテイがパンクだ。
先頭集団は最後から4つ目の登りを登っている。メイン集団とは3分48秒のタイム差。
メイン集団はクイックステップが引きだす。タイム差は一気に1分縮まってきた。
第2集団の3人は先頭まであと1分となっている。残りは39.9kmなので早めに追いつきたいところ。
先頭集団は最後から3つ目の登りでバラバラとなる。すでに後方1分30秒までメイン集団は迫ってきた。
メイン集団は、イネオスが4人で先頭をひいて前を追っている。
先頭二人が捕まるのも時間の問題か。
第2集団はイネオスの引く第3集団に残り32.3kmで追いつかれる。
メイン集団はかなり人数を減らして前を追っている。あと40秒だ。
先頭は再び4人となるが、もう36秒のタイム差しかない。次の展開になりそうだ。
単独で抜けていたVLIEGEN Loïcが足がつってしまい二人に追い抜かれる。これは本当に痛い。
残り23.2kmで全ての逃げが捕まってしまう。ここからゴールまでに新たな勝ち逃げが出来るはず。
さあ、タデイ・ポガチャルが揺さぶりをかける。
残り21.3kmでリチャル・カラパスがアタックだ。これは、後ろはお見合いになっているので差を開きそうだ。一人なので、すんなり決まる感じか。
カラパスは下りを全開で飛ばす。18秒のタイム差を稼ぎだしたが、これではまだ逃げられない。
追っている第2集団は8人。その後ろは10人の第3集団。
- タデイ・ポガチャル
- プリモッシュ・ログリッチ
- マウリ・ファンセヴェナント
- ヨナス・ヴィンゲゴー
- ジャック・ヘイグ
- アダム・イェーツ
- セルジオ・イギータ
- クインティン・ハーマンズ
後ろの集団は合体。リチャル・カラパス一人だけが単独で逃げている。これはカラパスにとっては厳しい。集団はアシストがメイン集団を引き始める。
あ~、カラパスは、UAEのダヴィデ・フォルモロの引きで一気に最後の登りで捕まってしまう。
登りではマイケル・ウッズの引きでで先頭集団を作り出す。
マウリ・ファンセヴェナントの渾身の引きを生かして、ジュリアン・アラフィリップが先頭集団に入る。
これが勝ち逃げグループとなるか。
マイケル・ウッズの引きが強烈だ。タイム差は19秒まで開く。全員の利害が一致しているので先頭交代もスムーズだ。
- タデイ・ポガチャル
- ジュリアン・アラフィリップ
- マイケル・ウッズ
- アレハンドロ・バルベルデ
- ダヴィ・ゴデュ
ゴールまで6.2kmで30秒までタイム差を開く。後ろは18人いるが上手く回っていない。
当然前にエースがいるチームは邪魔するので、頑張るのはイネオスとユンボ・ヴィズマなど。あとは、スプリントのための時間を稼ぐだけで良い。
アレハンドロ・バルベルデが先頭でスプリントの準備に入る。後ろの集団が見えているのであまり牽制する暇はない。
アレハンドロ・バルベルデ、マイケル・ウッズ、ダヴィ・ゴデュ、ジュリアン・アラフィリップの並び。最後尾はタデイ・ポガチャル。
アレハンドロ・バルベルデが先頭からスプリントを開始するが、ジュリアン・アラフィリップがまくり横一線となる。
これは最後に勝つのは誰だ~
勝ったのはタデイ・ポガチャルだ~!
なんと、フレッシュ・ワロンヌをチームのコロナ問題のために欠場したポガチャルが勝ってしまうとは~。
ジュリアン・アラフィリップのホイールについたのは大正解だ。冷静に誰が一番強いかを良くわかっている。
タデイ・ポガチャルは見事にモニュメントを制した。これは22歳の彼にとって初めてのモニュメント獲得となる。
ゴール後のインタビューでは
私はこのレースが大好きで、ここでそのようなビッグネームを持つ一流のグループの中で最高であることは信じられないほどだ。
スプリントで、アラフィリップのホイールをターゲットにするのが最善であることがわかっていた。
できるだけ長く彼の後ろにいた。そうすれば彼を素早く追い抜くことができる。それが理想的な戦術であることが判明した。
私がプロトンの中で最大のオールラウンダーであるかどうか? そうは思わないが、私のサイクリングの夢を生きている。
水曜日、フレッシュ・ワロンヌでのスタートが許可されなかったため、とても失望した。出場した勝者のマルク・ヒルシなどと一緒に、そこには強力なチームと素晴らしい機会があったはずだ。
しかし、それは私たちに今日うまくいくための追加のモチベーションを与えたんだ。
スプリントには強いアレハンドロ・バルベルデやジュリアン・アラフィリップを破っての勝利は素晴らしい。戦術もクレイバーだ。
ツール・ド・フランスの勝利に続いて、クラシックも制覇してしまうとは。偉大なライダーとして歴史に名を残すことになりそうだ。
こちらはラスト1kmから
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | POGAČAR Tadej | UAE-Team Emirates | 500 | 275 | 6:39:26 |
2 | ALAPHILIPPE Julian | Deceuninck – Quick Step | 400 | 200 | ,, |
3 | GAUDU David | Groupama – FDJ | 325 | 150 | ,, |
4 | VALVERDE Alejandro | Movistar Team | 275 | 120 | ,, |
5 | WOODS Michael | Israel Start-Up Nation | 225 | 100 | ,, |
6 | HIRSCHI Marc | UAE-Team Emirates | 175 | 90 | 0:07 |
7 | BENOOT Tiesj | Team DSM | 150 | 80 | ,, |
8 | MOLLEMA Bauke | Trek – Segafredo | 125 | 70 | ,, |
9 | SCHACHMANN Maximilian | BORA – hansgrohe | 100 | 60 | 0:09 |
10 | MOHORIČ Matej | Bahrain – Victorious | 85 | 50 | ,, |
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