2020UCIシクロクロス世界選手権の男子エリートはマチュー・ファンデルプールがスタートから圧倒的なスピードで勝負を決めてしまった。
1度も先頭を譲らずに完璧なレース運びで、1周目ですでに10秒のリード。
あとは団子になっている2位集団から誰が抜けだすのかを見るのが焦点になってしまう。
私的には、復帰途中のワウト・ファンアールトを応援していたのだけど。結果的にワウト・ファンアールトは4位。
途中経過では、トーン・アールツと共に3位争いをしていたので、これは3位もあるぞと思っていたのだが。画面が切り変わると一気に差がついていた。
ほとんど抜く寸前まで行っていたのに何故?
凄く不思議に感じていた。これほどペースが変わるものだろうかと。
ベルギー勢のメンバーは
今回の世界選手権におけるベルギー勢のメンツは凄まじい。ほとんどマチュー・ファンデルプールと1対7の様相だ。
- トーン・アールツ(2019ベルギーチャンピオン)
- ワウト・ファンアールト(2016・17・18世界チャンピオン)
- ローレンス・スウィーク(2020ベルギーチャンピオン)
- マイケル・ファントーレンハウト
- ティム・メルリエ
- クィンティン・ヘルマンス
- エリ・イゼルビッド
だが、レースはスタートして1周で決まってしまう。
マチュー・ファンデルプールがライバルと称していたトーン・アールツもちぎれてしまうほどマチューのスピードは凄かった。
HERE WE GO!!!
The Elite Men are in action. @mathieuvdpoel 🇳🇱 leads it out, can anyone beat him today? Place your bets now!#Dubendorf2020 pic.twitter.com/B25l4FI3cD
— UCI Cyclocross (@UCI_CX) February 2, 2020
今回のコースは高速コースと思われていたが、雨のためにコースはドロドロ。足の力が試される厳しいコースと様変わりした。
マチュー・ファンデルプールに先頭を走らせたら後続から追い抜くには、相当の脚力がないと厳しいコースだった。
2位はトム・ビドコック
そして、今回の面白みは2位3位争いだったが、なんとイギリスのトム・ピドコックが絶好調だったのには驚いた。これまでもU23から上がってきて、何度か表彰台にも立っているが、この世界選手権が一番調子が良かった。
アップもばっちりと決まったのだろう。
こちらがトム・ピドコックがアタックを決めた瞬間だが、物凄いスピードでフライオーバーを駆け上がっている。
❗️Attack from @Tompid 🇬🇧❗️
The young Brit has had enough of the Belgian games and wants to ride solo.
He crosses the line after 3 laps of 7 in 2nd, now 1 minute behind @mathieuvdpoel 🇳🇱.What a move! But can he hold on?#Dubendorf2020 pic.twitter.com/63pMYQgPYw
— UCI Cyclocross (@UCI_CX) February 2, 2020
このスピードはロードでも鍛えているトム・ピドコックならではの物だ。エリートでも後続から追いあげて2位となったのは素晴らしい。ただ、一人アタックに反応出来たのは、同じくU23から上がってきた小さな巨人ことエリ・イーゼルビットただ一人。
ただ、エリ・イーゼルビットはこれまでの走りを見ると寒さと泥や砂場に弱いように見える。トップ戦線から脱落して10位でフニッシュしている。
3位争いが熾烈
Belgian train with a single British carriage.
🇧🇪🇧🇪🇧🇪🇬🇧🇧🇪🇧🇪@Tompid is in the mix for the silver and bronze medals along with the Belgians: @ToAerts @IserbytEli @vth_michael @LaurensSweeck and @WoutvanAert.#Dubendorf2020 pic.twitter.com/7rrsH8TOor— UCI Cyclocross (@UCI_CX) February 2, 2020
ワウト・ファンアールトは、2位集団の最後尾で走っていた。スタートが前から3列目で不利な状態からのスタートなので仕方がない。
だが、彼は一人づつ抜いていき、ついにトーン・アールツとの表彰台をかけた争いに挑むことになる。ワウト・ファンアールトの世界選手権出場は、9回目だが一度も表彰台を逃したことはない。
徐々に合間をつめて真後ろまで迫っていく。これならばトーン・アールツをまくれるかと思っていたら。
次の映像が切り替わった時には一気に離れていた。その原因をインタビューでワウト・ファンアールトが語っている。
9回目のワールドカップで9回目の表彰台を望んでいたが、パンクのせいでチャンスを守ることができなかった。
満足しているか? とりあえず。表彰台に近かったからね。
パンクがなければ、アールツとの素晴らしい戦いだっただろう。それは私の力ではなかったので失望している。
これは私の9回目のワールドカップメダルだったかもしれない。もしも、スプリントで負けていたのなら、それほど問題にしてないだろう。
今、私は自分のチャンスを守ることができなかった。パンクしたため、20〜30秒遅れたのはとても残念だ。
失意の思いをワウト・ファンアールトは語った。
シクロクロスのパンクは分かりにくい。見ている側は何故遅れたのかわからない。ロードと違ってパンクしてもシクロクロスのライダーはそのまま走る。
まあ、走らないとピットまで行けないし。
過去に、マチュー・ファンデルプールもレース中に2回パンクしたことがあるが走り続けていたから分からなかった。彼の場合、そんなにスピードが変わってないということもあるかもしれないけど。
どんな世界にも、タラ・レバはないが、もしパンクしていなかったら。結果は変わってないかもしれないが、最後までレースは面白かっただろう。
ワウト・ファンアールトは来年は勝つために戻ってくると言う。強いワウト・ファンアールト本来の走りを来年は見れることを期待しておこう。
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