マグナス・シェフィールドがNetcompany INEOSからUno-X Mobilityに移籍する。
24歳のシェフィールドは米国人。2022年から5シーズンにわたってINEOSの一員として走り、2025 ブランバンツ・パイルをはじめ、2025 パリ~ニース第8ステージ優勝など、世界トップレベルで実績を積み上げてきた選手だ。
一方、Uno-X Mobilityといえば、ノルウェーとデンマークを中心としたスカンジナビアの北欧チーム。男子チームは長年、ノルウェー人とデンマーク人の育成を軸にしてきた。
では、なぜ米国人のシェフィールドが、そのUno-X Mobilityへ移籍するのだろうか。
実は、その答えは彼のノルウェーとのつながりにある。
2030年末までの4年契約
この投稿をInstagramで見る
マグナス・シェフィールドは米国ニューヨークで育ったが、ノルウェーとは非常に深い関係を持っている。
母親はノルウェーのギョービク出身。20歳のときに米国へ渡り、そこでシェフィールドの父親と出会った。
シェフィールド自身は米国で育ったものの、家庭ではノルウェーの文化が大切にされていたという。
母親の故郷であるノルウェーには子どもの頃から頻繁に訪れており、現在も姉がノルウェーに住み、兄もかつてノルウェーで数年間暮らしていた。
さらにシェフィールドはノルウェー語を話すことができ、米国とノルウェーの二重国籍も持っている。
つまり、国籍だけを見れば「米国人」だが、本人にとってノルウェーは単なるルーツの一つではない。幼少期から家族とともに文化や言語に触れてきた、もう一つの故郷ともいえる存在なのだ。
Uno-Xとの関係はプロ入り前から
さらに興味深いのが、マグナス・シェフィールドとUno-Xの関係だ。
シェフィールドはプロ選手になる前、ジュニア時代からすでにUno-Xと接点を持っていた。
2019年、17歳だったシェフィールドはヨークシャーで開催されたジュニア世界選手権ロードレースで銅メダルを獲得。この時勝利したのは同胞のクイン・シモンズだ。
当時からUno-Xは彼を有望選手として注目していた。
本人によれば、その頃からUno-Xと話をしており、「このチームで走るかどうかではなく、いつ走るのかという問題だった」と振り返っている。
つまり、今回の移籍は突然生まれたものではない。
シェフィールドがプロとして成長する一方で、Uno-Xとのつながりも長い時間をかけて続いていた。
選手としての実力もある
この投稿をInstagramで見る
もちろん、ノルウェーとのルーツだけでUno-Xがシェフィールドを獲得したわけではない。
マグナス・シェフィールドは、2020年にコロラド州のオリンピックトレーニングセンターで、3分6秒447というジュニアの3km個人追抜の世界新記録を出している。
これは、コロナで走れるレースがなかったから、夢中になれるものを探した結果だ。
シェフィールドは2022年にINEOSでワールドツアー初年度からブランバンツ・パイルを制覇。その後、ステージレースやワンデーレース、タイムトライアルまで幅広い能力を示してきた。デビューの2022年だけで、3勝もあげている。
2023 ツール・ド・スイス第5ステージでは、ジーノ・マーダーと共に崖下に落下。脳震盪を起こしている。
2025年にはパリ~ニース最終ステージで独走勝利を飾り、総合でも4位に入った。ツール・ド・フランドルでは6位、ツール・ド・ポローニュでは5位、ツアー・オブ・ノルウェーでは総合2位など、さまざまなタイプのレースで結果を残している。
Uno-XのGMトル・フースホフトは、2025 パリ~ニース総合4位、2024 ツール・ド・フランドル6位という成績を挙げ、シェフィールドの幅広い能力を高く評価している。
シェフィールド自身も、プロチームからワールドツアーチームへと成長してきたUno-Xの歩みを以前から追っていたという。
そして2027年というタイミングについて、「自分のキャリアにとっても、チームの発展にとっても完璧なタイミング」と語っている。
「いつか」ではなく「いつなのか」
この投稿をInstagramで見る
今回の移籍を象徴するのが、シェフィールド自身の言葉だ。
ジュニア時代からUno-Xと接点を持っていた彼にとって、このチームで走ることは「もしあるなら」という話ではなく、「いつ実現するのか」という話だった。
そして2027年、その時が来る。
米国で育ったマグナス・シェフィールドが、ノルウェーの血を引き、ノルウェー語を話し、ノルウェーとのつながりを持ったまま、スカンジナビアを象徴するUno-X Mobilityのジャージを着る。
それはチームの国籍構成を変える移籍であると同時に、Uno-Xが築いてきた文化を壊すものではない。
2027年から2030年までの4年契約を結んだシェフィールドが、ノルウェーとの深いつながりを持つUno-X Mobilityで、さらにどこまで成長できるのか。
間違いなく、勝利数は増えるはず。以前のようにゴール前からロングスパートして勝つパターンが復活すれば面白い。
「なぜ米国人がUno-Xなのか」という疑問の答えは、彼の国籍ではなく、そのルーツとこれまでの歩みにある。





コメント